【武蔵野S】「関西馬3着内28頭」「前走1400m6勝」「前走1着馬6勝」など 覚えておきたいデータ

勝木淳

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クロフネの連勝はもはや昔話

クロフネが初ダートで衝撃的な走りを披露、つづくジャパンカップダートも圧勝したのは2001年。ひと昔前の話といっていい。JRA全場で唯一のダート1600m戦、武蔵野Sの舞台は、独特な適性を求められる。

その証拠に、本番のチャンピオンズC(ジャパンCD含む)過去10年で武蔵野S組は【1-3-0-24】と振るわない。甘く見ていると18年8人気2着ウェスタールンドといった穴馬の大駆けにあうこともあるが、適性違いは事実。どちらかというと、翌年のフェブラリーSを念頭に置くべきレースだろう。

東京ダ1600mの独特な適性を頭に入れつつ、武蔵野Sの傾向を過去10年間のデータをもとに探っていく。

東西別成績(過去10年)ⒸSPAIA

関東の重賞ではあるが、出走頭数は関東馬39頭に対して関西馬は119頭とまず量で圧倒。その成績も関東馬【2-0-0-37】、関西馬【8-10-10-91】で関西馬が強い。

数が多いので勝率はどっこいどっこいだが、過去10年の馬券圏内30頭で考えると、関東馬2、関西馬28。ダート路線における関西馬の層の厚さを物語るデータだ。

関西馬の騎手東西別成績(過去10年)ⒸSPAIA

一方で関西馬に東西どちらの騎手が乗った方がいいのかを調べると、美浦所属【5-6-5-53】、栗東所属【3-4-5-29】と確率上は互角。数でいえば16対12で美浦所属騎手がやや上回る。

回収率でみると、単勝回収率は美浦所属135、栗東所属64、複勝回収率では118、145と逆転するものの、関東の騎手が乗る関西馬はどちらも100を超えており、このパターンに注目するという手もある。

前走クラス別成績(過去10年)ⒸSPAIA

もう少し詳しく見ると、マイルCS南部杯【0-3-0-12】、JDD【1-1-1-2】は悪くない。

想定に前走JDD組はいないので、マイルCS南部杯に注目。盛岡ダ1600mは東京ダ1600mとレイアウトが似た舞台。コーナー2回で、地方のなかでもスピード重視のため親和性が高い。想定にいるモズアスコット(フェブラリーS勝ち)、サンライズノヴァ(18年1着)、ワンダーリーデル(19年1着)の好走は十分考えられる。

一方、前走オープン【5-4-4-59】、GⅢ組【3-2-2-27】が優勢で、格にとらわれる必要もなさそうだ。

前走東京ダ1400m戦出走馬に注目

もう少し明確に傾向をつかめるようなデータはないだろうか。そこで前走距離別成績をみる。

前走距離別成績(過去10年)ⒸSPAIA

ダートのマイル戦という独特な条件ながら、同じ前走1600m出走馬は【1-4-3-26】と成績が出ていない。これも難しいところ。

成績がいいのは1400m【6-2-4-44】勝率10.7%、複勝率21.4%。10年で6勝は大きな数字なので、ちょっと掘り下げる。

前走1400m組の前走競馬場別成績(過去10年)ⒸSPAIA

阪神や佐賀が少ない数の割に好走馬を出しているので目立つものの、東京【4-2-3-30】は押さえるべきだろう。厳密には、東京ダ1600mと1400mは血統も適性も重ならない部分が大きいが、上がり600mタイムが早くダートでもスピード志向という共通点があり、その点で結びついているのではないか。

前走1800mは【0-0-2-15】と、不振である点も今年の想定馬を考えると気になるデータだ。

前走着順別成績(過去10年)ⒸSPAIA

武蔵野Sの特徴として、前走着順別成績を最後にあげる。それは前走1着馬が【6-3-3-30】と強いところにある。適性違いで負けてきた馬が東京ダ1600mの武蔵野Sで息を吹き返すのではなく、前走勝った馬が連勝するケースが10回中6回あった。

前走2着【0-2-1-12】、前走3着【2-2-0-11】も含め、どんなコースであれ前走好走していることが武蔵野S攻略のヒントになるのではないか。

ライタープロフィール
勝木 淳
競馬ライター。競馬系出版社勤務を経てフリーに。優駿エッセイ賞2016にて『築地と競馬と』でグランプリ受賞。主に競馬のWEBフリーペーパー&ブログ『ウマフリ』や競馬雑誌『優駿』(中央競馬ピーアール・センター)にて記事を執筆。YouTubeチャンネル『ザ・グレート・カツキの競馬大好きチャンネル』にその化身が出演している。

2020年武蔵野ステークスデータ

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