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【京都大賞典】「道悪」「内前有利」の馬場になっても対応可能な本命馬とは?

2020/10/10 17:00
坂上明大
目黒記念トラックバイアス インフォグラフィックⒸSPAIA

ⒸSPAIA

例年通りの内前有利

夏の馬場更新作業を経て、開幕週の綺麗な馬場で行われる京都大賞典。近年も「内前有利」の競馬が続いており、今年も好枠&好位置を取れる馬が狙い目だ……と言いたいところだが、今週末は台風第14号の影響で馬場悪化は避けられそうにない。多少の良化は見込めそうでも、普段の開幕週とはひと味違いそう。道悪適性とともに、参考レースを振り返っていく。

【2019年 京都大賞典】
夏休場を挟んでの秋開催開幕週。馬場状態が非常に良く、例年通りの「内有利」が顕著なトラックバイアス。本レースも最内を走った馬が1、2、4着と好走した。ペースは59.7-59.3の後傾0.4秒。引き締まった流れではあったが、内外のバイアスの影響もあって追い込み馬には厳しい競馬であった。

2着馬ダンビュライトは単騎逃げでの好走だけに、展開に恵まれた感は否めない。ただ、骨折明けでやや余裕残しの仕上げであった点は考慮が必要か。

3着馬シルヴァンシャーは4角最内勢が1、2、4着を独占する中、大外から差しての3着。詰めて使えないため少々アテにしづらい面はあるが、素質は重賞級のモノを持っている。

6着馬グローリーヴェイズは直線の伸びが案外。久々の分か。

目下4連勝中の新星

目黒記念トラックバイアス インフォグラフィックⒸSPAIA


【目黒記念】
Cコースに替わった前週に引き続き「内有利」のトラックバイアス。直線で馬群が広がりやすい東京だけに好走馬直線平均進路は内ラチから7、8頭目だが、外を回した馬にとってはかなり厳しい馬場であった。ペースは中盤で11秒台を刻むタフなレースラップ。ハイペースとまではいえないが、十分に後方勢が台頭できる流れであった。

1着馬キングオブコージは4連勝での重賞勝利。最内から追い込んでの勝利だけにトラックバイアスに恵まれた感は否めないが、行き脚がつかずポジションを取れない中での勝利は評価できる。距離短縮もプラス。京都外回りも得意な部類だろう。

2着馬アイスバブルは、上がりのかかる競馬で本領発揮。雨予報はプラスだろう。

3着馬ステイフーリッシュは勝負どころでやや踏み遅れ、上がり3Fは12.0-11.9-11.8程度。トップハンデの57.5キロを背負っており、本レースでは本馬を最上位とみる。

4着馬ノーブルマーズは直線で前が壁になり、馬群を捌くのに苦労したが、ラスト1Fの伸びを見ると高い評価はできない。

宝塚記念らしい超タフ競馬

【宝塚記念】
レース直前の豪雨により馬場状態が悪化。トラックバイアスも「外有利」に変化し、当日の好走馬直線平均進路は前日から約3頭分外に広がった(土:3.3頭目/日:6.4頭目)。ペースは60.0-61.1の前傾1.1秒。重い馬場状態も相まって「後有利」の競馬であった。

2着馬キセキは出遅れて後方からとなったが、折り合いピッタリ。流れが向いたことは間違いないが、持続力勝負でスムーズな競馬ができればGⅠでも上位の素質馬だ。

9着馬ダンビュライトは厳しい流れを3番手追走。去勢明け2戦目でもあり、巻き返しがあって不思議ではない。

17着馬グローリーヴェイズは長期休養明けで仕上がり途上。参考外。

芝道悪の鬼ステイゴールド

台風の影響により馬場の悪化は避けられそうにないが、夏休場後だけに例年通りの「内前有利」馬場になっても驚けない。執筆時点では馬場状態が読めないが、◎ステイフーリッシュならどちらにも対応できるだろう。オールカマーから中1週ではあるが、間隔を詰めて使うことが上手い矢作厩舎ならむしろプラスに捉えるべきか。

◎ステイフーリッシュ
○シルヴァンシャー
▲パフォーマプロミス
△キングオブコージ
△ダンビュライト

※記事内の個別ラップは筆者が独自に計測したものであり、公式発表の時計ではありません。

ライタープロフィール
坂上明大
元競馬専門紙トラックマン。『YouTubeチャンネル 競馬オタク(チャンネル登録者40000人強)』主宰。著書『血統のトリセツ』。血統や馬体、操法、ラップなどからサラブレッドの本質を追求する。