【有馬記念】フィエールマン、クロノジェネシスは危険 当日まで覚えておきたいデータとは

勝木淳

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上位人気堅実も取捨が難しい3歳馬

有馬記念が2016年以来久しぶりに中央競馬の掉尾を飾る。だが、かつて中央競馬最後の大一番は中山大障害だった。

有馬記念はその一週間前に行われていたが、1980年に最終開催日に移され、中山大障害は前日の土曜日に固定された。その年、有馬記念を勝ったのはホウヨウボーイだった。

サトノダイヤモンドが勝利した2016年以来のグランドフィナーレ有馬記念。2020年最大かつ最後のなぞ解きに挑む。そのヒントとして、過去10年の傾向を分析してみよう。

年齢別成績(過去10年)ⒸSPAIA


まずは年齢別成績。この10年で3歳の勝ち馬は5頭、【5-2-3-16】とまさにトレンド。有馬記念は手はじめに、3歳馬を検討すべきである。

なお、前走菊花賞組が【4-1-2-3】。3歳の大半は菊花賞経由。バビットや除外対象のディープボンド、ブラックホールが該当。

それ以外の好走馬の前走はジャパンC1勝(10年ヴィクトワールピサ)、天皇賞(秋)2着1回(19年サートゥルナーリア)、中日新聞杯3着1回(10年トゥザグローリー)。

人気を集めそうなオーソリティは、アルゼンチン共和国杯経由。3歳でこのローテは17年スワーヴリチャード4着のみ。さあどうなるか。

枠番別成績(過去10年)ⒸSPAIA
枠番別成績(過去20年)ⒸSPAIA


3角からスタートする中山2500mの傾向通り、有馬記念も外枠不利。8枠は【0-0-1-19】と、10年で3着1頭のみ(18年シュヴァルグラン)。

過去20年まで範囲を広げても、【2-1-1-36】と好走確率は低い(08年1着ダイワスカーレット、2着アドマイヤモナーク、03年1着シンボリクリスエス)。8枠以外は大きな差はないので、大外枠は慎重に評価すると覚えておこう。

人気別成績(過去10年)ⒸSPAIA


有馬記念というと宝くじではないが、大きな馬券をつい期待してしまう。過去には91年ダイユウサク、92年メジロパーマー、01年マンハッタンカフェとアメリカンボスなど、的中すればしばらく自慢できそうな大きな馬券が出ている。

だがこの10年でみると、1人気【5-2-1-2】勝率50%、複勝率80%と極めて堅実。19年アーモンドアイ、15年ゴールドシップ(引退レース)を除くとすべて馬券圏内。上位人気堅実で、10人気以下は【0-1-1-64】でかつてほど狂わない。

カギを握る前半900mタイム

ここからは具体的に出走馬の戦歴などを分析していきたい。

前走レース別成績(過去10年)ⒸSPAIA
前走レース別成績(過去20年)ⒸSPAIA


年齢別で触れたが、トップの菊花賞【4-1-2-3】に該当するのはバビットと除外対象のディープボンド、ブラックホール。着順別でみると菊花賞好走組以外は厳しく、今年はややトーンダウン。

となると、ジャパンC【3-4-6-47】に注目。過去20年では【9-7-10-99】とかつての主要ローテだった。この10年では菊花賞に押され気味だが、今年のメンバーであれば注目に値する。

前走ジャパンC組の前走着順別成績(過去10年)ⒸSPAIA


ジャパンC1着【0-1-1-3】、2着【0-1-0-5】より3着【2-0-1-4】、4着【1-0-2-2】など、負けた組の巻き返しが多い。4着カレンブーケドールや6着ワールドプレミア以下まで軽視できない。

一方、フィエールマンやクロノジェネシスが該当する天皇賞(秋)は【0-2-0-12】と、この10年ではいまいち。過去20年では【3-2-2-16】。かつてはジャパンCをスキップするローテが好相性だっただけに、注意したい。

前走脚質別成績(過去10年)ⒸSPAIA
前走脚質別成績(過去20年)ⒸSPAIA


さらに全体の脚質別成績をみると、前走後方だった馬は【0-0-2-20】と苦戦。フィエールマンは前走12頭立て4角10番手、クロノジェネシスは同9番手でここに該当してしまう。中山芝2500mの有馬記念は先行馬有利、差し馬ならば4角からスパートできる器用さが求められ、前走後方で競馬した馬に厳しい。

もっとも、クロノジェネシスは発馬後に接触する不利があった。宝塚記念のような先行策が本来の形なので、データを覆す余地はある。だが、前走後方だったのは事実。また、前走まくりは【1-0-0-0】。12年菊花賞をまくって勝ったゴールドシップが1着。

似たようなレースを、同じステイゴールド一族ラッキーライラックがエリザベス女王杯で決めている。父は有馬記念2勝、ステイゴールド一族といえば、ご存じ「グランプリ血統」。ここが引退レース。ドラマチック有馬となるか。

最後に有馬記念のレースラップ傾向をみてみよう。有馬記念のラップ傾向というと、前半900mタイムが指標に使える。過去10年で前半900mが55秒以上だった場合は、後半の600mタイムが早く中距離型が台頭する。

トゥザグローリーが連続3着だった10、11年は、前半900m55秒3、56秒4。トゥザワールドが2着だった14年が56秒2、ついでに2頭の母トゥザビクトリーが3着だった01年も55秒8だった。

しかしここ4年は、すべて55秒以下で上がり600mが35秒以上かかった。19年は前半900m52秒3の超ハイペース。こういった流れになると、ステイヤー型が好走する。12、13年は54秒1、54秒3で勝ち馬はゴールドシップとオルフェーヴル。ステイゴールド系は厳しいレースに強い。

また前半が早くなりスタミナが問われる流れになると、斤量面で有利な3歳馬が活躍する。16年サトノダイヤモンド、18年ブラストワンピースが勝ち、19年はワールドプレミアが3着に突っ込んできた。

今年もペースを緩めないキセキが出走。さあどういった流れになるだろう。前半900m55秒というライン、今年はそれより速くなるのか、遅くなるのか。その判断が予想の正否において大切になる。

ライタープロフィール
勝木 淳
競馬ライター。競馬系出版社勤務を経てフリーに。優駿エッセイ賞2016にて『築地と競馬と』でグランプリ受賞。主に競馬のWEBフリーペーパー&ブログ『ウマフリ』や競馬雑誌『優駿』(中央競馬ピーアール・センター)にて記事を執筆。YouTubeチャンネル『ザ・グレート・カツキの競馬大好きチャンネル』にその化身が出演している。

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過去10年有馬記念データインフォグラフィックⒸSPAIA


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