【レパードS】「馬体重500キロ以上」はマイナス、「逃げ馬」は案外な成績 当日まで覚えておきたいデータ 

勝木淳

2020年レパードSデータインフォグラフィックⒸSPAIA

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大型馬は勝ちきれない

3歳ダート戦線はダートグレード競走が補完しているものの、JRAの世代限定ダート重賞は6月ユニコーンSと8月レパードSの2レースのみ。7月の大井JDDを挟む形になっており、このふたつは意味合いが異なる。JDDの前哨戦とアフターJDD、レパードSはこの秋、古馬に挑戦する馬たちのための賞金加算の場である。

ダートのA級馬といえば、そろいもそろって大型馬ばかり。500キロ以上の馬が活躍する場でもある。ところがレパードSは成長途上の3歳馬同士であるからなのか、勝ち馬は大型馬とは限らない。なおデータは過去10年間のものを使用する。

馬体重別成績(過去10年)ⒸSPAIA

500キロ以上をまとめると【2-5-4-39/50】勝率は4%、複勝率22%。10年で2勝はダート重賞としては少ない印象。複勝率22%は悪くはないので、500キロ以上の大型馬は勝ちきれないがそこそこ走るということだろう。

細かくみると、540キロ以上の超大型馬は【0-1-2-2】複勝率60%だが、頭数は10年で5頭、ダート馬の完成は芝と比べると遅いというが、馬体重はそれを示す。

520~538キロは【1-2-1-10】複勝率28.6%。連軸探しは大型馬から探すほうが早いかもしれない。460~478キロ【4-0-1-26】、480~498キロ【2-3-3-40】なので460~498キロで6勝、単勝の狙いはダート重賞としては低めのところに設定しておきたい。

新潟で猛威をふるう関西馬、レパードSでは……

レパードSに限らず、オリンピックシフトによる新潟、札幌の2場開催の影響は自ブロック制を撤廃した新潟で大きい。2回新潟開幕週は美浦所属馬7勝、栗東所属馬17勝と倍以上の開きとなった。

もとより新潟は輸送の利便性が高い関西馬が強い競馬場だが、自ブロック制がないとこうも開いてしまう。ではレパードSはどうなのか。

東西別成績(過去10年)ⒸSPAIA

美浦【4-2-4-52】勝率6.5%、複勝率16.1%、栗東【6-8-6-62】勝率7.3%、複勝率24.4%とそうでもない。ただ馬券圏内に来た馬は過去10年30頭の内訳は美浦10頭、栗東20頭なので関西馬は優勢だが、関東馬にも印を回しておかないと3連系馬券は的中が遠のいてしまいそうだ。

なお関東馬と関西馬の前走着順別成績は以下の通り。

美浦所属馬の前走着順別成績(過去10年)ⒸSPAIA
栗東所属馬の前走着順別成績(過去10年)ⒸSPAIA

関東馬は前走で6着以下に負けた馬の巻き返しが目立ち、関西馬は前走好走馬から惜敗組、凡走馬までまんべんなく分布。ここは押さえておきたい。前走1着の関東馬は【0-1-2-15】、同2着馬は【0-1-0-5】。

前走1着馬の関西馬は【1-4-2-29】、同2着馬【2-2-0-3】。前走好走の関東馬はやや評価を落とし、関西馬は評価するといった具合だ。

前走逃げた馬の取捨は前走着順にあり

最後に前走脚質別の成績をみる。

前走脚質別成績(過去10年)ⒸSPAIA

逃げ【1-3-1-20】勝率4%、複勝率20%と前走逃げた馬が有利とは限らないのは意外だ。

今年の開幕週も含む過去10年間の夏の新潟ダート1800mで前走逃げた馬は【30-20-20-227】勝率10.1%、複勝率23.6%。馬券圏内に残る確率は同じぐらいであるが、勝率はレパードSが低い。前走逃げた馬の扱いは慎重にいきたい。

前走逃げた馬の前走着順別成績(過去10年)ⒸSPAIA

前走逃げた馬はそのレースで好走していることが絶対条件。前走1着【0-2-1-11】、前走2着【1-1-0-0】だが、前走3着馬は出走なし、前走4着以下は【0-0-0-9】とさっぱり。逃げて好走できなかった馬の好走、いわゆる逃げ馬は大敗後に狙えという格言はレパードSではデータ上否定されてしまう。

逃げて好走した馬は狙い、凡走した馬は消す。シンプルでわかりやすい傾向ではある。ちなみに前走脚質でいえば先行【4-6-4-41】、中団【4-1-3-40】あたりが狙えそうだ。

ライタープロフィール
勝木 淳
競馬ライター。競馬系出版社勤務を経てフリーに。優駿エッセイ賞2016にて『築地と競馬と』でグランプリ受賞。主に競馬のWEBフリーペーパー&ブログ『ウマフリ』や競馬雑誌『優駿』にて記事を執筆。YouTubeチャンネル『ザ・グレート・カツキの競馬大好きチャンネル』にその化身が出演している。

2020年レパードSデータインフォグラフィック

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