【京成杯】12頭中9頭が「新馬・未勝利組」 好走パターンに該当する差し脚質の穴馬は
東大ホースメンクラブ
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2勝馬不在で混戦
1月17日(日)に中山競馬場で行われる京成杯(GⅢ・芝2000m)。皐月賞と同じ舞台で行われるクラシックへの登竜門に今年は12頭が顔をそろえた。頭数は手頃に収まったが、ルメール騎手騎乗で半姉にレシステンシアがいる良血馬グラティアスや同コースの未勝利戦を8馬身差で勝利したタイムトゥヘヴンなど多くの素質馬が集まった印象だ。
ただ、メンバー中に2勝馬はおらず、先週のフェアリーSと同様にかなりの混戦模様。馬券的に妙味のある馬は果たしてどれか、今週もデータを踏まえて検討していこう。 はじめに、過去10年の傾向を分析する。
2012年を最後に勝ち時計は2分01秒を切ったことはなく、低速決着となっている。ただし年末に比べるとだいぶ芝コースの馬場状態は回復しており、当日の状況次第ではもう少し速い決着になる可能性はあるだろう。展開的には極端に緩むことはなく概ね平均ペースで流れており、上がりだけの競馬になりにくいという点で距離に不安があるタイプはなかなか活躍できていない傾向にあるようだ。
脚質的には目立った傾向はないが、10年中7年で4角10番手以下の馬が馬券になっており、思いのほか後方待機勢の台頭が目立つ。この点は、近年の皐月賞がかなり前有利にシフトしているのとは好対照と言えるだろう。先週の競馬でも特に日曜の後半からは外差しが頻繁に決まっていたし、直線に懸けるタイプでも十分チャンスはあるものと考えたい。
新馬・未勝利組の好走パターンは?
出走12頭中、実に9頭が新馬・未勝利組ということで、単にこの時期の3歳戦であるという以上に各馬の能力を推し量るのが難しいレースのようにも思える。しかし、過去の好走パターンは意外と明確のようだ。
過去10年の前走脚質別を見ると、差す競馬で勝ち上がった馬が【3-1-3-10】で複回収率171%と抜群の好成績を残している。各馬の能力をジャッジするためには、終いの脚に着目するのが最も手っ取り早い方法のようだ。逆に前目の位置からそつのない競馬で勝ち上がったタイプは案外当てにならず、こちらは控えめな評価にとどめておくのが馬券的には正解だろう。
前走の再現に期待
本命には、前走で福島の未勝利戦を勝ち上がったラカンを推したい。本レースがキャリア6戦目と勝ち上がりに時間を要したことで軽視する向きもあるが、前走はラスト3Fが12秒3-12秒2-12秒1というジワジワとした加速ラップのなか外目から進出して2馬身差の差し切り勝ち。器用さには欠ける面があるが、最後はきっちり脚を使うタイプであり、重賞で通用するだけの力はある。馬場・展開の助けがあれば頭でも狙えるとみて本命視したい。
2番手にタイソウ。前走で新馬勝ちを収めたモーリス産駒で、時計は遅かったが急坂のある阪神芝2000で11秒9-11秒6-11秒4という加速ラップを刻み3馬身差をつけたのは評価すべきだろう。ここでも上位争いの一角だ。
3番手にヴァイスメテオール。前走は新馬戦らしいスローペースのなかを2番手で折り合い、上がり33秒9の末脚で勝利。全体時計はさほど強調できないが、ラスト2F連続で11秒2というラップを刻むあたり、まだまだ奥は深そう。ローテーション的にも成長を促しつつ目標を合わせてきた印象を受けるし、ここでも好勝負が期待できそうだ。
4番手にはタイムトゥヘヴン。未勝利戦は2着に1秒4差をつける大楽勝であり、2分03秒0という勝ち時計も同日のホープフルSの勝ち時計2分02秒8と比べて見劣るものではない。能力の裏付けは十分とみてここでも上位に評価したい。
グラティアスの新馬戦は直線で並びかけられるところもあったが、最後は突き放して0秒2差をつけており、勝負根性をうかがわせる内容。妙味には乏しいが相手には入れざるを得ない。そのほか、相手には東スポ杯4着の実績があるプラチナトレジャーと中山適性のありそうなディクテイターを押さえておくことにする。
▽京成杯予想▽
◎ラカン
○タイソウ
▲ヴァイスメテオール
△タイムトゥヘヴン
×グラティアス
×プラチナトレジャー
×ディクテイター
《ライタープロフィール》
東大ホースメンクラブ
約30年にわたる伝統をもつ東京大学の競馬サークル。現役東大生が日夜さまざまな角度から競馬を研究している。現在「東大ホースメンクラブの愉快な仲間たちのブログ」で予想を公開中。
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