【アイビスSD】「千直3着以内がない馬は複勝率10%」と好走経験が大切 京大競馬研は「千直の王」ライオンボスを信頼

京都大学競馬研究会

2020年アイビスサマーダッシュインフォグラフィック

ⒸSPAIA

千直実績は参考になる

7月26日(日)に新潟競馬場で行われるアイビスサマーダッシュ(GⅢ・芝直線1,000m)。今年は千直が得意な馬が多く集まり、連覇を目指すライオンボス、2018年の優勝馬ダイメイプリンセス、今回と同じ芝1000mで2勝を挙げているジョーカナチャンなど、楽しみなメンバー構成となった。JRAで唯一となる直線競馬で行われる重賞について、過去の傾向も踏まえながら予想していきたい。

まずは、過去10年で3着以内に好走した馬の新潟芝1000mの実績について見ていく。

過去10年のアイビスサマーダッシュ3着以内馬の千直実績

過去10年の勝ち馬のうち、7頭は同舞台での勝鞍があった。逆に千直経験はあるが、3着以内に入ったことのない馬は30頭中3頭とわずか10.0%しかいない。これらの3頭は、GⅠで3着となった経験や重賞での好走実績があったので、千直経験はあるものの好走していない馬は狙いづらい。

千直実績がない3着内馬の特徴

また千直経験が一度もない馬は、過去10年で9頭が3着以内に入っているが、これらの馬は重賞好走実績またはダート戦での勝鞍があった。1000mということで当然スピードが必要であるが、テンからペースが速くなりがちなので、そのまま押し切るパワーや重賞で好走できる地力が必要になってくることが原因だろう。直線競馬が初めての馬の中では、スピードとパワーを兼ね備えた馬に注目したい。

やはり外枠が有利だが

次に枠順別成績について見ていく。

過去10年の枠順別成績

周知のとおり、外枠が有利であり、そうした傾向はアイビスサマーダッシュでも出ている。特に8枠は【4-2-1-17】と勝率16.7%、連対率は25.0%と高い好走率を誇る。しかし意外なのが、2枠の成績も【2-2-2-11】で勝率11.8%、連対率23.5%、複勝率35.3%と好走率が高いということ。アイビスサマーダッシュは開幕週に行われるため内側もそれほど荒れていないということなのだろう。

しかし、2枠で好走した馬のうち、逃げ馬はフォーエバーマークのみ。流石に内枠から外に持ち出しながら逃げるのは厳しいということが見受けられるが、差し馬が内枠に入ったときは、狙ってみると妙味があるかもしれない。

ライオンボスより速い馬はいるのか

今年はテンの速い快速馬が多く揃っており、枠の並びが非常に重要になってくる。過去のレースを見る限り、ライオンボスはスタートして一気に外に寄せていく可能性が高く、ライオンボスより外枠で出足の遅い馬は挟まれて進路がなくなる危険性が高い。例として、昨秋のルミエールADでは、カッパツハッチやクールティアラがその影響を受けた。

今回のメンバーでライオンボスと同等の速さがあるのは、ジョーカナチャンくらいしかいない。そうした理由からも、それ以外の逃げ馬でライオンボスより外枠になった馬にとっては、嫌な並びだと言えるので評価を下げ気味にしたい。

本命はライオンボス

以上を踏まえて、本命はライオンボス。言わずと知れた千直王者であり、この舞台では【4-1-0-0】とパーフェクト。他のコースでは全く結果が出ていないので、ここしか買うところはない。斤量57㎏も大いに魅力的であり、そうそう崩れることはないとみて逆らわず本命とする。

対抗はジョーカナチャン。この馬も千直は【2-1-0-1】と得意にしており、何よりライオンボスと並ぶスピードを持っている。前走の韋駄天Sでは、ライオンボスにアタマ差まで迫っており、かなり力をつけている。充実した今ならライオンボスと好勝負になるはずだ。

3番手はダイメイプリンセス。この馬も千直適性が高く、夏場に調子を上げるタイプでもある。この馬は差し馬なので、進路を探しやすい中枠となったのも好材料。一発があってもいいだろう。

以下、内枠を引いてスムーズに運べそうなカッパツハッチとナランフレグ、初芝の前走が好内容で千直も合いそうなアユツリオヤジ、ライオンボスより外に入ったのが懸念材料だが、この舞台は合いそうなゴールドクイーンまで印を回す。

ラブカンプ―はさすがに斤量が56kgと重く、1枠に入ってしまったので今回は見送りとする。

買い目としては◎の1頭軸3連複で勝負したいが、配当が付かないなら◎1着固定の3連単にしてもよいだろう。
(文:川崎)

▽アイビスサマーD予想▽
◎ライオンボス
〇ジョーカナチャン
▲ダイメイプリンセス
△カッパツハッチ
×ナランフレグ

《ライタープロフィール》
京都大学競馬研究会
今年で25周年を迎える、京都大学の競馬サークル。馬主や競馬評論家など多くの競馬関係者を輩出した実績を持つ。また書籍やGⅠ予想ブログ等も執筆。回収率100%超えを目指す本格派が揃う。

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