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【アルゼンチン共和国杯予想】速い上がりが必要な馬場 穴はしまいの破壊力抜群ゴールドギア

2020/11/05 17:00
三木俊幸
2020年アルゼンチン共和国杯馬場適性チャート

ⒸSPAIA

上がりの速い馬場

11月8日(日)に東京競馬場で行われるアルゼンチン共和国杯(GⅡ・芝2500m)。近年では、スクリーンヒーローやゴールドアクターがここをステップにGⅠを勝利しており、ジャパンCや有馬記念に向けても目が離せないレースだ。今週も馬場適性の観点から分析・予想を行なっていく。

先週は全く雨が降らなかったため、金曜日発表のクッション値は9.3。天皇賞(秋)当日の朝には9.7を記録するなど、秋の東京開催が始まってから最も硬い馬場でレースが行われた。

先週の東京1800m以上の成績

芝1800m以上で行われたレースの結果を振り返ると、超高速馬場ではないものの、天皇賞(秋)は1:57.8で決着。勝ったアーモンドアイの上がりは33.1、2着フィエールマンは32.7という末脚を繰り出した。さらに土曜日に行われた2000m戦の3歳以上1勝クラスでも、クロミナンスが33.0という上がりで勝利。前3週とはうって変わり、速い上がりがマークされていた。

先週の東京1800m以上の成績

また通過順位の傾向からは、差し・追込馬が3勝、2着3回、3着4回で複勝率55.6%で差し有利の馬場傾向にあることが見てとれる。Bコースに変わったこともあり、直線で内から何頭目のコースを通って伸びてきたかを調べたところ、内から2頭目を通った馬も2勝、2着1回、3着2回と馬券に絡んでいたものの、内から6頭目が1勝、内から7頭目が2勝と比較的外を通った馬が好走していることがわかった。

今週は月曜日から火曜日の朝にかけて雨が降ったが、その後は天候が回復。週末にかけても雨が降る可能性は低そうなので、先週と同様に上がりは速い傾向が続くだろう。

今後に向けて結果が求められる一戦

近年のアルゼンチン共和国杯は比較的Sペースになることが多く、33秒台上がり決着になることも多い。しかし、日本ダービー当日に行われる目黒記念のように、タフな流れになった場合は35秒台の上がり決着になることも多い。100m短い東京の2400m戦と比較すると、ペースによって台頭する馬のキャラクターの差が激しいので、どのような流れになるかという点についても、いつも以上に重視して予想していきたいところだ。

今年のメンバーを見渡したところ、何がなんでも行きたいという馬は見当たらずHペースになることはないと考える。ある程度の瞬発力勝負に対応できる馬を上位に取りたい。

アルゼンチン共和国杯馬場適性チャート

上記の馬場適性チャートの縦軸は高速馬場を得意とするスピード型か時計のかかる馬場に強いパワー型かを示す指標、横軸は上がりの速い馬場に強い瞬発力タイプか上がりのかかる馬場を得意とする持続力タイプのどちらに分類できるかを表している。

【ユーキャンスマイル】
GⅠレースには5回出走し、全てで5着以内。2000mの天皇賞(秋)から3200mの天皇賞(春)まで距離を問わず安定した成績を残している。しかしどちらかといえば、2400m以上の距離で瞬発力勝負に強いタイプ。そうしたことからも東京2500mの条件は合っている。ハンデ58kgだが、今後に向けても結果が求められる一戦だ。

【オーソリティ】
前走の青葉賞は2:23.0というレースレコードで勝利。直線では外に持ち出すまで時間を要した中で勝ち切った点を評価したい。骨折休養明けで仕上がりがどうかという不安はあるが、同レースは後半5Fがほぼ一定のペースで持続力が問われる流れだったことを考えると、2500mの舞台も問題ないだろう。

【サンレイポケット】
前走の毎日王冠は1800mの距離がやや短いかと思ったが、2着ダイワキャグニーとはハナ差の3着、状態の良さに加えて着実に力をつけていると証明した。もともと2000m以上の距離が良いタイプで、瞬発力勝負が向いている馬。条件はさらに好転するので、ここで重賞初制覇の可能性はある。

【バレリオ】
重賞では結果が出ていないが、東京の2400m戦では【2,1,0,1】と得意としている。タフな流れになれば厳しいが、長距離適性は高く、切れる脚を使うタイプなのである程度ペースが落ち着くのであれば一発があっても不思議ではない。

【ゴールドギア】
トップスピードに乗るまで時間がかかるタイプなので、前走の新潟記念のように2000mの瞬発力勝負のレースになると厳しい。2走前の目黒記念は直線で進路が開けるまで時間がかかったが、ゴール前では伸びてきて5着。このことからも2500mという距離はプラスに働く。道中の位置どり、遅すぎず速すぎないペースなど展開に注文はつくが、全ての面が噛み合ったときには怖い存在なので、穴馬として推奨しておく。

▽アルゼンチン共和国杯予想▽
◎ユーキャンスマイル
○サンレイポケット
▲ゴールドギア
△バレリオ
×オーソリティ

ライタープロフィール
三木俊幸
編集者として競馬に携わった後、フリーランスとなる。現在は競馬ライターとしてだけでなく、カメラマンとしてJRAや地方競馬など国内外の競馬場で取材活動を行っている。


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