【シルクロードS】好データは「関西馬」「重ハンデ」「非社台」など 今年の該当馬は?

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今年の舞台は中京
1月31日(日)に行われるシルクロードSは、GI高松宮記念に向けて重要な一戦。ここ10年で6頭の連対馬を出しており、これは阪急杯と並んで最多である。しかも、今年は本番と同じ中京競馬場で行われることもあり、より注目度が増すと予想される。
というわけで、まずは京都芝1200mと中京芝1200mではどのくらい傾向が違うのかを簡単に見ていこうと思う(集計期間は2016~2020年)。

芝1200mという条件は、ほとんどの競馬場が先行有利の傾向。京都も中京も例にもれず。京都は差しの勝率5.8%、中京は3.7%だから、やや京都の方が差しが利くかなという程度で、基本は逃げ、先行が有利と考えて間違いない。
では、種牡馬の傾向はどうか。京都の芝1200mで勝利数が多い順に並べるとロードカナロア、アドマイヤムーン、ダイワメジャー、ヨハネスブルグ、キンシャサノキセキとなる。対して今回行われる中京競馬場はディープインパクト、ロードカナロア、ダイワメジャー、キンシャサノキセキ、ブラックタイドの順。
3頭が重複しているが、やはり目につくのは、京都でベスト5に入っていなかったディープインパクトが中京芝1200mだと1位に躍り出ていることだろう。5位に全兄ブラックタイドが入っていることからも、この母系と相性がいい条件のようである。
ハンデは重い方が有利?



では、シルクロードSのデータ分析にいってみよう。まずは年齢から。4~6歳がそれぞれ3勝を挙げており、連対率も大きな差はなくほぼ互角の成績。7歳以上になると勝率、連対率ともにぐっと下がるので、4、5、6歳馬が有利と考えていいだろう。
性別だと牡馬・セン馬が14連対とリードしているが、これは出走頭数の関係が大きい。勝率、連対率ともに大きな差はなく、性別による有利、不利はない。
所属別でみると、栗東所属馬が10勝に対して美浦所蔵馬は0勝。栗東所属馬が3倍以上も多く出走しているとはいえ、勝率、連対率でも栗東所属馬が大きくリードしている結果となった。また美浦所属の牝馬に限ると10頭が出走して、馬券に絡んだ馬は1頭もいない。



ハンデは牡馬・セン馬と牝馬を別々に見ていく。まずは牡馬・セン馬だが、勝ち馬7頭すべてが56.5キロ以上を背負った馬となっている。特に58キロ以上の馬は2勝2着2回、トータルでも40%の高確率で連対している。56キロ以下の馬は0勝、2着が3回。牡馬に関してはハンデが重い馬ほど成績がいい傾向が出ている。
牝馬は勝った3頭がすべて55キロ台。2着も1回あり、連対率は5割と高確率で連に絡んでいる。53キロも2連対しており悪くない。結果が全く出ていないのは52キロ(9頭)、54キロ(15頭)、そして56キロ以上(3頭)の馬で、全頭が着外に終わっている。
また、性別に関係なく前走から2キロ以上斤量が重くなった馬【2-3-0-3】に対し、2キロ以上軽くなった馬は【0-0-3-34】と連対馬が出ていない。普通は斤量が軽くなった方が有利に思えるのだが、このレースに限っては逆の傾向が出ている。


前走着順に関してだが、4着以内だった馬が9勝と好成績を残している。逆に前走を1秒以上の差で負けていた馬からは勝ち馬が出ていない。
前走条件については、オープン、重賞を使っていた馬が19連対。条件戦を経て挑戦してきた馬は2着が1回しかない。しかし、それ以上に成績が悪いのはハンデ戦を使っていた馬。斤量の増減にかかわらず【0-0-1-34】と結果が出ていない。

今年も絶好調のノーザンファーム生産馬だが、このレースは【1-0-0-8】と苦手としている様子。同じ社台グループの社台F、社台コーポレーション白老F、追分Fからは勝ち馬が出ていない。
クリノガウディーに白羽の矢
大まかな傾向が見えてきたところでまとめに入ろう。シルクロードSの好走データはA「4~6歳」B「栗東所属」C「牡馬なら56.5キロ以上、牝馬なら53キロor55キロ台」D「前走から2キロ以上の斤量増」E「前走4着以内」F「前走はオープンか重賞(ハンデ戦は除く)」G「社台系生産馬以外にチャンスあり」となる。
今回の出走馬で上記のデータを多く満たしているのはエイティーンガール(ABCFG)、クリノガウディー(ABCFG)、モズスーパーフレア(ABEFG)、そしてライトオンキュー(ABCFG)の4頭。この中で危険なのはモズスーパーフレア。牝馬で連対がない56キロ以上のハンデを背負ううえ、前走ダートから挑んだ馬も【0-0-0-8】と結果が出ていない。人気が予想される馬でもあり、配当的にも消しが正解だろう。
本命は残る3頭からとなるが、今回のデータのカギとなるのはハンデ。この中で最も好走率が高いハンデを背負っているのはエイティーンガールの牝馬55キロ【2-1-0-4】と、クリノガウディーの牡馬58キロ【2-1-0-5】。
どちらを上に取るかだが、気になるのはエイティーンガールの前走であるスプリンターズS。間隔が開いたこと自体は問題ないが、スプリンターズS組で牝馬に限れば【0-0-0-8】となり、馬券に絡んだ馬がいない。また、その前走で1秒以上離されて負けているのもデータ的にマイナス。
というわけで、今回はクリノガウディーを本命に据えたい。クリノガウディーといえば、昨年の高松宮記念で無念の1着降着。中京の借りは中京で返しておきたいところだ。
ライトオンキューもエイティーンガールと同じスプリンターズS組だが、これが牡馬だと【2-1-0-3】の好データに早変わり。やはりこの馬も外せない。
牝馬に関しては「美浦所属」または「52以下、54キロ、56キロ以上」で馬券に絡んだ馬はいないが、今回はエイティーンガール以外がすべてそれに当てはまる。よって、牝馬はエイティーンガール以外は消しでいいだろう。
◎クリノガウディー
○ライトオンキュー
▲エイティーンガール
《ライタープロフィール》
門田 光生(かどた みつお)
競馬専門紙「競馬ニホン」で調教班として20年以上在籍。本社予想などを担当し、編集部チーフも兼任。現在、サンケイスポーツにて地方競馬を中心に予想・記事を執筆中。
中京競馬場は昨年12月からほぼ休みなく使われているうえ、先週は雨馬場で使い込まれたので荒れ具合が心配されるところ。4週間の休みを挟むとはいえ、高松宮記念は時計のかかる決着になる可能性が高いとみています。
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