【京都金杯】前走GⅠで着差がついた馬は軽視 マイル戦で全て馬券圏内、勢いのある本命馬とは?

京都大学競馬研究会

2021年京都金杯前走クラス別成績 インフォグラフィック

ⒸSPAIA

前走GⅠ組の複勝率は高い

2020年の中央競馬は、無観客競馬という前代未聞の事態に見舞われたもの、アーモンドアイがGⅠ9勝という偉業を達成、さらに無敗の3冠馬が2頭も誕生するなど、多くの感動をもたらしてくれた。2021年は、どのようなドラマを見せてくれるのか非常に楽しみである。

さて、1月5日に中京競馬場では京都金杯(GⅢ・芝1600m)が行われる。一年の計は金杯にありとも言われているので、このレースを的中させて2021年のスタートダッシュを決めたい。では、早速予想に入っていこう。

京都金杯前走クラス別成績


今回は、2011年〜2020年の京都金杯に出走した馬の前走クラス別成績に着目。前走GⅠ組の複勝率が23.1%と高いが、このデータをもう少し深く見てみると面白い傾向がみられた。

前走GⅠから京都金杯で馬券に絡んだ2018年の2着馬クルーガーは、前走のマイルCSで勝ち馬と0.3秒差、2017年の3着馬エアスピネルは、前走の菊花賞で勝ち馬と0.4秒差、2015年の2着馬エキストラエンドは、前走のマイルCSで勝ち馬と0.4秒差、2013年の1着馬ダノンシャークは、前走のマイルCSで勝ち馬と0.4秒差、2011年の3着馬ライブコンサートは、前走のマイルCSで勝ち馬と0.2秒差で全て0.5秒差に収まっている。

2020年2着だったダイアトニックこそ勝ち馬と0.8秒差だったが、基本的にはGⅠで爪痕を残せていない馬は、京都金杯では馬券に絡むのが難しい傾向にあると言える。今年の出走馬で前走GⅠ組は、タイセイビジョンとケイアイノーテックだが、どちらも勝ち馬と1秒以上の差を付けられているので、軽視すべきだろう。

一方で、前走GⅢ組の複勝率が15.8%、前走OP特別の勝率が10.2%と高いというデータも見られるので、勢いも大切にしたいところだ。

マイル戦ではすべて馬券圏内のピースワンパラディ

◎ピースワンパラディ
3歳時から能力が高かった馬で、毎回すばらしい上がり3Fタイムを記録する。しかし、恵まれない競馬を強いられることが多く出世が遅れた。例えば、2019年精進湖特別(3着) 前後半ラップ39.5-33.2 、2019年魚沼特別(2着) 前後半ラップ38.6-33.1という超スローペースで、後方待機では物理的に差せない展開だった。

重賞には2回挑戦して結果を残せていないが、エプソムC(7着)は出遅れ、新潟記念(7着)は2000mと距離が長かったのが敗因。

前走のキャピタルS(1着)では、元々差し脚質だった馬が、5番手追走の競馬ができたことが大きい。マイル戦では6戦して馬券を外したことがなく、中京1600mでの好走もあるので、好位でうまく立ち回れれば。

○ケイデンスコール
ここ3走は不本意な競馬が続いている。3走前のポートアイランドS(8着)は、直線でうまくさばけず、2走前の信越S(5着)は、脚を余す形。前走のオーロC(6着)は、外差し馬場で直線内に進路をとったトラックバイアス的な不利があった。

それでも着差はそれほど離されておらず、地力の高さを見せている。もともとNHKマイルCの2着など実績のある馬。前走クラスのデータのところで、勢い重視という話に一見反するように見えるが、ここ3戦不利があったという点、レースを重ねるごとに着差が小さくなっている点から復調しているとみて、復活を期待したい。

▲シュリ
先行力があり器用さがある馬。馬券外になったのが、重馬場の佐渡S(5着)と稍重馬場の2走目(5着)のみで、良馬場であればまだ底を見せていない。また、じっくりと使ってきており、5歳馬ながら重賞は初挑戦。ハーツクライ産駒は、大事に使うと古馬で活躍する晩成血統の傾向があり期待したい。

△ボンセルヴィーソ
先行力が武器で、2020年京都金杯3着、ダービー卿CT2着、京成杯AH3着など、自分の競馬に持ち込んだ時には重賞でも好走歴のある馬。前走のオーロC(4着)は外が伸びやすい馬場を先行し、直線内目で競馬した割に勝ち馬と0.2秒差と健闘しており、状態面は問題ないと見る。内先行有利傾向の中京の馬場であれば、馬券内に残る可能性は十分にある。

×ロードマイウェイ
2019年チャレンジCを勝利している実績馬。その後は調子が上がらなかったが、前走2着で復調気配。時計が速い馬場は得意なので押さえる。

以下、前走から間隔が詰まっていることが不安材料であるが、GⅢでは実績十分の△アンドラステ、前走のリゲルS(3着)で、直線やや追いだしが遅れていた☆レッドガランまで押さえる。

買い目は、買目馬連◎−○▲、○▲(タテ目も考慮)、ワイド◎−○、3連複◎−○▲△△☆で勝負したい。

▽京都金杯予想▽
◎ピースワンパラディ
○ケイデンスコール
▲シュリ
△ボンセルヴィーソ
×ロードマイウェイ
☆レッドガラン
(文:ケータロー)

ライタープロフィール
京都大学競馬研究会
今年で25周年を迎える、京都大学の競馬サークル。馬主や競馬評論家など多くの競馬関係者を輩出した実績を持つ。また書籍やGⅠ予想ブログ等も執筆。回収率100%超えを目指す本格派が揃う。


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