【フェアリーS】ハイブリッド式消去法で登録18頭が3頭に 穴馬タイニーロマンスに期待

八木遊

ェアリーSの過去10年『前走がOP以上』かつ『前走で人気より上の着順』だった馬 インフォグラフィックⒸSPAIA

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5つのデータから絞れた馬は?

2021年最初の『中山金杯』は、本命シークレットランが後方からの競馬を強いられ7着に敗れた。優勝したヒシイグアスと3着ウインイクシードを消去しており、馬券は完敗。6頭が消去を免れていたが、その中で唯一ココロノトウダイが馬券圏内(2着)に好走した。

今週は2つの重賞が開催されるが、『フェアリーS』の方を取り上げる。過去10年のデータから複勝率10%未満の「凡走データ」を5つピックアップし、“消去”できそうな馬を1頭でも多く見つけて週末の予想に臨みたい。

『前走1勝クラス』×『前走から中2週以下』★0.0%★

例年通り、登録馬のほとんどが1勝馬という重賞らしからぬメンバー構成となった。過去10年の前走クラスを見ても、1勝クラスから参戦する馬が半数近く(160頭中72頭)に上る。その成績は【3-7-3-59】(複勝率18.1%)なので、数字自体は悪くない。ただし、前走から中2週以下というやや詰まったローテーションだと、【0-0-0-18】と好走歴はなかった。

今年の登録18頭の中で、前走1勝クラスを走った馬は5頭いる。そのうち、前走から中2週以下での参戦はグロリユーノワールとビップエレナ。まずはこの2頭を消去する。

【今年の該当馬】
・グロリユーノワール
・ビップエレナ

『前走OP級以上』×『前走人気>前走着順』★0.0%★

2つ目も前走クラス別からオープン級以上(重賞、リステッド、オープン)を走っていた馬に注目した。前走このクラスを走っていた馬は、フェアリーSでは【3-0-1-28】(複勝率12.5%)とかんばしくない。さらに、その前走で「人気より上の着順」だった場合は【0-0-0-13】。過去10年では1頭も馬券に絡めていない。OP級以上を走っていた馬は、人気ほど走らなかった馬の方が巻き返す可能性は高い。

今年この条件に当てはまるのはクールキャット、シャドウフォックスなど4頭。上位人気が見込まれるクールキャットは前走のアルテミスSで6番人気5着だったが、6着馬とはハナ差。わずかの差で消去対象となってしまった。

【今年の該当馬】
・オプティミスモ
・クールキャット
・シャドウファックス
・ラストリージョ

『前走から距離延長』×『前走4角5番手以下』★2.9%★

3つ目の条件は、前走からの距離変動と4角位置に注目した。マイル未満からの参戦は過去10年で47頭いて、【0-2-3-42】(複勝率10.6%)と成績はいまいち。この47頭を前走4角4番手以内と5番手以下で分けると、前者が【0-2-2-9】(複勝率30.8%)。後者は【0-0-1-33】(複勝率2.9%)と大きな差があった。距離延長組は、ある程度の先行力がないと苦戦必至とみる。

今年このデータに当てはまったのは6頭。消去済みの2頭に加え、新たに4頭が消去対象となった。ファインルージュは鞍上(C.ルメール騎手)込みで上位人気が見込まれるが、あえて逆らってみたい。

【今年の該当馬】
・(オプティミスモ)
・(ビップエレナ)
・ファインルージュ
・ベッラノーヴァ
・ルース
・ルチェカリーナ

『非社台系生産』×『4月以降生まれ』★4.9%★

フェアリーSは非社台系生産馬の活躍が目立つ。過去10年の成績は【6-7-1-83】(複勝率14.4%)で、連対数は社台系を上回る。ただし、好走条件は3月までに生まれていること。誕生月が4月以降だと、【0-2-0-39】(複勝率4.9%)で、3月までに生まれていた馬の【6-5-1-44】とは大きな差があった。

今年この条件に当てはまったのは8頭。アトミックフレアなど新たに4頭が消去対象となった。

【今年の該当馬】
・アトミックフレア
・(グロリユーノワール)
・ネクストストーリー
・(ビップエレナ)
・プリティインピンク
・ホウオウイクセル
・(ルース)
・(ルチェカリーナ)

『今回7番人気以下』×『今回馬体重450kg未満』★2.4%★

4つのデータを経て、残ったのはわずか4頭(カラパタール、タイニーロマンス、テンハッピーローズ、ニシノエルサ)。最後は「人気」と「馬体重」を組み合わせて、さらに絞ってみたい。荒れる重賞と言われるこのレース。過去10年で7番人気以下は【3-6-3-88】(複勝率12.0%)と健闘している。ただし、馬券に絡むにはある程度の馬格が必須。当日の馬体重450kg以上の【3-5-3-48】(複勝率18.6%)に対し、450kg未満は【0-1-0-40】(複勝率2.4%)と大きな差が見られた。

最後の条件は、当日の人気と馬体重次第なので、最終判断は当日に持ち越したい。ただし、残った4頭の中で両方の条件を満たしそうなのはニシノエルサだけだろう。

15/17の抽選を突破するという条件付きだが、本命はカラパタール、タイニーロマンス、テンハッピーローズの3頭から選ぶつもりだ。実績ではテンハッピーローズが抜けているが、狙い目は1戦1勝のタイニーロマンス。2週前追い切りでは美浦坂路で秀逸な時計を出している。デビュー戦(東京芝1600m)も大外18番枠から先行して長くいい脚を使っていた。兄(ダイワキャグニー)は府中専門だが、妹は中山でも走ってくれるだろうか。

※登録18頭のうち、ラストリージョを除く17頭が15の枠を巡り抽選対象

【ライタープロフィール】
八木 遊
野球兼競馬ライター。スポーツデータ会社やテレビ局の校閲職などを経てフリーに。2021年から、恥を覚悟でTwitter(@Yuuu_Yagi11)にて全重賞の予想、買い目、年間収支を掲載予定。

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