【クイーンS】「3角5番手以下、4角5番手以内」の単勝回収率は224% 夏に強いリープフラウミルヒが今回は熱い

京都大学競馬研究会

クイーンSインフォグラフィックⒸSPAIA

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4角5番手以内だった馬の単勝回収率は115%

先週のアイビスサマーダッシュは割と堅い決着となったが、今年の夏競馬は波乱となることも多く、穴党の方にとっては、楽しい週末になっているかもしれない。「夏競馬は格より調子」と言われるように、夏に調子の上げてくる馬や北海道の特殊な洋芝を得意とする馬などにも注目したい。では、今週行われる重賞であるクイーンSの予想をしていこう。

以下のデータは、クイーンSが行われる札幌芝1800m(3勝クラス以上)において、4角の位置別の成績をまとめたものである。

札幌芝1800m4角位置別の成績ⒸSPAIA


4角5番手以内の馬の成績は、勝率14.9%、連対率25.4%、複勝率33.6%、単勝回収率115%、複勝回収率101%である。それに対して、4角5番手以下の馬の成績は、勝率2.5%、連対率9.6%、複勝率17.2%、単勝回収率39%、複勝回収率64%と、圧倒的に4角では5番手以内にいたほうが有利というデータが見られた。競馬は基本的に先行有利であるので、これは頷ける。

3角、4角ともに5番手以内だった馬の単勝回収率は73%

しかし注目したいのは、札幌芝1800m(3勝クラス以上)において、4角5番手以内だった馬の3角通過順をまとめたデータ。

札幌芝1800m4角5番手以内だった馬の3角位置別の成績ⒸSPAIA

4角5番手以内の馬のうち、3角5番手以内を通過していた馬の成績は、勝率12.7%、連対率22.7%、複勝率28.2%、単勝回収率73%、複勝回収率94%だった。それに対して、3角5番手以下の馬の成績は、勝率20.6%、連対率35.3%、複勝率52.9%で、単勝回収率224%、複勝回収率150%と、3角で後方にいた馬の成績の方が優秀であった。

これは札幌芝1800mが、東京や阪神といった主要なコースに比べて直線が短く、道中の仕掛け所が重要となるレースであるということと関係している。言い換えると、「コーナーでの加速のうまさが求められるコース」だということ。また今回は、前に行きたい馬が多いのでペースが速く、上がりが掛かる展開になると予想する。そうしたことからもコーナーでの加速がうまく、早めから動ける差し馬を狙いたい。

本命は、得意条件がそろった穴馬

◎リープフラウミルヒ
この馬の過去の成績を見ると、先述したコーナーで動ける差し馬に該当する。例えば、昨年の8月に札幌で勝利した藻岩山特別では、道中早めに仕掛けていく競馬をしていた。また、この馬が馬券圏内に好走した10戦全てが、4月から8月までに集中しており、暖かい季節が得意だということが分かる。加えて、馬券圏内になった10戦中の9戦が東京、福島、札幌、新潟と急坂コース以外でのものである。前走のマーメイドS(11着)は、苦手な急坂コースだったということや、直線馬群が縦長の展開の中、後方からの競馬となったので、位置取り的にも厳しい展開だった。そうした理由から、前走の結果については度外視してもいいだろう。手ごろな人気で買えそうなので推奨する。

○フェアリーポルカ
重賞2連勝中で、直線が長いコースよりも、小回りコースを得意とする馬。今回はタガノアスワド、モルフェオルフェ、コントラチェックなど逃げ先行馬が多く、終盤上がりが掛かりそうな展開になりそうで、この馬の持ち味が活きそうだ。約3か月半の休養明けだが去年、休み明けの紫苑Sで走れている点からも問題ない。

▲タガノアスワド
この馬も夏に調子を上げてくる逃げ馬である。今回は、先行馬がかなり多いが、前走のマレーシアC(1着)のような消耗戦の方が向くタイプ。逃げ先行馬が多いときは馬群が縦長になり、直線馬群も縦長になる可能性がある。ペースは速いが、位置取りの有利を取ることが出来る可能性があるので、逃げ馬の中ではこの馬を選出したい。

△スカーレットカラー
昨年の府中牝馬ステークス(1着)は、ハイレベルなメンバーの中、好時計で尚且つ上がり3F33.2という末脚を発揮し、現役牝馬トップクラスの実力を見せた。不器用なところがあるので、札幌芝1800mがベストのコースとは言えないが、今回は、逃げ先行馬がかなり多く、ペースが上がると予想するので、漁夫の利を得て、差し切れるケースが考えられるので押さえておきたい。

△サムシングジャスト
前走の初音S(1着)の競馬からも、後方から早めに動くことのできる差し馬。上がりのかかる展開は得意そうで、コース適性や先行馬がやりあってバテ差しが決まりそうな展開にもなりそうなので十分チャンスはある。
(文 ケータロー)

【2020クイーンS予想】
◎リープフラウミルヒ
○フェアリーポルカ
▲タガノアスワド
△スカーレットカラー
☆サムシングジャスト

《ライタープロフィール》
京都大学競馬研究会
今年で25周年を迎える、京都大学の競馬サークル。馬主や競馬評論家など多くの競馬関係者を輩出した実績を持つ。また書籍やGⅠ予想ブログ等も執筆。回収率100%超えを目指す本格派が揃う。

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