【シンザン記念】ククナ信頼も紐荒れに期待 過去の傾向から見えた穴馬の激走パターンとは?
京都大学競馬研究会
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シンザン記念は前走マイル組が優勢
1月10日(日)に中京競馬場で行われるシンザン記念(GⅢ・芝1600m)。アルテミスS2着のククナ、新馬戦で完勝した良血馬レゾンドゥスリール、同舞台のこうやまき賞を快勝したダディーズビビッドなど、好メンバーが揃った。
新型コロナウイルスの影響で緊急事態宣言が発出され、より一層ステイホームを徹底しなければならない情勢だが、このような状況下でも競馬が開催されることに感謝し、流行が収まることを願いつつ家で競馬を楽しむこととしたい。
今年は京都競馬場が改修工事中のため、中京競馬場で行われる。左回りで直線に坂があるという真逆なコース形態であるため、過去のデータが使いにくい部分もあるが、出走してくるメンバーの質という点では大きく変化ないと考えられる。そのため、主に臨戦過程について着目しながら見ていきたい。
過去10年のシンザン記念で3着内に入った馬の前走成績に着目したところ、30頭のうち23頭が芝1600mを使っていたという特徴が見られた。しかし、その内訳は実に様々で、新馬未勝利勝ち直後の馬から、GⅠに挑戦した馬、特別戦を勝ってきた馬など多種多様だった。レースの格を問わず、マイルに照準を合わせてきた馬を狙うのが良いだろう。
意外と紐荒れ傾向
次に過去10年のシンザン記念において、6番人気以下で馬券に絡んだ馬の前走成績について調べてみた。
6番人気以下から12頭も馬券に絡んでおり、穴馬が絡まなかったのは2014年のみ。これは出走馬のレベルの見極めが難しく、人気の盲点になっている馬が生じているからだろう。
その中で狙えそうな特徴を見ていくと、大きく2つに分けられる。1つ目は前走で人気に応えて好走していたにもかかわらず、シンザン記念で人気を落としている馬。2011年のレッドデイヴィスは500万下特別で2番人気1位入線(10着降着)、マルセリーナは新馬戦で1番人気1着、2018年ツヅミモンは新馬戦で1番人気1着などが挙げられる。人気に応えて結果を出したのに低評価な馬には要注意だ。
2つ目は前走で大穴をあけた馬が再び激走するパターン。2017年のキョウヘイは前走で12番人気2着、2019年のマイネルフラップは前走で11番人気1着だった。この時期は一気に成長する馬も多いことに加え、混戦であることも多く、馬場条件などが嵌れば着順が入れ替わることもある。前走の激走をフロック視しすぎるのは危険だ。
偉大な名牝に続けるか?
以上から、マイルを使ってきた馬を中心に狙いつつ、力はあるのに低評価となっている穴馬にも注意して予想を組み立てていきたい。
◎ククナ
前走のアルテミスSが強い内容。勝ち馬のソダシは好位追走からスムーズに抜け出したのに対し、この馬は直線で前が壁になり外に進路を切り替えるロスがあった。ソダシはその後阪神JFを制して2歳女王になっており、ククナの能力の高さも疑いない。
前走で左回りのマイルを経験しており、普通に走ればここでも上位争いできるとみて素直に本命に推す。昨年の年度代表馬アーモンドアイはここをステップに大きく飛躍していった。その歴史的名牝にどこまで近づけるか、まだ比べる段階ではないものの、期待したいところだ。
○ダディーズビビッド
前走のこうやまき賞は常に外を回しながらも後続を完封しており、まさに完勝と言っていい内容。デビュー以来崩れたのは不良馬場だったサウジアラビアRCだけであり、それ以外は連対を外していない安定感がある。今回と同舞台の前走で完勝しているのも大きなアドバンテージであり、馬場が極端に悪化しなければここでも上位争いだ。
▲レゾンドゥスリール
新馬戦を快勝したばかりの1勝馬だが、素質の高さはこのメンバーの中でも随一だ。その新馬戦ではスローの上がり勝負ではあったものの、楽な手応えで上がり33.4を使って勝利しており、ここを勝ち切っても不思議ではない。
ただ、まだ少頭数でスローの上がり勝負を制しただけなので、道中でごちゃついたりタフな流れになったりしたときは未知数だ。人気にもなりそうで、軸として買うには不安が残るため3番手評価にとどめる。
△セラフィナイト
未勝利戦では中団待機から間を割って突き抜けて完勝。レースの上がりが11.7-11.3の流れを最後は流して刻んでおり、まだまだ余裕があった。初戦の7着はこちらも不良馬場が影響したとみて度外視すると、まだまだ底を見せていない。人気も手頃なら狙い目だ。
☆マリアエレーナ
人気がなさそうなところからはこの馬を挙げる。前走の未勝利戦は展開に恵まれたとはいえ大外からただ1頭違う脚を使い、一気に突き抜けての快勝。1番人気に応えての快勝であり、穴馬のパターンにも合致する。
また、中京マイルは2戦して1勝2着1回と、コース相性抜群なのも魅力的。血統的にも、母がアネモネSの勝ち馬テンダリーヴォイスであり、その兄弟にワグネリアンがいるなど早い段階から活躍できそう。馬体重がかなり軽いので馬体増(最低でも維持)で出てくることができれば、一発があってもいいとみて穴馬として期待する。
消バスラットレオン
前走の走りから現状では2000mよりもマイルのほうが向いているのは確かだが、どのレースも決め手に欠ける印象。直線の長いコースでの勝負となると、最後に伸び負けて3、4着になる可能性が高い。今回は馬連で勝負しようと考えており、人気のわりに2着以内に残る可能性は薄いとみて消しとする。
買い目は馬連◎-○▲△☆の4点と、人気がなさそうな☆マリアエレーナからのワイドを押さえておきたい。(文:川崎)
▽シンザン記念予想印▽
◎ククナ
○ダディーズビビッド
▲レゾンドゥスリール
△セラフィナイト
☆マリアエレーナ
ライタープロフィール
京都大学競馬研究会
今年で25周年を迎える、京都大学の競馬サークル。馬主や競馬評論家など多くの競馬関係者を輩出した実績を持つ。また書籍やGⅠ予想ブログ等も執筆。回収率100%超えを目指す本格派が揃う。
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