【京成杯AH】スマイルカナは前走馬体減が致命傷、本命候補はもう1頭の3歳馬 ハイブリッド式消去法で占う

八木遊

京成杯オータムハンデデータインフォグラフィックⒸSPAIA

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5つのデータから絞れた馬は?

先週の『新潟記念』は消去を免れた3頭のうちの1頭、ジナンボーが2着に粘ったが、イチ押しのプレシャスブルーは無念のしんがりに敗れた。これで連敗は「6」に伸びてしまったが、『京成杯AH』で嫌な流れを何とか止めたいところだ。

今週も過去10年の『京成杯AH』から複勝率10%未満の「凡走データ」を5つピックアップ。馬券対象から1頭でも多く“消去”して週末の予想に臨みたい。今年の『京成杯AH』ではどの馬が凡走する確率が高いのか、データで迫った。

※特別登録時点のものです。9月7日時点でノーワン、フィリアプーラ、ディープダイバーの3頭が除外対象。

『5歳以上』×『前走から距離延長』★複勝率0.0%★

このレースは3~4歳馬の活躍が目立つ。過去10年でその複勝率は28.9%に上り、5歳以上の17.0%を上回る。5歳以上の馬が前走から距離を延ばしてきた場合、その成績は【0-0-0-28】と、まさにノーチャンス。この条件で最後に馬券に絡んだのは、2008年に2番人気で3着に入ったステキシンスケクンまでさかのぼらなければいけない。

今年このデータに該当したのは前走リステッド勝ちのアルーシャなど3頭。いずれも伏兵的な存在だが、ばっさり消去する。

【今年の該当馬】
・アルーシャ
・ストーミーシー
・ボンセルヴィーソ

『5歳以上』×『父がノーザンダンサー系』★複勝率0.0%★

『5歳以上』の条件をもう一つ追加したい。父がノーザンダンサー系だった場合は、過去10年で【0-0-0-18】。2条件つづけて複勝率0%という、“完璧な”消去データが生まれた。

今年これに該当するのは、ジャンダルムとメイケイダイハードの2頭。ジャンダルムは昨年の3着馬だが、1つ年齢を重ねたことで消去に至った。2つの条件を終えて、19頭中5頭が消えた。

【今年の該当馬】
・ジャンダルム
・メイケイダイハード

『非社台系生産馬』×『前走初角7番手以内』★複勝率8.3%★

現在、JRAに出走馬を送り込む生産牧場は大きく2つに分かれる。社台系とそれ以外だ。ここでいう社台系とは、社台ファーム、ノーザンファーム、追分ファーム、社台コーポレーション白老ファームの4つを指す。

京成杯AHは他の重賞の例に漏れず社台系が強い。非社台の馬は過去10年【4-5-4-72】で複勝率は15.3%。社台系の複勝率26.2%に及ばない。非社台系の生産馬に『前走初角7番手以内』という条件を加えると、【1-1-2-44】で複勝率は8.3%。非社台系を狙うなら、前走で待機策を取っていた馬の方がおすすめだ。

3つ目の条件に合致したのは合計7頭。すでに消去済みの2頭と除外対象の2頭を除くと、エントシャイデン、シゲルピンクダイヤ、ラセットの3頭が新たに該当した。

【今年の該当馬】
・エントシャイデン
・シゲルピンクダイヤ
・(ジャンダルム)
・(ストーミーシー)
・ディープダイバー
・ノーワン
・ラセット

『前走馬体重490kg未満』×『前走馬体重減』★複勝率8.6%★

次は前走の馬体重に注目した。前走で馬体重を減らした馬は過去10年で65頭を数え、その成績は【4-1-4-54】。そのうち490kg以上で出走した馬は【3-1-2-22】で複勝率は21.4%に上る。

しかし前走490kg未満で出走した場合は【1-0-2-32】。複勝率は8.6%で10%未満の消去条件に見事当てはまった。

上位人気が予想されるスマイルカナは前走の米子Sで古馬を撃破し、中山マイルでも2戦2勝。買う条件はそろっているが、4つ目の条件に該当したため泣く泣く消去としたい。

【今年の該当馬】
・(エントシャイデン)
・(シゲルピンクダイヤ)
・スマイルカナ
・トロワゼトワル
・フィリアプーラ
・(ボンセルヴィーソ)

『牝馬』×『今回7番人気以下』★複勝率9.1%★

最後は『牝馬』×『今回7番人気以下』という条件だ。6番人気以上だった牝馬は過去10年で【2-3-0-5】。頭数自体は少ないが複勝率は50.0%を誇る。対して、7番人気以下だと【0-1-0-10】。2011年にアプリコットフィズが7番人気で2着に激走したのが過去10年で唯一の馬券圏内だった。

今年の登録馬19頭のうち牝馬は9頭。4つの条件を終えて残ったアフランシール、アンドラステ、スイープセレリタスの3頭のうちアフランシールとスイープセレリタスは7番人気以下が濃厚。アンドラステはその安定感から6番人気以上は間違いないだろう。

5つの消去データを経て残ったのはアストラエンブレム、ミッキーブリランテ、ルフトシュトロームの3頭。それに5つ目の条件で生き残り確実のアンドラステを加えた4頭で馬券を組み立てたい。現時点では、中山マイル3戦3勝のルフトシュトロームが本命の最有力候補だ。

【ライタープロフィール】
八木 遊
野球兼競馬ライター。スポーツデータ会社やテレビ局の校閲職などを経てフリーに。競馬との出会いはメジロマックイーンが勝った1990年菊花賞。その後、オルフェーヴルに魅了され今に至る。思い出のレースはトウカイテイオーが勝った1993年有馬記念とウイニングチケットが勝った1993年日本ダービー。

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