【みやこS】今年は阪神だからこそ馬の個性を見極めたい 当日まで覚えておきたいデータと適性とは
勝木淳
ⒸSPAIA
中心は4歳だがベテランも侮れない
12月チャンピオンズCの前哨戦みやこSは5回京都の開幕週……ではなく、5回阪神開幕週。うっかりしていると例年通り京都ダ1800mで予想してしまいそうだが、阪神ダ1800mで施行される。
まずはそこを忘れないようにしたい。京都と阪神、同じ関西圏でも競馬場の適性はそれぞれ違う。そういった部分を踏まえつつ、レースの傾向を探る。なおデータは施行がなかった18年を除く9回分を使用する。
主力は4歳馬で【6-2-1-23】勝率18.8%、複勝率28.1%。ベストタッチダウンなどがスタンバイ。同馬は春に重賞で大敗を喫したが、オープンの太秦Sを快勝、再度軌道に乗っただけに怖い存在だ。
ベストタッチダウンに追い風となるデータ。4歳馬は上位人気に押される馬ほど走る傾向があり、4人気以内であれば【5-1-0-6】勝率41.7%、複勝率50%。ウェスタールンドやエアアルマスなど骨っぽい相手だが、ベストタッチダウンがそれでも上位人気なら信頼してよさそうだ。
ただし、ほかの世代もデータ上は侮れず、6歳【2-0-1-19】を含めダートらしく高齢馬もしぶとい。年齢で安易に消すのは危険だろう。
前走先行優位も考慮すべき阪神ダート適性
ここからは前走の傾向からさらに探っていくことにする。
前走GⅠ組は【1-0-0-2】。勝ったのは前走が南部杯だった11年エスポワールシチー。想定ではワイドファラオが該当。
次に、データ面で目立つのは前走オープン組の【4-3-1-27】勝率11.4%、複勝率22.9%。このゾーン、少し掘り下げる。
ブラジルC組【2-2-0-17】、ラジオ日本賞組【1-1-1-0】。ラジオ日本賞組は出走予定がなく、ブラジルCからはスワーヴアラミスがスタンバイ。重賞馬復活なるか注目だ
太秦S【1-0-0-1】なのでベストタッチダウンはよさげだが、これは京都つながりの好走である可能性があり、阪神開催の今年は慎重に考えたい。阪神で1勝クラスを勝っているものの重賞大敗はアンタレスS(阪神)。適性面も考慮したい。
ヒストリーメイカーにとって悪いデータ。短縮組【2-5-5-67】で複勝圏内には来るが勝率は2.5%と不振。延長組【4-1-1-20】の成績がよく、ウェスタールンド、ワイドファラオらに追い風。
延長組を脚質で掘り下げると、逃げ【1-0-0-2】、先行【3-1-1-7】に対して中団より後ろは【0-0-0-11】と不振。前走も後方からまくったウェスタールンドよりマイル戦で先行したワイドファラオを評価したい。
しかし、今回より短い距離で先行していた馬が強いというデータもスピード優先の京都ダートならではという可能性はある。ウェスタールンドは春のアンタレスSで追い込みを決めているように阪神ダートは得意。この点も頭に入れておきたい。
距離比較でいえば、同距離組は【3-3-3-23】なので評価下げは禁物。エアアルマス、ベストタッチダウンらが該当する。
こちらも逃げ【1-1-0-4】、先行【1-1-2-9】と先行勢の数字がいいが、中団【1-1-0-7】は延長組と異なる。東海Sで先行したエアアルマス、太秦Sを逃げたベストタッチダウンが該当する。
このように各馬をデータと適性に照らし合わせると、一長一短で難解なレースであることがわかる。みやこSを予想する上で同レースの傾向に合致する馬を阪神ダート適性に照らして考えてみると、予想精度もあがるのではなかろうか。
ライタープロフィール
勝木 淳
競馬ライター。競馬系出版社勤務を経てフリーに。優駿エッセイ賞2016にて『築地と競馬と』でグランプリ受賞。主に競馬のWEBフリーペーパー&ブログ『ウマフリ』や競馬雑誌『優駿』(中央競馬ピーアール・センター)にて記事を執筆。YouTubeチャンネル『ザ・グレート・カツキの競馬大好きチャンネル』にその化身が出演している。
おすすめ記事