【ターコイズS】先行有利の馬場状態もHペース必至?条件ピッタリの穴馬インターミッション激走期待
2020/12/18 06:00
三木俊幸

ⒸSPAIA
時計・上がりともかかる馬場
トリッキーな中山芝1600mで争われる牝馬限定のハンデ戦、ターコイズS。昨年こそ上位人気3頭での決着に終わったが、2015年は11番人気→16番人気→15番人気の大荒れになるなど、波乱になる年はとんでもない馬が馬券に絡むレースという印象が強い。
果たして今年はどのような決着となるのか。先週の中山芝コースの傾向と出走馬の適性から分析・予想を行っていきたい。
先週末の中山競馬場の芝コースのコンディションは2日間を通じて良馬場。冬場で乾燥しているためか、クッション値は土曜日と日曜日ともに10.6とやや硬め、ゴール前の含水率は9.3%だった。

しかし、レースタイムを見ると全体的に時計がかかっており、ターコイズSと同じ芝1600m戦では3歳以上1勝クラスが前後半4Fのラップ47.3-47.4(−0.1)で1:34.7という決着に。芝1800mで争われた3勝クラスの常総Sも49.5-47.8(+1.7)のスローペースだったとはいえ、1:49.3と遅いタイムでの決着だった。
上がりタイムも概ね35秒台となっており、先述の3歳以上1勝クラスを逃げ切ったリーガルバトルが使った上がりは35.4、常総Sを勝ったロザムールの上がりも35.7という数字だった。両レースで上がり最速をマークした馬の上がりは前者が35.1(6着馬、4角14番手)、後者は35.0(7、8着馬、4角8番手)。この数字を見ても、上がりのかかる馬場状態だと見てとれる。
3着内馬の70%が4角4番手以内

通過順位を見ても4角先頭だった馬が4勝、2着1回、3着1回と多く馬券に絡んでおり、3着内に入った馬の70.0%にあたる21頭が4角4番手以内だった。全く後方からの差しが決まらないわけではないものの、4角では前を射程圏に入れられるポジションに位置する必要があり、全体的には先行有利と言っていい。

先行有利ということは、内ラチ沿いを通った馬が有利なのかということについても調べてみた結果、最内を伸びてきていたのは4角先頭だった6頭。内から2〜4頭目が13頭、内から5〜7頭目が7頭、内から8頭目より外が4頭という内訳となっていた。
やはり多少は内の馬場がいいと言えるが、4角の通過順位のわりに外目も伸びているので、差はあまりないと見て大丈夫だろう。
アンドラステの前走は度外視
今年のターコイズSの出走メンバーを見渡すと、先行したい馬が揃っておりスローペースになることはなさそう。そうした点も踏まえた上での評価とした。

【スマイルカナ】
中山芝1600mは3戦2勝、2着1回と得意な舞台。3戦とも逃げているが、前走のように2番手に控えてもレースはできるタイプだ。時計、上がりともかかる馬場を得意としているので、ハンデは1kg増の54kgでも格好はつけてくれるはずだ。
【トロワゼトワル】
どちらかといえば時計の速い馬場を得意としているタイプだが、秋の中山開幕週ながら時計のかかる馬場だった2走前の京成杯AHでは、スマイルカナを行かせて好位からレースを進め、ゴール前の接戦を制した。このレースぶりは評価できるが、今回はハンデ57kgという点から評価を下げたい。
【フェアリーポルカ】
春は中山牝馬S、福島牝馬Sを連勝しているように、小回りコースが合うタイプ。ペースが流れそうな点は歓迎だが、初の1600mに対応できるかは不安材料だ。加えて、大幅馬体増だったとはいえ、今回と同じ56kgを背負ったクイーンSでは6着に敗れている点も気がかり。
【アンドラステ】
エプソムC4着、関屋記念3着、そして前走の京成杯AHでは10着という結果だけを見ると、広いコース向きという印象を受けるが、前走は直線で何度も前が壁になって全く追えなかったものなので度外視していい。それでいて0.6秒差、まともなら突き抜けていた可能性もあったので、スムーズなら巻き返しがあっても不思議ではない。
【ランブリングアレー】
京都外回りで勝利した4走前の糺の森特別で使った上がりは34.3、前走のカシオペアSは34.5と、上がりが少しかかる舞台で結果を残している。今回が初のマイル戦になるが、上がりのかかる中山コースに替わる点、キャリア5勝中3勝がミドルペース以上である点、ある程度前でレースを進められるという3点から好走に期待したい。
【インターミッション】
中山芝1600mは3勝、2着1回と大得意。4走前のアネモネSは46.5-49.0(−2.5)のハイペースを5番手追走、36.3という上がりでゴール前差し切り。前走の秋風Sは46.6-46.7(−0.1)のミドルペースの中、中団を追走して上がり34.5で勝利。この2戦は高く評価できる。4角では前を射程圏に入れられるポジションまで押し上げるレースができるので、ペースと馬場に最もマッチすると考える。
【クリスティ】
春はフラワーC、スイートピーSとあと一歩の競馬が続いたが、関東オークスを挟んでの近2走は連勝。逃げて良し、控えて良しと自在性もある。速い持ち時計がなく、4勝全てが上がり34.3以上かかっているということからも、今の中山に合いそうだ。
▽ターコイズS予想▽
◎インターミッション
○アンドラステ
▲スマイルカナ
△ランブリングアレー
×クリスティ
ライタープロフィール
三木俊幸
編集者として競馬に携わった後、フリーランスとなる。現在は競馬ライターとしてだけでなく、カメラマンとしてJRAや地方競馬など国内外の競馬場で取材活動を行っている。
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