【愛知杯】センテリュオは年齢がネックで消し ハイブリッド式消去法で残ったのは人気薄中心の5頭

八木遊

2021年愛知杯ハイブリッド式消去法ⒸSPAIA

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5つのデータから絞れた馬は?

先週の『フェアリーS』では、本命にタイニーロマンスを指名。内田博幸騎手が果敢にハナを切ったが、道中クールキャットに絡まれたのが響き6着に敗れた。消去を免れたもう1頭のテンハッピーローズも人気を裏切って4着。2021年の“初当たり”は持ち越しとなった。

今週は3つの重賞のうち、中京競馬場で開催される『愛知杯』を取り上げる。今回は過去10年ではなく、馬場改修後に中京競馬場で開催された過去7回(2012~19年)のデータを参照。複勝率10%未満の「凡走データ」を5つピックアップし、消去対象馬を1頭でも多く見つけたい。今年はフルゲート18頭に対し、26頭が登録。重複登録馬も多いため、全26頭を対象に消去データを探していく。

『前走後方』×『前走15頭立て以下』★0.0%★

中京開催過去7回(2012~19年)の脚質別成績を見ると、逃げと先行が1勝ずつ、中団が3勝、後方が2勝となっている。『前走後方』組は愛知杯で【2-0-1-34】(複勝率8.1%)と、この時点で複勝率10%未満だが、ハイブリッド式ではもう一つの条件を重ね合わせる。今回は前走レースの出走頭数に着目。前走が16頭立て以上の場合は、【2-0-1-21】(複勝率12.5%)だったが、15頭立て以下は【0-0-0-13】で、すべて馬券圏外に沈んでいた。

登録26頭のうち、この条件に当てはまったのは3頭。いずれも除外の可能性はあるが、もし出走した場合は迷わず消去したい。

【今年の該当馬】
・フィリアプーラ
・ミスマンマミーア
・ムジカ

『斤量53kg以下』×『前走0.3秒差以上で負け』★1.9%★

続いては、ハンデ戦ということで、斤量をヒントに消去データを探したい。着目したのが斤量53kg以下のグループ。その成績は【3-5-3-67】(複勝率14.1%)と決して悪い数字ではない。ただし、前走0.3秒差以上で負けという条件を加えると、【0-1-0-51】と好走率は大きく下がる。2つ目の消去データとして、この組み合わせを採用したい。

登録26頭のうち、この条件に当てはまったのは9頭。昨年のオークス3着馬、ウインマイティーなど新たに7頭を消去する。

【今年の該当馬】
・アブレイズ
・ウインマイティー
・カセドラルベル
・サマーセント
・シャレード
・タガノアスワド
・(フィリアプーラ)
・(ミスマンマミーア)
・ロサグラウカ

『前走GⅠ』×『前走6着以下』★4.3%★

続いては前走クラス別から消去データを探った。注目したのは前走GⅠ組だ。対象期間の成績は【2-2-1-30】(複勝率14.3%)とイマイチ。この組の好走条件は、前走で掲示板に載っていることだ。5着以内なら【1-2-1-8】(複勝率33.3%)と信頼度は高めだが、6着以下は【1-0-0-22】(複勝率4.3%)で数字は大きく落ち込む。

今年はこの条件に4頭が当てはまった。GⅠ大敗からの巻き返しはないとみて、新たにウラヌスチャームを消去したい。

【今年の該当馬】
・(アブレイズ)
・(ウインマイティー)
・ウラヌスチャーム
・(ロサグラウカ)

『5歳12月以降』×『関西馬』★6.1%★

続いてはレース当時の年齢に注目した。今回対象とした中京開催過去7回のうち、12年から14年の3回は12月開催。2016年以降は1月開催だった。12月開催時の5歳以上および、1月開催時の6歳以上が苦戦していて、その成績は【1-2-2-49】(複勝率9.3%)。そして、これに掛け合わせたのが調教師の所属先。美浦所属の【1-1-1-18】(複勝率14.3%)に対し、栗東所属は【0-1-1-31】(複勝率6.1%)で、2倍以上の開きがあった。

今年このデータに当てはまったのは1番人気が濃厚なセンテリュオや昨年の覇者デンコウアンジュなど8頭。関西馬を対象にしたことで、消去対象の馬は膨れ上がった。

【今年の該当馬】
・サトノガーネット
・センテリュオ
・(タガノアスワド)
・デンコウアンジュ
・ナルハヤ
・ブライティアレディ
・(ミスマンマミーア)
・レイホーロマンス

『社台系生産』×『前走から距離延長』★8.7%★

最後は、生産者別のデータをピックアップする。いつものように社台系と非社台系で分けると、前者の複勝率は15.5%、後者が19.7%と、社台系の方がやや苦戦している。社台系生産馬に掛け合わせたのは、前走からの距離変動だ。同距離もしくは距離短縮の場合は【4-1-2-28】(複勝率20.0%)と好走率は水準以上。しかし前走から距離延長の場合は【0-2-0-21】で、複勝率は10%を割り込んだ。

今年この条件に当てはまったのは4頭。前走マイル重賞のターコイズSから参戦するドナウデルタとランブリングアレーなどが消去対象となった。

【今年の該当馬】
・サトノダムゼル
・ドナウデルタ
・ランブリングアレー
・リンディーホップ

5つの消去データを経て、残ったのはシゲルピンクダイヤ、ディアンドル、マジックキャッスル、ムーンライトナイト、レッドアステルの5頭だけ。このうちムーンライトナイトは除外の可能性が高く、もし出走したとしても前走2勝クラスを勝ち上がったばかりで好走は難しいだろう。

面白そうなのは、左回り2戦2勝のレッドアステル。5歳を迎えたが、まだキャリア8戦で底を見せていない。マジックキャッスル、シゲルピンクダイヤと並び、現時点の本命候補として名前を挙げておく。

【ライタープロフィール】
八木 遊
野球兼競馬ライター。スポーツデータ会社やテレビ局の校閲職などを経てフリーに。2021年から、恥を覚悟でTwitter(@Yuuu_Yagi11)にて全重賞の予想、買い目、年間収支を掲載中。


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