【アルゼンチン共和国杯】複勝率0%のデータが2つも ハイブリッド式消去法で残ったのは?

八木遊

2020年アルゼンチン共和国杯インフォグラフィックⒸSPAIA

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5つのデータから絞れた馬は?

先週の『天皇賞・秋』は、アーモンドアイが快勝。国内外の芝GⅠ競走8勝目を挙げた。そのアーモンドアイとともに消去を免れたフィエールマンが2着に突っ込み、馬連は的中。ただし、3着に入ったクロノジェネシスを真っ先に消していたことは大いに反省したい。

今週の対象レースは、ハンデ重賞の『アルゼンチン共和国杯』。過去10年のデータから複勝率10%未満の「凡走データ」を5つピックアップし、馬券対象から1頭でも多く“消去”して週末の予想に臨みたい。今年はどの馬が凡走する確率が高いのか、データで迫った。

※特別登録時点のものです。11月2日時点でベストアプローチ、オーシャンビュー、ヒュミドール、ナムラドノヴァンの4頭が除外対象。

『前走4番人気以下』×『前走10着以下』★0.0%★

ハンデ戦ということで、軽ハンデの馬に注意する必要があるが、前走大敗していた馬の巻き返しは容易ではない。前走4番人気以下で、2桁着順に終わった馬は過去10年で37頭いたが、すべて4着以下に沈んでいる。これを最初の消去データとして採用したい。

登録22頭のうち、この条件に合致したのは8頭いた。人気になりそうな馬は皆無で、ばっさり消去しても大丈夫だろう。

【今年の該当馬】
・アールスター
・アドマイヤジャスタ
・エアウィンザー
・オセアグレイト
・タイセイトレイル
・ナムラドノヴァン
・ベストアプローチ
・ミュゼエイリアン

『母父ミスプロ系』×『キャリア16戦以上』★0.0%★

2つ目は、母の父に注目した。母父ミスタープロスペクター系の成績は過去10年で【3-0-2-16】。複勝率は25.0%と上々だが、キャリアを15戦以下と16戦以上に分けると、前者が【3-0-2-0】、後者は【0-0-0-16】という正反対の結果が出た。

今年はこの条件を満たしたのは3頭。ミュゼエイリアンは既に消去済みなので、新たに該当したアイスバブルとトーセンカンビーナを消去したい。

【今年の該当馬】
・アイスバブル
・トーセンカンビーナ
・(ミュゼエイリアン)

『前走ハンデ戦』×『前走4着以下』★2.5%★

前走でハンデ戦を使われた馬は、その時の着順で取捨を判断できそうだ。馬券圏内に好走していた馬は【2-4-5-14】だった一方、4着以下だった場合は【1-0-0-39】。唯一の勝ち馬が昨年2番人気で制したムイトオブリガードだった。

今年は、大量9頭がこの条件に合致。このうち菊花賞2着の実績があるサトノルークスなど4頭を新たに消去したい。

【今年の該当馬】
・(アールスター)
・(エアウィンザー)
・(オセアグレイト)
・ゴールドギア
・サトノルークス
・プリンスオブペスカ
・(ベストアプローチ)
・(ミュゼエイリアン)
・ラストドラフト

『5歳以上』×『前走GⅢ以下』★8.3%★

続いて注目したのは年齢別成績。このレースはとにかく3~4歳馬が強く、過去10年で【7-4-6-22】。5歳以上は【3-6-4-109】と苦戦傾向。特に、前走GⅢ以下のレースを使われていた場合は【1-1-3-55】で、複勝率は8.3%だった。

すでに消去済みの馬がほとんどだったが、新たにバレリオと除外対象のオーシャンビューがこの網に引っ掛かった。4つのデータを経て、22頭中16頭の消去に成功。残ったのは、オーソリティ、サンアップルトン、サンレイポケット、ヒュミドール(除外対象)、メイショウテンゲン、ユーキャンスマイルの6頭となった。

【今年の該当馬】
・(アールスター)
・(エアウィンザー)
・オーシャンビュー
・(ゴールドギア)
・(ナムラドノヴァン)
・バレリオ
・(プリンスオブペスカ)
・(ベストアプローチ)

『前走馬体重減』×『今回馬体重減or同体重』★6.1%★

最後は前走とレース当日の馬体重増減に着目した。前走で馬体重を減らしていた馬が、アルゼンチン共和国杯でプラス体重ではなかった場合、【0-0-2-31】と連対すらなかった。馬の世界にも“食欲の秋”はあるということか……。

当日の馬体重を見て最終的な取捨を判断するが、残っている6頭のうち、前走でマイナス馬体重だったのは、オーソリティ、サンレイポケット、メイショウテンゲンの3頭。逆に、現時点で確実に消去を免れるのは、サンアップルトン、ヒュミドール(除外対象)、そしてユーキャンスマイルの3頭という結果になった。

ユーキャンスマイルは、その実績から1番人気が濃厚。サンアップルトンはオープン昇級後、重賞では4着と6着に敗れている。叩き2戦目のここは、軽ハンデを味方に3着以内なら十分可能性はありそうだ。馬券は、この2頭を軸に、当日の馬体重で最終的な判断を下したい。

【ライタープロフィール】
八木 遊
野球兼競馬ライター。スポーツデータ会社やテレビ局の校閲職などを経てフリーに。競馬との出会いはメジロマックイーンが勝った1990年菊花賞。その後、オルフェーヴルに魅了され今に至る。思い出のレースはトウカイテイオーが勝った1993年有馬記念とウイニングチケットが勝った1993年日本ダービー。

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