【ファンタジーS】複勝率38.7%の距離短縮組を狙え 人気薄オパールムーンにとってさらに追い風のデータとは?

ⒸSPAIA
前走距離延長組に注目
今週は、11月7日(土)に行われるファンタジーSを予想する。一昨年のダノンファンタジー、昨年のレシステンシアと2年連続で勝ち馬が阪神JFを制しているので、今年も注目の一戦だ。戦績の少ない2歳馬の予想は馬の能力を正確に知る必要があるので、データも駆使して的中させたい。

今回ピックアップしたデータは、過去10年のファンタジーS出走馬の前走距離別の成績。前走同距離の馬は勝率2.9%、連対率10.3%、複勝率14.7%、距離延長組が勝率9.5%、連対率9.5%、複勝率19.0%、距離短縮組が勝率12.9%、連対率29%、複勝率38.7%であり、距離短縮の成績が最も高かった。
その理由の一つとして、短い距離を使う馬よりも長めの距離を使う馬ほど(極端に長い距離は除く)競走馬の絶対能力が高い傾向にあるということが挙げられる。3歳牝馬クラシックは1600〜2400mなので、そこを目標にする馬が1200mから使うことがほとんどないと考えれば分かりやすいだろう。
そうしたことからも、今年の出走メンバーの中で距離短縮組のラヴケリー、オパールムーンの2頭には注目したい。
名手横山典弘騎手を背に重賞制覇を期待!
◎オパールムーン
本命は、先述した前走からの距離短縮組の複勝率38.7%というデータに該当するオパールムーン。新馬戦(1着)のラップは、6.8 - 11.3 - 11.6 - 12.1 - 12.3 - 11.8 - 11.7 - 11.8(29.7-35.3)で、ラスト1Fのラップが大きく失速していない点も評価できるが、さらに注目したいのが1分29秒4という勝ち時計。
過去10年で、札幌芝1500mの新馬戦または、2歳未勝利戦において1分29秒5以下で走破した馬は、オパールムーンを含めて8頭。その中には、ファストアプローチ(札幌2歳S2着)、キャンディバローズ(ファンタジーS1着、フィリーズR3着)、トーセンラーク(アルテミスS3着)、アドマイヤセプター(札幌2歳S3着、スワンS3着など)、グランプリボス(朝日杯FS1着、京王杯2歳S1着など)の5頭が、2歳重賞やその後の重賞で活躍している。
その新馬戦で2着となったヴァーチャリティは、2走後に好時計で未勝利勝ち。3着馬ククナは、次走強い勝ち方をして、アルテミスSで2着と好走していることを考えると、レースレベルが高かったことは明らかだ。今回、メイケイエールやヨカヨカなどといった前走から距離延長組の重賞好走馬やOP特別勝ちのある馬が人気するのであれば、配当的にも狙い目だ。
○サルビア
新馬戦(1着)のレースラップは、12.6 - 11.0 - 11.6 - 12.2 - 12.3 - 11.3 - 11.3(35.2-34.9)。ラスト2F11.3‐11.3と速い上がりを刻んだのが優秀だ。前走のりんどう賞(1着)は、相手が弱かったものの圧勝で、ラスト2Fも11.8-11.8と新馬戦と同様に失速していなかった点からも、余力が感じられる内容だった。
▲メイケイエール
新馬戦は、11.9 - 10.5 - 11.5 - 11.8 - 11.8 - 11.9という余力のあるラップを持ったままで2着馬に5馬身差をつけて快勝した。そして、小倉2歳S(1着)は圧倒的人気を集めていたモントライゼを退けた実力は確かなもの。ただし、前走はかなり折り合いを欠く面を見せていたので、能力は認めるものの距離短縮はやや課題か。
△ラヴケリー
この馬も成績のいい距離短縮組なので、忘れずに押さえておきたい。函館2歳S(3着)は、前が残りやすい馬場を後方から競馬。不利な展開であったにも関わらず上がり最速の脚を使い3着に好走している。クローバー賞のタイムも悪くない。
軽視したい人気馬
ヨカヨカ
新馬戦で接戦を演じたモントライゼは、小倉2歳Sで折り合いを欠き、チグハグな競馬したメイケイエールに完敗している。そのモントライゼに勝利した新馬戦の3着以下のメンバーレベルには疑問が残るうえ、前走のひまわり賞(1着)は九州産馬相手ということで楽だった。距離延長も課題で減点材料が多いので、人気するのであれば今回は軽視したい。
▽ファンタジーS予想▽
◎オパールムーン
○サルビア
▲メイケイエール
△ラヴケリー
消ヨカヨカ
(文 ケータロー)
ライタープロフィール
京都大学競馬研究会
今年で25周年を迎える、京都大学の競馬サークル。馬主や競馬評論家など多くの競馬関係者を輩出した実績を持つ。また書籍やGⅠ予想ブログ等も執筆。回収率100%超えを目指す本格派が揃う。
《関連記事》
【アルゼンチン共和国杯】複勝率0%のデータが2つも ハイブリッド式消去法で残ったのは?
【アルゼンチン共和国杯】「4歳6勝」「55.5キロ以上9勝」など データからはかつてほど波乱はなし
【みやこS予想】「4歳馬」が圧倒、「前走3番人気以内」が必須条件 ベストタッチダウン最有力
