【中京記念】本命はギルデッドミラー?ケイアイノーテック?ラスト1Fから見える可能性!レース分析から読み解く各馬の「潜在能力」

坂上明大

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数字以上の前有利バイアス

【NHKマイルC】
週中の降雨の影響なく、引き続き東京競馬場らしい高速馬場での開催。ペースは34.1-34.5と同レースとしては平均ペースだったが、高速馬場に加えて、直線向かい風方向の強風が吹き続けていたため時計ほど前半は速くなく、結果、道中で1、2番手を走った2頭のワンツー決着という「前有利」の競馬となった。

2020年NHKマイルCトラックバイアス

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3着馬ギルデッドミラーも好位のインで運んで、直線で馬群を割る形。スムーズな競馬ができない馬が多かった中、本馬は比較的ストレスの少ない競馬ができており、個別ラップからも4、5着馬との逆転はあっても、上昇は望みづらい結果ではあった。

15着のプリンスリターンは終始暴走気味で競馬にならず。今回も折り合いが課題だろう。成長期の3歳馬だけに成長力には要注意。走法を考慮すると、スローペースならギルデッドミラー、ハイペースならプリンスリターンに妙味があるか。

上位馬逆転可能?

【安土城S】
元々、外有利の傾向が続いていた状態で雨が降り、さらに内が荒れてしまった馬場状態。この日の好走馬直線平均進路は内外回り含めて8.2頭目。外回りに限っては9.4頭目と相当外寄りのバイアスが強かったように思う。

ただ、騎手もその傾向は把握しており、全体に内を避けての競馬が続き、同レースもほとんどの馬が外目に進路を取った。展開から内に進路を取らざるを得なかった馬は加点が必要だが、それ以外はむしろ中間部を走った馬に展開が向いたと見ていいか。

ペースは35.0-34.7の後傾0.3秒、さらには直線向かい風で競馬でもあり「前有利」の競馬であった。1着馬エントシャイデンはラチ沿いの中団を追走し、直線はスムーズに外へ。ラスト1Fはメンバー中最速でもあり、十分評価できる勝ちっぷりであった。

ただ、5着馬ロードクエストとの比較では、同馬がゴール前で挟まれてやや減速しているだけに、ハンデ差も考慮すると力差はほぼないとみるべきか。

8着馬ラセットは良馬場希望、12着馬リバティハイツは内枠希望。

進路取りのスムーズさが鍵

【米子S】
週中に降った雨が残ったままの開催となったが、馬場の傷みはそれほど見られず引き続き「内有利」のトラックバイアス。好走馬の直線平均進路は前日が5.2頭目、当日は4.9頭目と数字にも現れている。

2着馬ラセットはラスト1F11.6秒程度としっかり失速してはいたが、進路取りにやや苦労する面があり、ゴール前の勢いの通りさらに短縮できた可能性は高い。

3着馬ミッキーブリランテは一度はラセットと横並びになりながらも、進路取りはコチラの方がスムーズ。それでいてラスト1Fで0.2秒差をつけられているだけに、同じ条件下での逆転は望み薄か。

12着馬ハッピーアワーは大外から追い込んだ分、トラックバイアスの不利はあったが…。

ハイペース&雨予報

ギルデッドミラーの本命予定で原稿を準備していたが、ピッチ走法の同馬にとっては外過ぎる枠を引いてしまった。

そこで本命は◎ケイアイノーテック。4~2走前は展開不利のなか上位の上がりを使っており、前走は超ハイレベルの安田記念で5着と復調気配。最終追い切りでは時計のかかった水曜栗東坂路で上がり1F最速タイも計時している。

極端な馬場悪化は避けたいが、トロワゼトワルが引っ張る引き締まったらラップは大歓迎。久々の勝利に期待する。

◎ケイアイノーテック

ライタープロフィール
坂上明大
元競馬専門紙トラックマン。『YouTubeチャンネル 競馬オタク(チャンネル登録者40000人弱)』主宰。著書『血統のトリセツ』。血統や馬体、走法、ラップなどから目の前のサラブレッドの本質を追求することが趣味。

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