【阪神JF】天才少女決定戦  ソダシ、メイケイエールもいいが、それより狙ってみたい馬とは?

勝木淳

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キャリア3戦の壁

19年レシステンシアがレースレコードの1分32秒7を記録。デアリングタクトの出現で忘れられそうだが、当時は桜の女王はこの馬で決まりだと騒がれたものだ。桜花賞と同舞台で行われるため直結するイメージが強いものの、過去10年阪神ジュベナイルフィリーズと桜花賞を連勝した馬はゼロ、09年アパパネ以来出ていない。

その半面レシステンシアの桜花賞2着など勝ち馬は桜花賞好走率が高く、反対に阪神JF惜敗組から15年レッツゴードンキ、17年レーヌミノルと桜花賞馬を輩出、やはり翌年の桜戦線を展望する上での起点となる。阪神JFの予想は将来、活躍しそうな天才少女を発掘する作業である。ここでは過去10年の傾向から発掘作業のヒントを見つける。

人気別成績(過去10年)ⒸSPAIA

おむすび型のトリッキーなコースからコーナー2回のシンプルな現コースに変更されて以来、まぎれが減り、極端な波乱は明らかに減った。過去10年で1人気は【4-1-1-4】勝率40%、複勝率60%の好成績。

多くの人が天才少女だと評価した馬が正解である確率は高い。勝ち馬はすべて5人気以内で複勝圏内も大半が8人気まで。10人気以下は【0-2-1-85】、大波乱はあまり期待できない。

キャリア順別成績(過去10年)ⒸSPAIA

まだまだ成長途上の2歳牝馬だけに天才少女はそれ相応の英才教育を受けている。それは厩舎サイドの戦略、つまりローテーションにあらわれる。

キャリア2戦が【6-3-5-32】勝率13%、複勝率30.4%でトップ。新馬から1勝クラスまたはオープンないし重賞を使ってGⅠへと効率的に駒を進める、これが理想。寄り道はせいぜいプラス1戦までで勝ち馬は3戦【3-3-3-52】以内。複勝圏でみると、4戦【0-4-1-27】まで。5戦以上は好走馬ゼロだ。

キャリア4戦のヨカヨカ、ルクシオンはこのデータをクリアできるだろうか。登録馬ではインフィナイト、オパールムーン、サトノレイナス、ナムラメーテル、ポールネイロンが理想形で重賞勝ちがあるソダシやメイケイエール、リンゴアメは許容範囲ギリギリといったところか。

ファンタジーS組で買える馬とは

ここからはもう少し具体的に戦歴にまつわるデータを紹介する。まずは前走クラス別成績から。

前走クラス別成績(過去10年)ⒸSPAIA

前走GⅡ組が【1-0-2-6】勝率11.1%、複勝率33.3%でトップ。京王杯2歳S12着のリンゴアメが該当するも、同レース経由は3着2頭が最高。加えてこの2頭は京王杯2歳S2、4着馬で12着リンゴアメは強調できない。

次位は前走GⅢ組で【6-6-4-56】。サウジアラビアRC2着インフィナイト、アルテミスS1着ソダシ、同6着ウインアグライア、同9着ユーバーレーベン、ファンタジーS1着メイケイエール、同2着オパールムーン、同5着ヨカヨカ、同10着サルビアと主役クラスを含め多士済々だ。

前走GⅢ組の前走レース別成績(過去10年)ⒸSPAIA

主要ステップレースのアルテミスSは【2-3-2-14】勝率9.5%、複勝率33.3%、ファンタジーSが【3-2-1-34】勝率7.5%、複勝率15%。今年で9回目と歴史が浅いアルテミスSが確率で上位だ。そうは言いつつ昨年のレシステンシアはファンタジーS1着。どちらもきっちり分析したい。

前走ファンタジーSの前走着順別成績(過去10年)ⒸSPAIA

ファンタジーSでの着順と本番での成績を調べると、本番勝利の条件はファンタジーS2着以内、複勝圏内は3着以内だ。メイケイエールとオパールムーンの2頭が残る。

前走ファンタジーSの前走脚質別成績(過去10年)ⒸSPAIA

ファンタジーSで先行した馬は【1-0-1-8】、後方だった馬は【0-1-0-5】複勝率ではほぼ互角も勝率を考えればメイケイエールを上位、連下にオパールムーンという順番だろう。

アルテミスS組はソダシだけ

つづけて確率上位のアルテミスS組をみていく。

前走アルテミスSの前走着順別成績(過去8年)ⒸSPAIA

こちらも同じように着順で調べると、本番勝利条件は2着以内、複勝圏内は掲示板までになる。掲示板以下だったウインアグライア、ユーバーレーベンは苦しく、ここからはソダシのみを評価したい。

前走アルテミスSの前走脚質別成績(過去8年)ⒸSPAIA

脚質から探ると、ソダシが該当する先行は【1-0-1-5】勝率14.3%、複勝率28.6%。複勝率では中団【0-3-1-4】の50%には及ばないが、アルテミスSで先行した馬は好走ゾーンに入る。

ふたたび前走GⅢ組の前走レース別成績をみる。主要ステップレース以外からサウジアラビアRC【0-0-1-0】に該当するインフィナイトをピックアップしたい。同馬はキャリア2戦。複数のデータに当てはまる。1着候補はソダシ、メイケイエールだが連下候補にオパールムーン。さらにインフィナイトをあげる。

ライタープロフィール
勝木 淳
競馬ライター。競馬系出版社勤務を経てフリーに。優駿エッセイ賞2016にて『築地と競馬と』でグランプリ受賞。主に競馬のWEBフリーペーパー&ブログ『ウマフリ』や競馬雑誌『優駿』(中央競馬ピーアール・センター)にて記事を執筆。YouTubeチャンネル『ザ・グレート・カツキの競馬大好きチャンネル』にその化身が出演している。



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