【セントウルS予想】1200mで逃げたレースは勝率100% 京大競馬研の狙いは「巨漢の快速3歳馬」ビアンフェ

京都大学競馬研究会

2020年セントウルSインフォグラフィックⒸSPAIA

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若い馬優勢だが6歳以上も馬券に絡む

9月13日(日)に中京競馬場で行われるセントウルS(GⅡ・芝1200m)。重賞5勝馬ダノンスマッシュをはじめ、昨年の高松宮記念優勝馬ミスターメロディ、重賞2勝の3歳馬ビアンフェなど多彩なメンバーが集結した。

秋のGⅠシリーズ開幕戦のスプリンターズSに向けて勢いをつけられるのはどの馬か?今年は京都競馬場改修工事の影響で中京開催であるが、過去のデータも一部参照しつつ予想していきたい。

過去5年の馬齢別成績ⒸSPAIA

まずは過去5年の馬齢別成績を見ていく。勝ち馬を出しているのは5歳以下で、3歳馬が【1-2-1-3】、4歳馬が【2-0-0-7】、5歳馬が【2-2-0-9】となっている。出走頭数がそれほど多くないにもかかわらず連対馬は多く出していることから、若さを重視したいところだ。

とはいえ、6歳以上も3着以内には絡んできており、6歳馬は【0-0-3-23】、7歳以上も【0-1-1-14】とバッサリ切るほどではない。5歳以下の若い馬を中心視しつつも、6歳以上のベテラン勢にも注意を払いたい。

過去5年の3歳馬ⒸSPAIA

また3歳馬について掘り下げてみると、過去5年で3歳馬が出走していた年はいずれも1頭以上馬券に絡んでいる。2014年以前では3歳馬が出走して馬券に絡まない年もあったが、エピセアロームやダッシャーゴーゴーが3歳時に勝利しており、常に目を光らせておきたい。

白熱のサマースプリントシリーズ最終戦

セントウルSはサマースプリントシリーズ最終戦。その上GⅡでもあるのでポイントが高く、逆転の可能性が残されている。現在の暫定トップは14ポイントを獲得しているレッドアンシェル。

今年の出走馬で優勝の可能性があるのはラブカンプー、タイセイアベニール、クライムメジャー、シヴァージ、ノーワンの5頭。

サマースプリントシリーズ優勝条件ⒸSPAIA

ラブカンプーは4着以内なら無条件で確定、5着の場合タイセイアベニールが2着以下ならチャンピオンだ。残りの4頭は1着が最低条件であり、あとはラブカンプーの着順次第となる(なお、同点の馬が複数いる場合は該当する全ての馬が優勝)。多くの馬にまだチャンスが残されており、サマーシリーズ優勝に照準を合わせてきた馬にも要注意だ。

快速の3歳馬ビアンフェに期待

唯一の3歳馬ビアンフェを本命に推す。前走の葵Sでは他馬より重い57キロを背負いながらも前半3Fを33.5秒で飛ばし、最後まで粘り切っており、十分に強い内容だった。

これまで逃げたレースでは【3-1-0-1】、1200m戦では【3-1-0-0】と高い安定感を誇り、1200m戦で逃げたときに至っては【3-0-0-0】のパーフェクトだ。今回は、同型のボーンスキルフルとイエローマリンバがともに回避。スタートは普通でも二の脚が非常に速いため、よほど出遅れない限りこのメンバーならあっさりハナを切れそう。3歳馬優勢のデータがあることに加え、実力も十分に通用するとみての本命だ。

なお、本馬は馬体重が非常に重い馬で、葵Sを勝った時の馬体重は558キロ。現在のJRA重賞における最高馬体重勝利記録はサトノティターンの572キロなので、この記録にどれだけ迫るかも注目されるが、流石に570キロ未満で出てきて欲しいところではある。

対抗はダノンスマッシュ。重賞5勝の実績はここでは格が違い、古馬の中では流石に力が抜けている。3戦して馬券内に入ったことのない中京コースはやや不安材料かもしれないが、ここは能力でカバーできるはず。ビアンフェとの一騎討ちを期待したい。

3番手評価はタイセイアベニール。前走の北九州記念は、ハイペース過ぎたうえに外枠が影響してついていけず、案外な結果に終わった。しかしサマーシリーズ逆転優勝の可能性が残っており、ここは勝負に来ているはず。疲れさえなければ巻き返す可能性は十分にある。

以下、2走前の京王杯SCでスローペースの中、差のない4着まで追い込んできたラヴィングアンサー、末脚は確かで展開がハマれば届きそうなシヴァージ、近走は安定しており、ある程度前の位置を取れるトゥラヴェスーラまで印を回す。

ミスターメロディは、まだ全盛期の頃には戻り切っていない印象。休み明けはあまり走らず、叩いてからのほうが良さそうなので、上位人気に推されるなら軽視したい。
(文:川崎)

▽セントウルS予想▽
◎ビアンフェ
〇ダノンスマッシュ
▲タイセイアベニール
△ラヴィングアンサー
×シヴァージ
×トゥラヴェスーラ
消ミスターメロディ

ライタープロフィール
京都大学競馬研究会
今年で25周年を迎える、京都大学の競馬サークル。馬主や競馬評論家など多くの競馬関係者を輩出した実績を持つ。また書籍やGⅠ予想ブログ等も執筆。回収率100%超えを目指す本格派が揃う。

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