「芝1200m」「3勝クラス」が冬の小倉で最も荒れる条件 31日の巌流島ステークスは大荒れ間違いなし?

佐藤永記

小倉競馬の荒れるコースインフォグラフィックⒸSPAIA

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冬の小倉で高配当狙いなら芝1200m

小倉競馬が始まった。京都競馬に替わって中京競馬が開催されているため、中京は普段と違うファンファーレ。本来同じものを流用している小倉と中京の同時開催による違和感で混乱したファンも多かっただろう。

そんな冬の小倉開催だが一部で「魔境」の異名をとるのにふさわしい、トリッキーなレースが今年も展開されている。開幕週の日曜、17日だけを見ても10番人気が2勝、3Rでは6、9、4番人気で決着。4Rでは最低12番人気馬が1着で、2着が2番人気、3着が1番人気にも関わらず複勝・ワイド以外は全部万馬券となった。

では、冬の小倉競馬で一番荒れるのはどんな条件だろう。2018年以降の1回小倉競馬全レース(2021年は2日目終了時点)を対象に、まずはコース別結果を整理したところ、障害戦を除けば芝1200mが断トツの荒れ具合だった。

1回小倉コース別波乱度合いⒸSPAIA


芝1200mでは1着馬の平均が4.5番人気、単勝平均配当も1,316円。1着馬平均人気の次点はダ1000mの3.9番人気、単勝平均配当の次点は芝2600mの1,107円なので、芝1200mだけはっきりと荒れていることが分かる。先週末の萌黄賞でも14、15、9番人気決着で3連単602万馬券が出た。

また、全体的にダートより芝の波乱度が高い。ダート戦は1000m、1700m、2400m全て単勝平均配当が1,000円を割っているが、芝はどの条件でも1,000円を超えている。波乱を待つならダートより芝だ。

上級条件ほど荒れる!

次に見るのはクラス別だ。先ほどと同じ条件で調べたところ、レース施行数が少ないものの3勝クラス(旧1600万下)が単勝平均配当2,770円、1着馬も平均6.4番人気とズバ抜けている。

1回小倉クラス別波乱度合いⒸSPAIA


以下、2勝クラスは単勝平均配当1,256円、1勝クラス992円となっており、高額条件戦の方が波乱の様相だ。そして重賞はサンプルが少ないものの、4回中3回で1番人気が勝てていない。1番人気トリオンフが勝った2018年の小倉大賞典でも2着に15番人気のクインズミラーグロが入り馬単19,180円、3連単163,430円だった。他の重賞の3連単はいずれも30万以上の配当になっている。

楽しみとなった31日巌流島ステークス

ここまでを整理すると、「芝1200m」「3勝クラス」のレースが一番、波乱期待度が高いということになる。そんなレースが今週日曜31日のメインに組まれている。巌流島ステークスだ。

あれ?と思った方もいるだろう。昨年は巌流島「特別」で2勝クラス、さらに前は1勝クラスの条件だったからだ。3勝クラスで冬の小倉芝1200mというと2019年2月24日下関ステークスまでさかのぼってしまう。その下関Sは12番人気のメイソンジュニアが4番手から抜け出して1着。単勝は2,850円。3連単は187,610円の高配当だった。

せっかくなので登録馬を見ながら検討してみよう。人気は割れそうだが、タマモティータイムやリレーションシップといった4歳勢が中心だろう。

上位人気の一角になるだろう5歳馬ニシノドレッシーが小倉芝1200mで(1-2-0-1)と安定感が高く連軸に向いている。唯一の着外(6着)も勝ち馬とは0.1秒差、8着までが1馬身以内という大激戦に加わっていた。的場均厩舎は冬の小倉に毎年馬を参戦させており、その筆頭格がこの馬。勝負気配も濃厚だ。

先述の下関Sメイソンジュニアのように4番手付近の好位からレースを進める馬のため、位置取りも過去パターンにハマりそうだ。この馬から3連複あたりでいい配当を狙いたい。

<ライタープロフィール>
佐藤永記
20代を公営ギャンブラーとして過ごし、30歳から公営競技の解説配信活動を開始。競馬を始め多くの公営競技ファンに各競技の面白さや予想の楽しみを伝えている。現在はYoutubeで配信活動を続けながらライターとして公営競技の垣根を超えて各所で執筆中。

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