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【新潟2歳S】ショックアクションの見事差し切り ゴドルフィンのワンツーも明暗を分けたポイントとは

2020/08/31 11:35
勝木淳
新潟2歳S結果インフォグラフィックⒸSPAIA

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新潟2歳S結果インフォグラフィックⒸSPAIA

動き回ったブルーシンフォニー、動かなかったショックアクション

新潟2歳Sは2頭出しのゴドルフィンがワンツーフィニッシュ。1着は2人気ショックアクション、2着は1人気ブルーシンフォニー。一週前の記事に過去10年で8枠3勝、前走新馬・未勝利勝ち、かつ着差0秒6~0秒9差をつけて勝った馬は【2-1-1-6】。登録馬からショックアクションを特注馬にあげた。

特注といっても2人気馬なので騒ぐようなものではない。出走は例年より少ない11頭立て。金曜日に枠順が出てショックアクション8枠、ブルーシンフォニー7枠と決まって予想はすんなり進んだ。データは往々にしてそれだけでは的中を導けないものだが、ときよりデータ通りにきれいに決まるケースがあるので、また騙されてしまう。

傾向といえば、新潟2歳S好走馬はその後スランプに陥ることがある。そこまで大げさでなくても、13年ハープスターは同レースを4角18番手からごぼう抜きで派手な勝利を手にしながら、2歳GⅠは2着。15年ロードクエストは、暮れのホープフルS(当時GⅡ)で単勝1倍台におされて2着。新潟外回りマイル戦のこのレースは予想外に消耗が激しいのかもしれない。

スローペースが多く、後半が早くなりやすいこのレースだが、2020年は前後半800m47秒3-47秒3ときれいなイーブンペース。ハヴァスが逃げ、内からロードマックスが突っかけたことで息が入りにくく、馬場が例年より悪化していることも手伝い底力勝負の形相を呈した。

勝ったショックアクションは、スタートを決め道中では中団の前を追走。最後の直線に向くまで余計な動きをせず、馬場のいい外目からブルーシンフォニーの内へ切りかえ抜け出した。後半800mは12.2-11.7-11.3-12.1と新潟外回りらしく3ハロン連続で加速するラップ。

ブルーシンフォニーはショックアクションの後ろの外目を追走しながら、3角手前でなぜか馬場状態の芳しくないインコースに飛び込み、飛ばすハヴァスら前の組に残られることを警戒してか加速ラップに合わせ順位を上げていき、最後の直線はインからショックアクションの外まで持ち出した。いささか落ち着きなく動きすぎた感は否めない。加速ラップに合わせて動き、最後まで脚色が衰えなければ、正直怪物レベル。最後に失速したのは致し方ない。

道中で動かなかったショックアクション、動いたブルーシンフォニー、1、2着の着差0秒3ほど差はないかもしれないが、最後の600mはブルーシンフォニー34秒8に対しショックアクション34秒1は決定的ともいえる。ゴドルフィン2騎の評価は現状ではなんともいえないところだ。

3着フラーズダルムは、先述のデータの前走0秒6~0秒9差勝ちに該当。こちらは福永祐一騎手が道中ではショックアクションをターゲットに競馬を展開、加速ラップでショックアクションに一旦は置かれながらも最後までしっかり伸びてブルーシンフォニーに迫った。現状では瞬発力勝負では見劣るが、最後までしっかり走るあたりはキズナ産駒らしく、もっとラップ変化が少ない持続力勝負であればもう少しやれそうだ。

ライタープロフィール
勝木 淳
競馬ライター。競馬系出版社勤務を経てフリーに。優駿エッセイ賞2016にて『築地と競馬と』でグランプリ受賞。主に競馬のWEBフリーペーパー&ブログ『ウマフリ』や競馬雑誌『優駿』(中央競馬ピーアール・センター)にて記事を執筆。YouTubeチャンネル『ザ・グレート・カツキの競馬大好きチャンネル』にその化身が出演している。