【サウジアラビアRC】「勝ち馬は1~4番人気」「1月生まれ連対率5割」など 覚えておきたいデータ
門田光生
ⒸSPAIA
大荒れは望みづらいレース
先日行われた神戸新聞杯はダービー馬コントレイルが断然人気に応えて快勝。無敗の三冠達成に向けて好発進を切った。一方で、来年のクラシックに繋がる2歳戦にも熱が入ってくる時期。10月10日(土)に東京競馬場で行われるサウジアラビアRCも、12月の朝日杯FSに向けての大事な一戦だ。
昨年の勝ち馬はサリオス。競馬に「たら、れば」は禁物とはいえ、もしコントレイルがいなければ、こちらが歴史的名馬になっていたかもしれない。生まれた時代が悪かったのだが、切磋琢磨できるライバルがいてこそ自身の能力を高められる側面もある。競馬はハイレベルの混戦が最も面白い。
サリオスに続く馬が今年も出現するのかどうか。このレースの前身であるいちょうSも含め、2008~2019年(1800mで行われた2012、2013年は除く)までの過去10回を参考に傾向を調べてみよう。
まずはこのレースが堅いのか、それとも荒れやすいかどうか。当日の人気をみていくと、1~4番人気が19連対。馬連の平均が約1180円、馬単も2350円で、荒れるレースとはいいづらい。
ただ、3連単に関しては万馬券も出ているので、高配を狙うなら3着馬に人気薄を入れるのがよさそうだ。
手堅くいくなら外枠で
枠順を見ると8枠以外から満遍なく勝ち馬が出ており、その8枠からも2着馬が4頭出ている。一見して枠順の有利不利はないように思えるが、連対馬を3頭以上出しているのは5枠より外ばかり。頭というより軸で考えるなら外枠を選択した方が無難のようだ。
牡馬・セン馬が18連対に対して牝馬は2連対。ただし、これは圧倒的に牡馬・セン馬の方が出走頭数が多いため。開催最終週に同距離のアルテミスSが控えているので、牝馬の出走頭数が少ないのは仕方がないだろう。勝率、連対率でみるとそこまで大きな差はない。
その牝馬だが、馬券に絡んだのは全て新馬勝ち直後、つまりキャリア1戦だったというのは覚えておきたい。また栗東所属馬も同様に、新馬勝ち直後に挑んできた馬が馬券に絡む率が高くなっている。
今回の検証範囲である過去10回で、ダノックスの所有馬はダノンカモン(2008年)、ダノンプレミアム(2017年)と2勝しているが、この2頭以外は出走していない。勝率は何と100%。今年も登録馬がいれば注目していい。
同様にサンデーレーシング【1-2-0-0】、シルクホースクラブ【1-1-2-0】も、出走した馬全てが馬券に絡んでいる。おそらく勝負になる馬だけに絞って出走させているのだろうが、それを見極める眼力には感心するばかりだ。
馬主と同じくディープインパクト産駒も少数精鋭で、5頭が出走して3勝、3着1回。勝率6割は素晴らしい数字。ディープインパクト産駒が出走していれば迷わず「買い」だ。
出走馬の誕生月を見ていくと、1月生まれの馬は10頭が出走して半分の5頭が連対。やはり2歳戦らしく早生まれが有利なようだ。
面白いもので、2月生まれ、3月生まれ、4月生まれと、遅生まれになるほど連対率が下がっていく。5月生まれになると出走した10頭とも連対を外している。現時点での完成度も問われるということになる。
最後に頭数について。前走と同じ出走頭数、もしくは頭数減だった場合と比べて、頭数が増えた場合は勝率、連対率とも大きく下がってしまう。年によって出走数にばらつきがあるレースだが、それなりの頭数にもまれた経験は大事ということか。
いちょうS時代から好メンバーが揃うレースとして定評があったが、一方で早生まれの成績がよく、仕上がりの早さも大事だということも分かった。比較的堅く収まるレースの性質からも、直近のレースで強さを見せた馬を素直に狙うのが正解かもしれない。
《ライタープロフィール》
門田 光生(かどた みつお)
競馬専門紙「競馬ニホン」で調教班として20年以上在籍。本社予想などを担当し、編集部チーフも兼任。現在、サンケイスポーツにて地方競馬を中心に予想・記事を執筆中。
東京開催は11月末まで続きますが、東京の新規感染者は減ったり、増えたりと一進一退。東京開催の最後にジャパンカップが控えていますが、現状のままでは外国馬の参戦は厳しそう。もし事前に外国馬の参戦がなしと決まっていても、賞金やレース名などは変更せずに施行されるのでしょうか。賞金の一部が有馬記念へ回れば、史上最高のメンバーが集まるかもしれませんが…。無理ですね。
おすすめ記事