【チャンピオンズC】クリソベリルの相手探しの一戦 パサパサのダートでの瞬発力勝負に強い馬は?

三木俊幸

2020年チャンピオンズカップ馬場適性チャートⒸSPAIA

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今年もパサパサのダート

砂の最強王者としてクリソベリルが君臨するダート界。帝王賞やJBCクラシックを見る限り、勝負付けは済んでいるようにも感じるが、今年のチャンピオンズC(GⅠ・ダート1800m)はそこに3歳のカフェファラオをはじめとした未対戦の面々がどこまで食い下がれるかという構図となりそうだ。

そんな一戦を馬場適性の観点から占う上で、中京競馬場で行われるようになった2014年以降のデータを振り返っていこう。

過去6年 チャンピオンズCの結果ⒸSPAIA

過去6年はいずれも良馬場、2014年から2018年までは1:50.1〜1:51.0と時計がかかる傾向にあった。しかし、2019年は1:48.5とこれまでで最も速いタイムでの決着となった。含水率が公表されるようになった2018年が2.7だったのに対し、2019年は3.5と若干水分量が多かったが、パサパサのダートには変わりなく、単純にレースレベルが高かったと考える。

その一方で上がりタイムは、35秒前半がマークされることも珍しくなく、2018年に2着となったウェスタールンドは34.4という上がりを使っている。タイム面では平凡でも、速い上がりが要求されるダートを得意とする馬に適性が高いと言えるだろう。

今週の中京競馬場の天気を見ると、連日晴れ予報となっていることからも、ダートコースの含水率は2018年と同等の2%台後半で2019年よりはやや時計のかかる馬場になると見た。

国内に敵なし

今年のメンバー構成を見渡すと、前走の武蔵野Sでハイラップを刻んだメイショウワザシ、さらにヨシオも連闘で出走してくれば先行したいと考えているはず。ある程度ペースは流れるのではないかと分析する。

馬場適性チャートⒸSPAIA

【クリソベリル】
サウジCでは7着に敗れたが、それ以外は全て勝利している。近2走の帝王賞、JBCクラシックでもオメガパフュームやチュウワウィザードに楽勝しており、不安要素は見当たらず、今のダート界に敵はいない。ペース関係なく、自分の競馬をすればいつも通りの結果はついてくるはずだ。

【カフェファラオ】
2走前のジャパンダートダービーこそ敗れたが、JRAのレースでは無敗。前走のシリウスSでは古馬相手でも結果を残した。持久力勝負に強いタイプなだけに、ペースが流れることと超高速馬場にならないことは味方するが、前走の相手関係と着差を見る限りでは、ダート界トップクラスの馬たちを差し置いてまで評価を上げることはできない。

【チュウワウィザード】
クリソベリルには完敗したが、帝王賞とJBCクラシックはいずれも3着と安定した成績を残している。昨年のチャンピオンズCでも中団からレースを進めて、直線では外に持ち出すまでにやや時間を要しながら4着という結果であれば、対クリソベリルと考えるとJRAの舞台に変わったほうが好都合とも言える。中京コースでは良馬場で2戦していずれも上がり35秒台をマークしていることから、相手候補筆頭として取り上げたい。

【サンライズノヴァ】
今年に入って5戦2勝、3着2回と安定感を増している。左回りで速い上がり決着に強いことからも、ペースが速くなりそうな今回は展開が向きそう。しかし、1800mはやや長いという印象も拭えない。

【ゴールドドリーム】
昨年の2着馬ではあるが、2走前の平安Sでは後にクリソベリルの2着が2回のオメガパフュームに0.5秒差をつけられて敗戦。ゴールドドリームが58kgに対し、オメガパフュームはさらに重い59kgだったことを考えると、昨年以上の成績を望むのは酷かもしれない。だが、昨年より時計がかかりそうな馬場だということ、距離延長で押さえ評価は必要。

【エアスピネル】
初ダートとなった3走前のプロキオンSではサンライズノヴァの2着に好走。35.3という速い上がりにも対応している。前走の武蔵野Sでも3着ということからも、馬券圏内に好走できるだけに力は秘めている。あとは更なる距離延長に対応できるかどうかだ。

▽チャンピオンズC予想▽
◎クリソベリル
○チュウワウィザード
▲サンライズノヴァ
△エアスピネル
×ゴールドドリーム
×カフェファラオ

ライタープロフィール
三木俊幸
編集者として競馬に携わった後、フリーランスとなる。現在は競馬ライターとしてだけでなく、カメラマンとしてJRAや地方競馬など国内外の競馬場で取材活動を行っている。

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