【AI予想回顧】史上初、無敗3冠牝馬デアリングタクトの強さにAIも脱帽

SPAIA編集部

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ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)

デアリングタクト勝利も万馬券

先週末は10月17日(土)に東京競馬場で府中牝馬S(GⅡ・芝1800m)、11日(日)には京都競馬場で3歳牝馬クラシック最終戦の秋華賞(GⅠ・芝2000m)が行われた。AI予想エンジンKAIBAが推奨した馬は好走することができたのか。デアリングタクトの無敗牝馬3冠挑戦で大きな注目を浴びた秋華賞から振り返っていく。

AIの本命はミヤマザクラ。クイーンCの勝ち馬で、2歳時には同じ京都芝2000m京都2歳Sで2着という実績もあり。騎乗する福永騎手は過去3年では複勝率56.8%、回収率も単複ともに100%超と京都芝2000mを得意としている点に注目。

一方でデアリングタクトの鞍上、松山騎手は福永騎手と対照的に同コース勝率が2.6%しかなく、思い切って本命から外し対抗評価としたようだ。3番手以下はリアアメリア、サンクテュエール、クラヴァシュドールと、癖のある京都内回りコースを知り尽くす騎手が騎乗する馬を中心にピックアップした。

先手を奪ったのはマルターズディオサ。しかし楽な逃げは許さないと言わんばかりにホウオウピースフルとウインマリリンがぴったりとマーク。本命のミヤマザクラは直後の4番手インコース、1馬身後ろにリアアメリア、そこから3馬身差の6番手にサンクテュエールが追走。少し離れた9番手にクラヴァシュドール、そして注目のデアリングタクトは中団後方を追走していたが、徐々に外から進出していく。

1000mの通過は59.4とややハイペースだったが、3コーナーでは縦長だった馬群が密集。後方にいたオーマイダーリン、ソフトフルートなどの動きに合わせてデアリングタクトも好位に取りつき、7〜8頭が横並びで直線へと向いた。

ここからは偉業達成に向けて一直線。内にマジックキャッスル、外にパラスアテナとソフトフルートと3頭が食い下がるが、全く問題にせず突き抜けた。場内からは拍手が沸き起こり、松山騎手も3冠を意味する”3”のポーズとガッツポーズで喜びを表現した。

稍重で行われたレースの勝ちタイムは2:00.6、2着には10番人気のマジックキャッスル、写真判定となった際どい争いを制した9番人気のソフトフルートが3着に入り、3連単は44,110円と万馬券となった。

本命ミヤマザクラは14着。福永騎手は前日の土曜日に京都の芝コースで5勝、秋華賞当日も1勝と馬場を読み切っていただけに淡い期待を持ったが、データがお粗末に見えるほど遥か上を行くデアリングタクトの強さに脱帽せざるを得ない結果だった。

下位人気の3頭で決着

エリザベス女王杯を見据えた上でも重要な一戦である府中牝馬S。今年は出走馬8頭と少頭数でのレースとなった。本命はダノンファンタジー。中内田厩舎の過去3年のGⅡ勝率が28.0%、主戦の川田騎手を起用した場合は勝率50.0%、単回収率192%というデータに期待した。

対抗は人気を集めていた昨年のオークス馬、ラヴズオンリーユー。春はドバイに遠征したものの、レースが中止になるなど順調さを欠いたが、仕切り直しの一戦で改めて期待した。以下、春に重賞2勝のフェアリーポルカ、京成杯AHを連覇したトロワゼトワル、前走で牡馬相手に差し切り勝ちを果たしたサラキアまで印を回していた。

朝から雨が降り、重馬場の中でゲートが開く。じわっと先頭に立ったトロワゼトワルに競りかける馬はおらず、後続に5馬身ほどのリードをつける。2番手に本命のダノンファンタジー、そこからさらに5馬身ほど差がついてラヴズオンリーユー、フェアリーポルカ、さらにサラキア、シャドウディーヴァなどが一団となって追走する。

1000mの通過は59.6とハイペース、3〜4コーナー中間地点でダノンファンタジーが外目を通って並びかけ、内外に離れた状態で直線へと向いた。残り400m、トロワゼトワルはしぶとく粘るがダノンファンタジーは失速。変わって大外から手応えよく伸びてきたのは7番人気のサラキアだった。

北村友騎手の檄に応え、3馬身差をつけて勝利。先週の毎日王冠を快勝した半弟サリオスに続いて重賞制覇となった。勝ちタイムは1:48.5、2着には馬群を割ってきた6番人気シャドウディーヴァ、3着には内ラチ沿いからしぶとく伸びてきた8番人気サムシングジャストが入り、下位人気3頭で決着。3連単は189,020円という配当だった。

本命のダノンファンタジーは3〜4コーナーで早めに動いたことで失速して6着。もともとSペース向きの馬なので、直線まで我慢して脚をためていたらもう少し違う結果になったかもしれない。

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