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【キーンランドC】今年もGⅠ級2頭の一騎打ち!?参考レースから読み解く各馬の「潜在能力」

2020/08/29 11:00
坂上明大
2020年キーンランドCインフォグラフィック

幻のGⅠ馬の快勝

サマースプリントシリーズの第5戦であり、スプリンターズSの前哨戦でもあるキーンランドC。各陣営によって勝負度が異なるため能力比較だけでは予想が難しいが、今年は上位馬がかなり強力な顔ぶれ。参考レースを振り返りながら有力馬の地力を図っていく。

※記事内の個別ラップは筆者が独自に計測したものであり、公式発表の時計ではありません。

函館スプリントSS



【函館スプリントS】
当日の好走馬の直線平均進路は内ラチから4.0頭目でやや内有利のトラックバイアス。ただ、それ以上に直線向かい風方向の強風の影響が強く、時計上は前後半3F33.4-34.1秒の前傾0.7秒だが、数字以上に前半を楽に運んだ先行馬に優しいレースだったといえる。

1着馬ダイアトニックは好ポジションを取れたことは大きいが、トップハンデや着差を考慮すれば額面通りの評価が妥当だろう。今回勝利すればサマースプリントチャンピオンもグッと近づく。高松宮記念でも不利さえなければ勝ち負けになっていたであろう素質馬。ここでは力が違った。

2着馬ダイメイフジはラスト1Fで大きく失速。展開がハマッた感が強い。

4着馬フィアーノロマーノは上がり3Fの個別ラップからもこの競馬ではこれが限界であったか。上がりのかかる競馬なら上昇可能。

6着馬ライトオンキューはドバイ遠征帰り、かつ昨年と異なり栗東での調整。度外視可能。

7着馬エイティーンガールは直線での進路取りに手間取り脚を余す形。追い込み一辺倒なだけにハマり待ちといった印象。穴注意。

外枠有利の千直競馬

【アイビスSD】
開催2日目。早朝に数mmの雨が降ったが、含水率はゴール前13.1%/4角12.9%と影響はほとんどなく、開幕週らしい綺麗な馬場状態で行われた。内外のバイアスはなかったが、新潟芝1000m特有の外枠有利が顕著であり、特に馬場の中腹を走った組は5着のダイメイプリンセスが最先着。傾向通り、圧倒的外有利の競馬であったとみる。

3着馬ビリーバー、4着馬メイショウカズヒメ、7着馬イベリスは2桁馬番から上位入線。それに対して、8着馬カッパツハッチは2枠4番から内々を走っての敗戦。バイアスに反する競馬であり、アイビスSD組では同馬を最上位に評価する。

力の差は歴然

【UHB賞】
Aコースでの開催が4週続き、開幕当初の内枠天国は解消。好走馬の直線平均進路は4.1頭目で内外フラットな馬場状態で競馬が行われた。ペースは前後半3F33.8-35.0の前傾1.2秒だが、風向きも考慮すればこのクラスとしては平均的な流れだったといえるだろう。前後のバイアスもフラットと読む。

1着馬ライトオンキューは過去最高馬体重で太目残り。抑えきれない手応えで直線入口で先頭に立ち、2馬身差の快勝は「強い」の一言だ。ここでは力が違った。

2着馬カッパツハッチは2頭で競り合う形になってしまったが、直線では二枚腰で差し返す勝負根性も見せた。ライトオンキューには手も足も出なかったが、レース内容は高く評価する。

7着馬エイティーンガールはキーンランドCを目標にしての参戦で10キロ増。上積み大。

GⅠ級2頭の一騎打ち

ライトオンキューは、昨年のキーンランドCで直線逆手前ながらダノンスマッシュ、タワーオブロンドンの4着。大舞台への出走が叶っていないが、既にGⅠ級の素質は見せている。ダイアトニックもサマースプリント王者が懸かるだけに、ここは手を抜けないはず。この2頭の叩き合いに期待する。穴はエイティーンガールだ。

▽キーンランドC推奨馬▽
◎ライトオンキュー
○ダイアトニック
☆エイティーンガール

ライタープロフィール
坂上明大
元競馬専門紙トラックマン。『YouTubeチャンネル 競馬オタク(チャンネル登録者40000人強)』主宰。著書『血統のトリセツ』。血統や馬体、走法、ラップなどからサラブレッドの本質を追求することが生きがい。