【チャンピオンズC】有力馬でも外枠なら危険 「前走4着以下」が巻き返すための条件とは?

佐藤永記

2020年チャンピオンズカップのデータインフォグラフィックⒸSPAIA

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多彩な路線ゆえに

今週のG1チャンピオンズカップは中京開催になってから7年目になる。つまりサンプルは6回しかないのだが、その6回の結果にもしも極端な傾向があるならば見逃せない。そこで基本的なデータを洗ってみたところ、まずは前走成績で大きく傾向が出ている。

前走着順別成績

わかりやすいのは優勝馬6頭の前走が全て5着以上であることだ。チャンピオンズカップに至るまでの路線はダートのため地方も含まれ多彩だ。JBCに武蔵野S、南部杯、みやこS、シリウスSや白山大賞典など数えればキリがないのだが、逆にいえばそれだけ前走パターンがあるのは「有力馬が分散している」とも言える。そこで大敗しているようでは話にならないということだろう。

優勝馬だけでなく馬券に絡んだ馬に範囲を広げても、前走4着以下から来た馬は以下のような顔ぶれ。

前走JBCクラシック4着から2014年、中京初のチャンピオンズカップを勝ったのはホッコータルマエ。前々走は初海外のドバイワールドカップ(16着)で、JBCはそれ以来のレースだった。それ以前にGⅠ5勝とバンバン勝っていたのは競馬ファンならおなじみ。

前走5着から勝ったのは2017年のゴールドドリーム。これもこの年、フェブラリーS1着、ドバイワールドカップ14着、帝王賞7着、南部杯5着という流れだ。ホッコータルマエ同様、ドバイに行くような馬ならチャンピオンズカップでようやく間に合うという考え方でよさそうだ。

前走武蔵野S7着から2018年のチャンピオンズCで2着となったのはウェスタールンド。前々走初オープンのシリウスSで2着。その前は1000万下、1600万下を連勝してオープン馬となったばかりの「上がり馬」だった。

残るのは前走みやこS15着だった昨年のインティ(3着)、前走みやこS14着だった2016年のアスカノロマン(3着)。これで馬券圏内だった馬は終わりだ。インティは7連勝でフェブラリーSを勝ったあと帝王賞7着、そしてみやこS、チャンピオンズCという流れだった。

もともと実力があった馬が年内に復活する流れはホッコータルマエパターンだろう。アスカノロマンも前年末から5戦連続で3着以内ののち、帝王賞、南部杯、みやこSと4着以下からの巻き返し。

チャンピオンズCで「前走大敗した馬に許された馬券圏内になる条件」は、春・夏まで強かった馬が調子を落としていた場合、に限られるということだ。

迷ったら偶数番

馬番偶奇別

また、中京では6度施行のチャンピオンズCだが馬番の偶奇でも差が。2着数は互角だが、1着と3着の数は偶数馬番の方が倍になっている。もちろん施行回数が少ないというのは承知のうえだが、平均人気も若干ながら奇数(平均8.0番人気)の方が高いなかで、偶数(平均8.5番人気)が結果を出していると考えれば、ゲート入が後入れとなることも含めて「迷ったら偶数馬番」というのはありだろう。

そして全馬番の成績を洗い出すと極端な傾向が出た。とにかく内枠有利なのである。優勝馬は9番枠以内。14番枠から外は馬券実績がない。たった6回の中京チャンピオンズCでは先行決着も追い込み決着もあるため展開自体は多彩だが、序盤で位置取りを狙い通りに取りやすい枠であることは多分に影響しているだろう。有力馬が大外になったら消しのチャンス!

  あと、3、6、7番にエアポケットのように結果が出ていない馬番もあるので、もしボートレースを知っている方なら「インとカド(中枠)」に優勝馬が隠れている、とでも憶えておくといいかもしれない。

馬番別

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