【マイルCS】レシステンシアのスピードとタフさに期待 相手はハイレベルの安田記念組

坂上明大

2020年安田記念トラックバイアス インフォグラフィックⒸSPAIA

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レベルは微妙だが……

先週のエリザベス女王杯に続き、今週のマイルCSも京都から阪神に替わっての一戦。ただ、それ以上に今年はGⅠ馬8頭という豪華メンバーに注目したい。ペースを作れる馬もおり、地力が問われるハイレベルな一戦となりそうだ。

【NHKマイルC】
週中の降雨の影響なく、引き続き東京競馬場らしい高速馬場での開催。ペースは34.1-34.5と同レースとしては平均ペースだったが、高速馬場に加えて、直線向かい風方向の強風が吹き続けていたため時計ほど前半は速くなく、結果、道中で1、2番手を走った2頭のワンツー決着という「前有利」の競馬となった。

1着馬ラウダシオンは2番手の絶好位で運び、ゴール直前で逃げるレシステンシアを交わした。ディープインパクト系×Unbridled's Song系×Storm Cat系らしい高速馬場巧者であり、条件がハマった感は否めない。

2着馬レシステンシアは勝ち馬にアッサリ交わされてしまったが、自身の得意戦法はハイペースでの逃げ。結果的には乗り替わりがアダとなった印象だ。また、前走の桜花賞が重馬場の超ハイペースと消耗度の大きいレースで中間の調整も緩め。当日は過去最低馬体重でもあり、レース後には放牧先で剥離骨折が発覚。さすがに中3週での連戦は酷であったか。

4着馬タイセイビジョンは向正面で折り合いを欠き、3角手前では寄られる不利も。臆病なスペシャルウィークの血を母父に持つため、外枠でスムーズな競馬ができれば上位馬とも逆転可能だ。

ただ、今年のNHKマイルC組はラウダシオンが富士Sで2着と好走した以外、古馬混合のOP級ではいいところがなく、さらには準OPを勝ち上がった馬もいない。個々の成長力を度外視すれば、メンバーレベルはやや低調と評価せざるを得ないか。

超ハイレベルな一戦

2020年安田記念トラックバイアス・インフォグラフィックⒸSPAIA


【安田記念】
レース前夜の50mm弱の降雨により馬場が柔らかくなったことに加え、向正面向かい風、直線追い風ながらも34.2‐34.3 (前傾0.1秒)の引き締まったラップだったことで馬場、展開ともに「後有利」のレースに。内外の馬場差はなく、直線の末脚が問われる一戦となった。

1着馬グランアレグリアは先行勢の後ろにつけて、前半は折り合いに専念。抑え切れない手応えで4角から上がっていき、ラストも2着馬アーモンドアイに差を詰めさせなかった。当時の自身最高馬体重でもあり、5歳時にGⅠを2勝した母同様に本馬も着実に力をつけている。東京マイルのようなタイムトライアルコースもピッタリであった。

3着馬インディチャンプは遅れ気味に中団を追走。この様子を見ると前半3Fは35.5秒程度が限界だが(出そうと思えば出せるが、脚が溜まらない可能性大)、だからといって中団に控えると一瞬の切れ味が持ち味の馬だけに脚の使いどころが難しくなる。地力は疑いようがないだけに、今回も位置取りがポイントとなりそうだ。

6着馬アドマイヤマーズは先行勢では最先着。長期休養明けのハンデを背負いながらも、父ダイワメジャー譲りの粘り強さはすばらしい。

上位馬はもちろんのこと、下位馬もその後にGⅠや重賞で勝ち負けを演じており、今年の安田記念は非常にレベルの高い一戦であった。

サリオスの横綱相撲

【毎日王冠】
東京の秋開催開幕週でAコース初週。夏期休場中に芝張替作業を行い、絶好の状態で開幕を迎えるはずだったが、水~金曜の79.5㎜、土曜の24.5mmの降雨の影響で稍重開催、時計も平均的に落ち着いた。レースは前2頭はオーバーペースだったが、3番手以降は35.9-35.2-34.4のスローペース。少頭数ということもあり、末脚が結果に直結するレースとなった。

1着馬サリオスは上がり3F11.4-11.3-11.4程度と減速率が低いうえ、ピッチを上げたのは残り300~100m程。やや低調な顔ぶれであったため半信半疑ではあるが、ひとまずここでは1枚も2枚も力が違った。

2歳女王の復活に期待

◎レシステンシアが春に力を出し切れたのは桜花賞のみだが、それも重馬場の超ハイペース。今回も骨折明けではあるが、栗東坂路で好時計を連発する姿にはブランクの影響など微塵も感じられない。強豪古馬勢の豪脚を自慢のスピードとタフさで迎え撃つ。

◎レシステンシア
○アドマイヤマーズ
▲インディチャンプ
△グランアレグリア
△サリオス

※記事内の個別ラップは筆者が独自に計測したものであり、公式発表の時計ではありません。

ライタープロフィール
坂上明大
元競馬専門紙トラックマン。『YouTubeチャンネル 競馬オタク(チャンネル登録者40000人強)』主宰。著書『血統のトリセツ』。血統や馬体、操法、ラップなどからサラブレッドの本質を追求する。

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