【愛知杯】マジックキャッスルと戸崎騎手が好発進 「史上最速ペース」で次走見直せる馬は?
SPAIA編集部 鈴木佑也
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マジックキャッスルが差し切る
1月16日に中京競馬場で行われたのは愛知杯。「牝馬限定ハンデGⅢ」の例に漏れず、荒れるレースとして知られる一戦で、しかもこの日の競馬はファンの想像域外の波乱続き。直前の小倉メインでも14頭立て12番人気・単勝万馬券のアーデントリーが勝利。
さあ、果たして愛知杯はどうなってしまうのか、という穴党の期待(?)をよそに、2番人気マジックキャッスルが快勝。3連単は7万9590円と、過去10年で2番目に低い配当。愛知杯にしてはかなり大人しい結末となった。
レースは2・3歳時に短距離でならしたディアンドルがハナ。タガノアスワド、ナルハヤの2騎がつつくような形でペースがぐんぐん上がり、4番手以下の集団を離して縦長。ランブリングアレーは中団8番手、マジックキャッスルは外枠なりの11番手追走。1番人気センテリュオは後方の内に構え、ウラヌスチャームはその後ろで末脚に賭けるレースを選択。
前半1000m通過は57.9秒の超ハイペース。中京競馬場が現行のコースに改修されて以降、芝2000m戦で最もペースが速かったのは18年中日新聞杯の58.7秒だが、離れた4番手集団でもこのくらいだったか。当然ながら待機勢に出番が回ってくる。
直線は3番人気のサトノダムゼルが先頭をうかがうが、ディアンドルが粘り腰を見せてなかなか交わせない。その争いを尻目に、ランブリングアレーが一気の脚で先頭に立つ。離れた外からマジックキャッスルも鋭く伸びて、勝負はこの2頭に絞られる。
抜け出したランブリングアレーが内ラチ沿いまでモタれてやや勢いを失うところ、マジックキャッスルが最後にキッチリとらえてクビ差勝利。3馬身離れた3着争いは14番人気アブレイズの健闘を、外から岩田康誠騎手の8番人気ウラヌスチャームが制した。
次走の注目馬は?
勝ったマジックキャッスルはこれが重賞初勝利。それどころか、牝馬三冠を皆勤で秋華賞2着馬ながら、これまでは1勝馬。待望の2勝目が重賞タイトルだった。これで戸崎圭太騎手とは4戦して【2-2-0-0】の好相性。
戸崎騎手は昨年、ケガによる出遅れで関東リーディングを若手の横山武史騎手に明け渡したが、今年は順調にいけばハンデなしの通年勝負。マジックキャッスルともども、2021年の好発進を切れた形だ。それにしても、国枝厩舎は層が厚い。
先頭集団は超のつくハイペース、4番手以降もハイペースだったため、次走以降は先行勢の巻き返しに注目したい。
まずは9着のシゲルピンクダイヤ。3歳時にGⅠで戦った頃は後方一気で結果を出していた馬。2000mでハイペースの好位を追いかけるという形は未知の領域だった。
何より、慢性的に抱えていたゲート難を近2走は見せておらず、ようやくレースに集中できる態勢が整ったのは大きい。人気になりにくい馬で、今後も何度かオイシイ馬券を演出してくれそうだ。
次いで、逃げて10着のディアンドル。ペースを考えれば直線入り口でサトノダムゼル相手に一瞬とはいえ抵抗を見せたのが好印象。近走のレース起用はショック療法的な面もあるのだろうが、本来は短距離で良績のある馬。短縮で復活もありえる。
最後に1番人気11着のセンテリュオ。以前に左回りを1度だけ使った19年新潟記念でもコーナーで立ち遅れ、最後にジワジワ盛り返して7着という競馬。今回も3コーナーから押しても全く進んでいかず、直線は早々に流していた。左回りは空っきしなのだろう。
もっとも、クラブ所属の6歳牝馬なのでもう一戦あるかないか微妙なところ。もし右回りのラストランを用意してくるようなら、馬券をモノにして「サヨナラパーティー」といきたいものだ。
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