【天皇賞(秋)】アーモンドアイ「負けパターン」になる確率37.5% 人気馬の死角は?

鈴木ショータ

アーモンドアイの前半ペース別成績インフォグラフィックⒸSPAIA

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アーモンドアイの「負けパターン」

11月1日に行われる天皇賞(秋)。最大の焦点となるのが、アーモンドアイが芝GⅠ8勝目を挙げるかどうかだろう。競馬ファンとしては歴史的偉業達成の瞬間を見届けたい気持ちもあるが、穴党としては重箱の隅をつついてでも抗いたい。今回はそのアーモンドアイを始めとする上位人気馬の「死角」について探っていく。

アーモンドアイが勝つか負けるかのポイントは、実はとってもカンタンだ。上がりがかかる消耗戦になるほどアーモンドアイは負ける傾向にある。レースの中盤(残り6~3F)と上がり3Fのレースラップを比較すると、面白い傾向が見えてくる。

負けたGⅠレース
中盤33.9-上がり33.9 3着 2019年安田記念
36.1-37.6 9着 有馬記念
34.3-34.3 2着 2020年安田記念

人気を裏切っているレースは、中盤より上がりの方が遅くなっている。特に上がり3Fの方が1秒以上も遅く、超消耗戦になった有馬記念は9着に大敗している。

では反対に、勝っているときのレースラップも見てみよう。

国内GⅠで1着になったレース
35.7-34.4 桜花賞
37.1-34.9 オークス
35.5-35.2 秋華賞
34.5-34.4 ジャパンカップ
34.6-34.3 天皇賞(秋)
33.8-33.9 ヴィクトリアマイル

ほとんどのレースで、上がり3Fより中盤3Fが遅い瞬発力勝負で勝っている。ヴィクトリアマイルは不得意なラップでも勝っているが、牝馬限定戦ということもあって適性よりも能力だけで勝ってしまったと判断していいだろう。

このように相対的なラップバランスでも判断することができるが、絶対的な数値の方が理解はしやすいかもしれない。ズバリ、アーモンドアイは前半5Fが59.0秒以上の時に好走しやすい。負けたレースは全て前半5Fが59.0秒よりも速いペースであった。

57.0秒 2019年安田記念3着
58.4秒 有馬記念9着
57.3秒 2020年安田記念2着

反対に、勝利した時の平均前半5Fのタイムは59.5秒であった。

では今年の天皇賞秋のペースはどうなるのか。近年の良馬場時の天皇賞(秋)の8回を分析すると、前半5Fが59.0秒よりも速かった年が3回あった。つまり8回に3回、37.5%の確率でアーモンドアイの「負けパターン」になる。過去の傾向からはそう判断できる。

ただし、逆に言えば62.5%の確率で勝てるとも解釈できる。勝率62.5%ということは、単勝1.6倍以上つけば期待値は100%超になる。当日のオッズを見て、期待値が高い方に張るのがいいだろう。どうしてもアーモンドアイに抗いたい人はハイペースになることにヤマを張って、差し、追い込み馬を買うのが得策だ。

クロノジェネシスは時計短縮が必須

クロノジェネシスの懸念点は高速馬場への適性だ。天皇賞秋の近2年の決着タイムは1.56.8、1.56.2と速い。クロノジェネシスの芝2000mでの持ち時計は1.58.4で、2秒ほど時計を縮める必要がある。

また、秋華賞、京都記念、宝塚記念と、道悪の時に高いパフォーマンスを発揮しているのでパワー型の印象を強く抱かせる。当日の馬場状態と、芝レースの走破時計には注意したい。

フィエールマンは距離に疑問

フィエールマンの不安要素は、距離適性だ。2200m以下のレースでは重賞でも取りこぼしが目立つ。

ラジオNIKKEI賞(1800m)1番人気2着
AJCC(2200m)1番人気2着
札幌記念(2000m)1番人気3着

天皇賞(春)を勝つようなステイヤーが天皇賞(秋)を制することも難しいだろう。ちなみに、近年で天皇賞(春)を勝った馬の、天皇賞(秋)での成績は以下のようになる。

キタサンブラック1番人気1着
レインボーライン13番人気3着
フェノーメノ3番人気14着
フェノーメノ1番人気2着

一見して好走が多いという反論もあるだろうが、キタサンブラック、レインボーラインが好走した年は不良馬場であった。良馬場ではフェノーメノが2着と14着。一度大きく人気を裏切っている方が本質的な部分ではないかと判断する。

ライタープロフィール
鈴木ショータ
競馬伝道師。競馬エイトトラックマンを経てフリーに。
オリジナルのweb競馬新聞「PDF新聞」を毎週発行。
根っからの大穴党で、馬券格言は「人の行く裏に道あり”穴”の山」


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