【クイーンS】同年の福島牝馬S好走馬の単勝回収率は361%　フェアリーポルカにとっては視界良好

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差しやマクリが決まりやすい

8月2日（日）に札幌競馬場で行われるクイーンS（GⅢ・芝1800m）。フルゲート14頭という条件ながら実績馬と上がり馬を問わず個性豊かなメンバーがそろった。

牝馬重賞を連勝中のフェアリーポルカや昨年2着の実績があるスカーレットカラーらが人気の中心と目されるなか、夏の女王の座に就くのは果たしてどの馬か。今週もデータを踏まえて検討していこう。

はじめに、当該レースにおける過去10年の傾向を分析する。

ローカルの競馬場はしばしば「平坦・小回り」と一言でまとめられがちだが、特に札幌コースに限って言えばこれは不正確である。札幌競馬場は4つのコーナーの半径が他と比べて大きく、全体が「円形に近い」形状をしているのが大きな特徴。コーナーでスピードを落とさずに曲がれるため、直線が短いわりには差しやマクリが決まりやすい点に注意したい。

このレースに関しても、3着内馬の43.3％にあたる13頭が4角5～9番手から運んでおり、好位～中団でレースを進めた差し馬の活躍が目立っている。

今年は3歳勢こそいないものの、重賞戦線での実績馬と上がり馬が入り混じり、メンバーは例年と同様に多彩な顔触れとなっている。過去10年では前走3勝クラスの馬が【2-1-3-20】で複勝回収率113%を記録しており、実績馬ともおおむね互角の勝負を演じている点に留意しておきたい。

福島牝馬S組と中山牝馬S組は買い

続いて、過去5年の枠番別成績を確認しよう。全体的な傾向としては内目の枠が若干有利となっているが大きな差はなく、フルゲート14頭出走のレースに限れば1～4枠と5～8枠で複勝率に大きな差もない。開催序盤で馬場状態に大きな変化もないことが予想されるので、枠順にこだわる必要はないと考えたい。

牝馬重賞での実績馬が複数出走しているなかで取捨が問われる一戦だが、特に注意したいのが福島牝馬S組と中山牝馬S組だ。

掲示板に載った馬が本レースでそれぞれ複勝回収率141%、116%を記録しており、該当する馬は積極的に狙うべきだろう。一方でマーメイドSの好走馬に関してはもう一息といった印象であり、評価は据え置くのが妥当と見る。

3連勝に期待

人気が予想されるが、本命はフェアリーポルカとしたい。先ほど述べた中山牝馬S・福島牝馬Sと連勝しており、まさに満を持しての参戦といった印象を受ける。

ルーラーシップ産駒は過去5年のこのコースで複勝率48%と、ディープインパクト産駒を超える良績を残している点も評価できるポイントだ。初めての斤量56kgと洋芝も問題にならないと見て、軸に据える。

2番手は少しひねってサムシングジャストを推したい。今年の2月に3勝クラスの初音Sを勝利してからここが5か月半ぶりのレース。当該レースでは、のちにマーメイドSを制覇するサマーセントや本レースにも出走するリープフラウミルヒらを下しており、地力は十分通用するはず。ローカルでの実績には乏しいが、いわゆる「小回り」とは異なる札幌ということで、ここでこそ狙ってみたい一頭だ。

3番手にはビーチサンバ。近走は出遅れて前に届かなかったり、内を突いたもののジリ脚になって敗れるなど、なかなか勝ち味に遅い印象が強いが、昨年のクラシックから重賞戦線で善戦を続けており、1勝馬ながら地力は確かだ。今回はメンバー的に前半からペースがある程度流れそうだし、前を見ながら上手く立ち回れれば十分上位を狙えるだろう。

4番手にスカーレットカラー。前走のヴィクトリアマイルでは15着と大敗を喫したが、もともとスタートが鋭いタイプではない本馬にとって、高速馬場の府中マイルはやはり忙しかったという印象。しっかり脚を溜められれば伸びてくるだけに1800mに替わるのは間違いなくプラスだし、何といっても昨年2着の実績は評価すべきだろう。

以下、福島牝馬Sで2着に好走したリープフラウミルヒと、前走重馬場で力を出し切れなかったシャドウディーヴァまで押さえておくことにする。なおルメール騎手鞍上のコントラチェックは、どうしてもレース運びに注文が付くタイプであり、他に先行脚質の馬も多いことから今回は静観することにしたい。

▽クイーンS予想▽
◎フェアリーポルカ
○サムシングジャスト
▲ビーチサンバ
△スカーレットカラー
×リープフラウミルヒ
×シャドウディーヴァ

《ライタープロフィール》
東大ホースメンクラブ
約30年にわたる伝統をもつ東京大学の競馬サークル。現役東大生が日夜さまざまな角度から競馬を研究している。現在「東大ホースメンクラブの愉快な仲間たちのブログ」で予想を公開中。