【レパードS】過去10年で3着以内好走馬の46.7%が4角3番手以内 3戦3勝のライトウォーリアとのコンビで岩田望騎手が重賞初Vに挑む

東大ホースメンクラブ

レパードS4角通過順別インフォグラフィックⒸSPAIA

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前残りに警戒

8月9日(日)に新潟競馬場で行われるレパードS(GⅢ・ダート1800m)。3歳ダート界の今後を担う精鋭15頭が真夏の新潟に集結した。

ユニコーンS2着の実績が光るデュードヴァンを中心に、前走でダート戦線に矛先を転じた超良血馬ラインベック、GⅠ9勝馬エスポワールシチーの半弟ミヤジコクオウなどが注目を集めるなか、重賞タイトルを手にするのは果たしてどの馬か。今週もデータを踏まえて検討していこう。

はじめに、当該レースにおける過去10年の傾向を分析する。

レパードS・過去10年 1~3着馬の4角順位ⒸSPAIA



1コーナーまで距離があるコース形態のため序盤の先行争いが激化しやすく、全体的に前傾ラップの傾向が強いレースといえる。しかし、急カーブのコーナー4つというコース形態のため、中盤以降はペースが案外落ち着く場合も多い。過去10年で馬券になった馬のうち46.7%が4コーナーで3番手以内の位置を取っており、平坦な直線で前がなかなか止まらないという場面もよく見られるようだ。

昨年こそ前半が速く、流れすぎたことで差し馬の台頭が見られたが、それ以前は2018年のグリム(5番人気1着)や2017年のサルサディオーネ(12番人気2着)をはじめ逃げ・先行勢の好走が目立っていた。ここ3年だけでも三連単が80万、67万、27万と高配当をつけている波乱傾向の強いレースでもあるので、人気薄でも好調の先行馬を中心に手広く買い目に入れるべきだろう。

外枠先行勢が狙える

過去3年の新潟ダ1800m枠番別成績ⒸSPAIA



続いて、過去3年の枠番別成績について確認しよう(15頭立てのレースに限る)。全体的にそこまで大きな偏りはないのだが、複勝率ベースでは内の1~3枠の成績は16.0〜17.3%ともう一息といった印象を受ける。小回りの舞台で内枠の方がスムーズに先行しやすいようにも思われるが、先述したように第1コーナーまでが長いため、真ん中から外目の枠でも位置を取りやすいということだろう。先行勢は枠にこだわらず狙いたい。

長かった梅雨が明けていよいよ夏本番という感じがするこの頃だが、本記事の執筆時点で週末の新潟は雨予報。今年は例年と比べて馬場が渋ることが多かったようだが、そんななかでも脚抜きの良い馬場への適性は一つカギとなりそうだ。

鞍上の初重賞制覇に期待

本命にはライトウォーリアを推奨する。未勝利、1勝クラスと連勝して臨んだ伏竜Sで惨敗を喫するなど、安定感に欠けるところを見せていたが、休み明けの前走では2勝クラスの古馬を相手にキッチリ勝利。着実に成長を遂げていると考えたい。渋った馬場で結果を出している点も好印象だ。特に岩田望騎手とのコンビでは3戦3勝と相性抜群であり、同騎手の初重賞制覇も十分に期待できるだろう。

対抗はミヤジコクオウ。前走のJDDでは5着に敗れたが、早い段階で鞍上が促すかたちでの大敗で明らかに地方の砂が合わなかったように思われる。前走JDD組はこのレース過去10年で【5-2-3-13】と結果を残しているし、巻き返しは十分に期待できる。2走前の鳳雛SではJDDワンツーの2頭を下しているし、中央のダートなら力は上位だ。

人気が予想されるデュードヴァンは3番手評価にとどめたい。ユニコーンS2着をはじめ、実績はメンバー中で最上位。しかし、過去10年のユニコーンSで5着以内の馬のうち本レースで馬券になったのは9頭中1頭にとどまっており、レースとしてのリンクはあまり強くはないようだ。この馬自身もダート戦ではワンターンの東京マイルしか経験がなく、小回りコースへの対応は課題の一つだろう。過信は禁物と考えたい。

4番手にはタイガーインディを推したい。古馬を相手に1勝クラス、2勝クラスを連勝しての重賞初挑戦となる本馬だが、いちばんの持ち味はやはり1400m戦でも先行できる出脚の良さだ。2Fの距離延長には確かに疑問符が付くのだが、前残りの展開になれば台頭は十分見込めるだろう。

以下、フレイムウィングスとブランクチェックのゴドルフィン勢2頭は前につける脚があるため、まずは押さえておきたい。その他には過去1年のローカルのダート戦で複回収率155%と好調の幸騎手を鞍上に配してきたメイショウダジンあたりも怖い存在だ。ラインベックの前走は砂を被ることなくスローで楽に逃げ切ったという印象であまり過大評価はしたくないが、まだ底は見せていないため相手には入れておくことにする。

▽レパードS予想▽
◎ライトウォーリア
○ミヤジコクオウ
▲デュードヴァン
△タイガーインディ
×フレイムウィングス
×ブランクチェック
×メイショウダジン
×ラインベック

《ライタープロフィール》
東大ホースメンクラブ
約30年にわたる伝統をもつ東京大学の競馬サークル。現役東大生が日夜さまざまな角度から競馬を研究している。現在「東大ホースメンクラブの愉快な仲間たちのブログ」で予想を公開中。

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