【ジャパンC】コントレイルは状態がカギ 今年の三冠馬2頭は古馬相手に通用するか?

佐藤永記

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2頭の3冠馬はジャパンカップで好走できるか

ジャパンカップはG1・8勝アーモンドアイに今年の牡馬三冠のコントレイル、牝馬三冠のデアリングタクトの3強対決の様相だが、果たしてコントレイル、デアリングタクトは古馬相手に通用するのか?過去のジャパンカップでの3歳馬成績からチェックしてみよう。直近10年(2010~2019)での3歳馬出走全26頭から傾向を探る。

3歳路線を走っていたほうがいい

3歳馬は当然3歳路線が存在するため、古馬と基本的に路線が違ってくる。だが、中には天皇賞(秋)からなど、途中から3歳路線ではないパターンがあった。しかし、外国馬も含めて前走で古馬と対戦した馬の成績は【0-1-1-11】と不振傾向だ。2着だったのは2013年のデニムアンドルビー。この年のジャパンカップは前半1000m通過62.4の超スローペースで1着から13着までが0.6秒差の大接戦という、正直かなり特殊なレースだった。また、3着だったのはヴィクトワールピサで、前走は凱旋門賞7着。皐月賞1着や日本ダービー3着など、国内成績を考えれば例外感はある。

直近10年で3歳馬のジャパンカップ優勝は3回あったが、全て前走3歳路線だった馬だ。その点は今年のコントレイル、デアリングタクトはクリアしている。

乗り替わらず出走は良い

そして乗り替わりも【0-1-1-6】とこちらも不振。面白いことに、これまた2着はデニムアンドルビー、3着はヴィクトワールピサが該当している。ということは、むしろ前走が古馬との対戦だった3歳馬は乗り替わっていた方がいいとすら言えるか。

ジャパンカップ3歳馬前走クラス別成績



ちなみに、ヴィクトワールピサの場合は武豊騎手がローズキングダムを選択して優勝(2着入線したがブエナビスタ降着で繰り上がり)しているため、乗り替わらなかった方の馬が先着していることとなる。

コントレイルの福永祐一騎手、デアリングタクトの松山弘平騎手ともに乗り替わらずジャパンカップに出走予定なのでここもクリアしている。

直近10年でデータがない菊花賞1着馬

コントレイルに不安点を挙げるとすれば、直近10年で菊花賞馬が3歳でジャパンカップに出走した例がないということだ。

過去20年まで遡れば2000年エアシャカールの14着、2003年ザッツザプレンティの2着、2004年デルタブルースの3着、2008年オウケンブルースリの5着の4事例があるが、菊花賞を勝てなかった馬の方に好走歴が多い。

3000mで結果を出した次走に余力があるか。牝馬と違い直前にロングディスタンスを戦ったコントレイルの敵は「状態」かもしれないので調教内容などに注目したい。

牝馬は一昨年、アーモンドアイが結果を出している以上、アーモンドアイ2世ともいえるデアリングタクトを不安視する事前データはアーモンドアイより勝ってきた三冠での時計が遅いことくらいだろうか。とはいえ前走の秋華賞も稍重でその比較は参考にしづらいところがあり、こちらは不安なデータはない。


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