【マイルCS】断然人気のグランアレグリアは軽視 本命はサリオスも3番手には超大穴馬

京都大学競馬研究会

2020年マイルCS インフォグラフィックⒸSPAIA

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差し馬の回収率が高い阪神競馬場

GⅠ馬8頭と豪華メンバーが集結したマイルCS(GⅠ・芝1600m)。京都外回りコースではなく、阪神コースに替わることによる注目点や、有力馬の適性や過去レースの詳細を中心に分析していきたい。

今回のメンバーを見渡すと、レシステンシアやベステンダンクといったペースメーカーが存在している。レシステンシアは多少ペースが速くなっても、楽に行ければしぶとい馬なので、他陣営としてはレシステンシアの得意な形にはさせたくないはずだ。

そうしたことから、前半3Fのタイムが速くなるのではないかと考え、過去10年の芝1600m良馬場で前半3Fの通過タイムが34.4以下のレースで、4角8番手以下(差し馬)だった馬の単複回収率を調査した。

芝1600m 前半3F34.4以下、4角8番手以下の回収率ⒸSPAIA


その結果、主要な競馬場では東京芝1600mは単勝回収率39%、複勝回収率76%、中山は単28/複31、京都外回りは単60/複71。今回の舞台である阪神芝1600mでは単勝回収率が111%、複勝回収率126%という結果が見られた。

コースの形態が異なるため、一概に34.4秒以下をハイペースと定義づけはできないとはいえ、阪神マイルはペースが速くなった際の差し回収率が他場に比べてかなり高い。この点を特に考慮して予想したい。

コントレイルに阻まれた悔しさをここで晴らせるか

◎サリオス
本命は2番人気想定のサリオスにした。朝日杯FS(1着)のレースラップは、12.2 - 10.5 - 11.1 - 11.6 - 11.8 - 11.8 - 11.6 - 12.4(33.8-35.8)の超ハイペース。先述したデータで、阪神の差し回収率が高いことからも分かるように、先行馬には厳しすぎる展開だった。

その展開を3番手で先行し、2着に2馬身以上つけて勝利したパフォーマンスは破格と言っていい。上がりが速いダービーよりも、持続力が要求された皐月賞の方がコントレイルに迫った強いレースだったと考えているので、レシステンシアが作り出すハイペースは歓迎。

皐月賞、ダービーは3冠馬コントレイルという壁に阻まれてしまったがどちらも2着で、コントレイルがいなければ2冠馬だったといっても過言ではない。前走の毎日王冠(1着)も2着以下を子ども扱いしており、状態がまともなら好走必至だ。

○ヴァンドギャルド
前走、タフな馬場と展開になった富士Sを勝利。東京新聞杯(6着)やマイラーズC(3着)は出遅れがなければもっといい着順だった。特に、マイラーズCは前後半ラップ(35.3-33.8)というスローペースで、上がりが速いレース。どの馬も余力が残っていて、上がりの差がつきにくいレースだった。

その展開でヴァンドギャルドは出遅れ、直線では絶望的な位置から上がり3F32.7という末脚で追い込んできた。このレースの1着馬・昨年の春秋マイル王インディチャンプに唯一肉薄できそうな内容だった。また、母方にサドラーズウェルズを持っている晩成タイプでこの馬もタフな展開は歓迎だ。位置取りは後方になりそうだが、ハイペースなら展開利が見込めそうなので対抗とした。

▲メイケイダイハード
勝った中京記念の前後半ラップが(34.0-35.2)であったように、スローペースでは持ち味が活きず、前傾ラップでラストがばてるタフな展開になった時が好走パターン。同レースは追い込み馬有利の決着だったが、上位3頭のうちメイケイダイハードは2、3着馬よりも4角で早めに進出している。つまり、すべてが恵まれた2、3着よりも強い競馬をしていたということ。

前走の京成杯AH(15着)は前有利の展開で後方から回ってきただけなので度外視可能。GⅠということもあり、この馬向きの厳しいペースになると見ている。位置取りは後方になるだろうが、かえって展開が恵まれそうで面白い一頭。

△レシステンシア
ダイワメジャー産駒らしく、前半が速い展開の方が得意な馬。2着に5馬身差をつけて圧勝した阪神JF(1着)のレースラップは、12.2 - 10.5 - 11.0 - 11.8 - 12.0 - 11.2 - 11.5 - 12.5(33.7-35.2)という超ハイペース。この展開をものともせずハナを切っての上がり最速。時計も優秀だった。そのレースぶりからも能力は認めるが、今回のメンバーでそう簡単に逃げ切れるとは思わないので、4番手評価とした。

他には、一頓挫あって休み明けとなったが、実力は確かな昨年の春秋マイル王×インディチャンプ、3走前の香港マイルで強いメンバーを下しており、叩き良化型の×アドマイヤマーズまで押さえておきたい。

グランアレグリア軽視の理由

最後に1番人気想定のグランアレグリアについても触れておく。前走のスプリンターズS(1着)の日は、外差し馬場。ハイペースも相まって、外から差し込んできた同馬にとっては展開的な有利があったと考えられる。

スプリンターズSを圧勝したとはいえ、あくまで競走馬のレベルは中距離路線の方が短距離路線よりも数段高い。マイル路線ではスプリンターズSのメンバーよりはレベルが数段上となる。この馬自身スピードに特化しすぎているため、今回のようにハイペースで最後の坂でタフさも要求されそうな展開での対応力に疑問が残る。

能力的に現役トップクラスの馬というのは認めるが、少なくとも1着はないと見て馬券を組み立てたい。

▽マイルCS予想▽
◎サリオス
○ヴァンドギャルド
▲メイケイダイハード
△レシステンシア
×インディチャンプ
×アドマイヤマーズ
(文 ケータロー)

ライタープロフィール
京都大学競馬研究会
今年で25周年を迎える、京都大学の競馬サークル。馬主や競馬評論家など多くの競馬関係者を輩出した実績を持つ。また書籍やGⅠ予想ブログ等も執筆。回収率100%超えを目指す本格派が揃う。

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