【新潟記念】「前走GⅢ組7勝」「小倉記念組が5勝」など 当日まで覚えておきたいデータとは

勝木淳

2020年新潟記念インフォグラフィックⒸSPAIA

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穴資格は侮れない7歳馬

夏の新潟掉尾を飾るのは、サマー2000シリーズ最終戦新潟記念。舞台は新潟外回り2000m。向正面直線は約950m、正面直線は約659mと約80%が直線部分という日本では唯一無二のコース。

上がり600mタイムも早いが、前半1000mも曲線部分をほぼ走らないので早くなる。つまり、前半1000mタイム表示はほかの競馬場とは違う尺度でとらえる必要がある。サマーシリーズのラスト、ハンデ戦、クセが強い舞台、毎年ひと筋縄ではいかないレースなわけだが、その傾向についてデータ面から探っていく。

なお、データは過去10年間のものを使用する。まずは気になる人気別成績。

人気順別成績(過去10年)ⒸSPAIA

1人気【2-2-0-6】勝率20%、複勝率40%、なかなか微妙な数字だ。1人気アタマ固定は、危ないものの軸としては機能してくれそうな数字ではある。で、5人気【2-1-0-7】、6人気【2-2-0-6】、5、6人気と1人気はほぼ横並び、それどこから6人気は1人気とまるで同じ数字になっている。

6人気以下は複勝率でみると13人気まではある程度の数字を残しており、かなり手広いアプローチを試みないと的中は遠くなりそうだ。

年齢別成績(過去10年)ⒸSPAIA

つづいて年齢別成績。3歳の1勝は記憶に新しい18年ブラストワンピース。出走数の低さから数字は高いが、ダービーで上位人気に支持されるようなレベルでないと苦しいのでは。

そうなると、主力は4歳【2-3-2-18】勝率8%、複勝率28%、5歳【4-3-4-36】勝率8.5%、複勝率23.4%あたりでよさそうだが、7歳【2-2-2-24】勝率6.7%、複勝率20%がどうにもクセモノだ。

3着以内にきた6頭は10、9、7、6、9、13人気で2、2、1、1、3、3着。このうち1、2着にきた4頭は前走が小倉記念、函館記念、七夕賞とサマーシリーズ転戦組だった。前走サマーシリーズ出走の7歳馬は買い目に残しておこう。

斤量別成績(過去10年)ⒸSPAIA

これは53.5キロ以上【9-10-8-99】、53キロ以下【1-0-2-33】と明暗くっきり。ハンデ戦は斤量を背負った組を買えという格言通り、55.5~57キロ【4-7-4-36】とGⅢであれば実績的に問題なしと評価される馬が強い。

枠番別成績(過去10年)ⒸSPAIA

つぎに枠番別成績。はっきり枠順に偏りはなさそうながら、8枠【1-1-0-25】勝率3.7%、複勝率7.4%など外枠は若干数字が落ちる。1枠は3勝あげているが、2、3着はゼロと極端。複勝率だと3枠38.9%、4枠31.6%が上々。4枠は2勝で勝率も10.5%とトップ。

冒頭に書いたが、新潟芝外2000mは直線部分が約8割を占める。前半の約950mは向正面部分なので、外枠の馬が内に入れずに折り合いにくい。ほかの競馬場ではコーナーを走ることで隊列が伸び、みんな距離ロスを避けようと内側に入るため、外枠の馬が内側に入るスペースを見つけやすい。

だが、新潟芝外2000mは一直線のため隊列がバラけにくく、横並びでレースが進みがち。外枠は壁を作りにくくなる。要因はこのあたりだろうか。

狙うなら小倉記念で中団から競馬した馬

さらに掘り下げるべく前走クラス別成績を出してみる。

前走クラス別成績(過去10年)ⒸSPAIA

数が多いので確率的には目立たないが、前走GⅢ組【7-7-8-83】に注目する。10年で7勝2着7回3着8回、ほとんどが前走GⅢ組、プラスしてブラストワンピースに代表される前走GⅠ組【2-1-0-11】を押さえればほぼ網羅といっていい。

前走GⅢ組の前走レース別成績(主要レースのみ、過去10年)ⒸSPAIA

では、GⅢ組は具体的にどんなレースからくる馬がいいのか。レース別成績を調べると、前走小倉記念組が【5-2-5-26】が頭数と確率のバランスを考えれば主要といえる。

サマーシリーズの本州ラウンドは七夕賞→小倉記念→新潟記念。これがストレートに結びつく。では小倉記念組に注目。

前走小倉記念組の前走着順別成績(過去10年)ⒸSPAIA

小倉記念掲示板以内だった馬は、【3-0-2-15】なので好走馬が新潟記念でつづけて走る傾向は確かにある。この組は自然と上位人気に押されるわけだが、無理に逆らうのはオススメしない。しかしながら6~9着【2-1-3-8】勝率14.3%、複勝率は42.9%もあり小倉記念敗退組も侮れない。

10着以下も数は少ないが【0-1-0-2】。敗退組は小回りの小倉芝2000mの小倉記念から、ほとんどが直線になる新潟芝外2000mに変わることで適性がひっくり返って好走する可能性が高い。小倉記念のレースVTRを見直し、それ以前の戦歴を調べ新潟替わりで一変しそうな馬を探すと、おいしい馬券にありつけそうだ。

前走小倉記念組の前走脚質別成績(過去10年)ⒸSPAIA

小倉記念でどんな競馬をした馬が好走するのか。

脚質別の成績をみると、小倉記念で中団から競馬した馬が【5-2-1-13】と圧倒的。小倉記念組全体が【5-2-5-26】だから小倉記念で中団から競馬をした馬はまずおさえたい。

ライタープロフィール
勝木 淳
競馬ライター。競馬系出版社勤務を経てフリーに。優駿エッセイ賞2016にて『築地と競馬と』でグランプリ受賞。主に競馬のWEBフリーペーパー&ブログ『ウマフリ』や競馬雑誌『優駿』(中央競馬ピーアール・センター)にて記事を執筆。YouTubeチャンネル『ザ・グレート・カツキの競馬大好きチャンネル』にその化身が出演している。

2020年新潟記念インフォグラフィック

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