「ルメール騎手が総合力でもトップ」「松山騎手は1番人気の勝率首位」 2020年リーディング上位騎手分析

三木俊幸

2020年騎手リーディングトップ5ⒸSPAIA

ⒸSPAIA

ルメール騎手は3項目で1位

2021年の開催初日となった1月5日には武豊騎手と松山騎手がともに3勝ずつ、松山騎手は中山金杯で早速重賞を勝利するなど、好スタートを切っている。

今年の騎手リーディングはどのような顔ぶれとなるのか楽しみでもあるが、今回は2020年のJRA騎手リーディングトップ5だったルメール騎手、川田騎手、福永騎手、松山騎手、武豊騎手が「勝利数」「総賞金」「GⅠ勝利数」「特別レース勝利数」「騎乗回数」「1番人気時の勝率」という6つの項目でどのような成績を残していたのか、レーダーチャートで分析してみた。

※1番人気時の勝率は100回以上騎乗した騎手が対象

各項目の1位だった騎手には5ポイント、2位には4ポイント、3位には3ポイント、4位には2ポイント、5位には1ポイントを振り分けてトータルポイントを計算してみた。なお、6位以下だった項目については0ポイントとなっている。

最も総合力が高かったのは、合計23ポイントを獲得したルメール騎手。勝利数、総賞金、GⅠ勝利数の3項目で1位だった。トップだった項目はどれも2位以下を引き離す圧倒的な成績を残しており、文句の付けようがない。

21ポイントで2位となったのは、松山騎手。リーディング上位騎手の中で唯一、6項目全てでポイントを獲得しており、騎乗回数と1番人気時の勝率の2項目が1位だった。1番人気の馬に騎乗した回数はルメール騎手が395回だったのに対し、松山騎手は109回と少なかったが、勝率43.1%だけでなく、連対率61.5%、複勝率75.2%もトップ。しっかりと期待に応える騎乗ができていたと言える。

109回のうち、上半期は36回しか1番人気馬に騎乗することがなかったが、下半期には73回にまで増加。勝率は前半に比べてやや下がったものの、先日の1月5日は中山競馬場で7鞍騎乗して1番人気が3回あった。2021年はより多くの人気馬に騎乗することになりそうだ。

川田騎手は特別レースの勝利数トップ

3位は18ポイントの川田騎手。特別レースの勝利数は、ルメール騎手の61勝を上回る63勝でトップ、勝利数と総賞金、1番人気時の勝率は2位とトータルでは安定していた。その一方で騎乗数594回は、リーディングトップ10まで広げても最も少ない回数だった。それだけに1番人気時の勝率1位を獲得して欲しかった。

15ポイントで4位だった福永騎手は1位だった項目こそなかったが、特別レースの勝利数40勝は3位の松山、武豊騎手と2勝差。総賞金も最後の最後で川田騎手に交わされて3位に終わったものの、11月末の時点では2位だったことからも、一歩違っていればと思わせる内容だった。

そして5位は武豊騎手。上位4騎手に比べると差をつけられ、わずか6ポイントに終わったが、51歳という年齢を考えれば4項目でトップ5に入っていることが凄い。1番人気時の勝率が31.8%とやや低かった印象はあるが、年明け初日の1月5日は1番人気に5回騎乗して3勝、2着1回という成績を残していることからも、まだまだ若手にとっての壁として立ちはだかるに違いない。

2020年騎手分析



ライタープロフィール
三木俊幸
編集者として競馬に携わった後、フリーランスとなる。現在は競馬ライターとしてだけでなく、カメラマンとしてJRAや地方競馬など国内外の競馬場で取材活動を行っている。

《関連記事》
トップはキタサンブラックの18億7684万円 アーモンドアイは何位?競走馬JRA獲得賞金ランキング
上手な付き合い方のコツは?ルメール騎手の「買える、買えない条件」
全部買うだけで黒字 複回収率200%の条件も 2021年は穴ジョッキー森裕太朗に注目

おすすめ記事