【オールカマー予想】9頭立てでスローペース濃厚 穴馬ステイフーリッシュに期待
東大ホースメンクラブ
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GⅠ馬回避も波乱は起きず?
9月27日(日)に中山競馬場で行われるオールカマー(GⅡ・芝2200m)。GⅠ・3勝馬フィエールマンの回避によって、今年はGⅠ馬不在の9頭という条件にはなったが、GⅠで2着3回の実績のある牝馬カレンブーケドールや今年の天皇賞・春で3着に好走したミッキースワローを中心に実績馬がスタンバイ。秋のGⅠ戦線に向けて弾みをつけるのは果たしてどの馬か。今週もデータを踏まえて検討していこう。
はじめに、当該レースにおける過去10年の傾向を分析する。
2017年には良馬場で前半5Fが63秒1という古馬GⅡとは思えないほどの通過タイムがマークされ、最もペースが流れた年でも59秒6と、スローペースになる傾向が強いレースだと言える。今年は9頭立てという少頭数に収まっていることもあり、例年通りのスローペースと考えてまず間違いはないだろう。
実際に4角10番手以下から馬券に絡んだ馬は過去10年で1頭もいない。小回り中山が舞台でかつスローな展開となれば、後ろからの馬は苦しい戦いを強いられて当然。展開的にはやはり先行勢に利があると考えたい。昨年の本レースで先手を取ったスティッフェリオ(4番人気)がまんまと逃げ切ったのが記憶に新しいが、今年も先手を取った馬の押し切りに警戒が必要だ。
中長距離での実績を信頼
過去10年では、春の時点で実績を挙げていた馬が堅調。同年の重賞で3着内があった馬となかった馬を比較すると、前者は連対率26%で後者が連対率5%と大きな差が見られる。当然人気にもなるわけだが、やはりここは春の時点で実績を挙げていた馬が中心と言わざるを得ない。
もう少しデータを深掘りしてみると、同年内に行われた距離が2200m~2500mの重賞で3着内に入ったことのある馬だけに限ると【5-3-5-9】で複勝率60%に迫る安定感を維持している。人気どころのミッキースワローやカレンブーケドールなどがこのデータに該当しており、これら中長距離戦の実績馬は素直に信頼してよいだろう。
フィエールマンが熱発で回避というアクシデントがあったものの、データ的には依然として人気馬が盤石。ここは堅い決着と見込んで点数を絞って馬券を組み立てたいところだ。
先行力を生かして粘りこみに期待
本命はステイフーリッシュとする。春の大阪杯では9着に敗れたものの、今年に入ってAJCC2着、京都記念3着、目黒記念3着と中長距離のGⅡを3戦して毎回馬券になっている。AJCCと京都記念はともに道悪で行われたものであり、時計がかかりやすい今の中山への対応にも不安はないだろう。京都記念ではカレンブーケドールに先着されたが、今回こそ粘りこめるとみて狙ってみたい。
対抗はミッキースワロー。GⅠでは前走の天皇賞(春)3着が最高ではあるが、中山だけに限れば3歳時のセントライト記念と今年の日経賞の重賞2勝を含む【3-2-0-3】という好成績。今回の出走メンバーを見渡しても、コース適性は群を抜いており、これ以上低い評価はできない。ただし、道悪で差し脚が鈍る可能性も考慮し、前を捕まえきれない場面も想定しておく必要はあるだろう。
カレンブーケドールは3番手評価としたい。GⅠで2着3回とシルバーコレクターのイメージが強いこの馬だが、馬場・展開・メンバーレベルを問わず上位に来ているのは力の証だろう。もちろん軽視はできないが、昨秋初戦の紫苑Sの3着から秋華賞・JCで連続2着という成績だけを見れば叩き良化型という見方もできるはず。取りこぼしの可能性もあるとみて3番手評価にとどめたい。
頭数を考えるとあまり手は広げられないが、1頭だけ挙げるならジェネラーレウーノを押さえておきたい。実に1年8か月ぶりの実戦ということで、狙うのが躊躇われるところではあるが、3歳時にはセントライト記念を制覇した実績があるので、実力が発揮できれば先行しての粘りこみも十分にありうる。
▽オールカマー予想▽
◎ステイフーリッシュ
○ミッキースワロー
▲カレンブーケドール
△ジェネラーレウーノ
《ライタープロフィール》
東大ホースメンクラブ
約30年にわたる伝統をもつ東京大学の競馬サークル。現役東大生が日夜さまざまな角度から競馬を研究している。現在「東大ホースメンクラブの愉快な仲間たちのブログ」で予想を公開中。
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