【中京記念】前走の敗因は明確 京大競馬研究会が本命に推すタフな馬場をこなせる馬とは?

京都大学競馬研究会

中京記念インフォグラフィックⒸSPAIA

ⒸSPAIA

軽斤量の人気馬は危険!?

夏競馬もいよいよ本番に入ってきたが、連日の雨で予想に苦戦している人もいるのではないだろうか。しかし、予想の仕方次第では、おいしい馬券にもありつけることもあり、それが夏競馬の面白さである。

今週、予想するのは中京記念。例年と異なり阪神競馬場で行われる。頭数も18頭で難解なレースだが、しっかりと予想していきたい。まず、ハンデ戦ということで、斤量に関する情報を示しておきたい。次のデータは、2014年からの1600m戦のハンデ戦において1~3番人気だった馬の斤量別の成績である。

1600mハンデ戦の斤量別成績(2014~)ⒸSPAIA


49.5~51キロの軽量を背負った1~3番人気の馬の勝率、連対率、複勝率が0%と全く馬券内に来ていない。一方で55.5~57キロを背負った馬の勝率は22.0%、連対率41.7%、複勝率54.5%と好調だ。このことから、斤量が魅力で人気している馬には注意したいところだ。

今回は1番人気想定のギルデッドミラーが51キロを背負うことになり、厳しいデータとなっている。一方で、2番人気想定のソーグリッタリングは57キロであり、このデータを見る限りでは後者を評価したい。

阪神競馬場の馬場状態

阪神競馬場は連日の雨で、馬場は荒れていると考えられる。なので、良馬場といえども、ある程度タフな馬場状態と考える方が良い。また、宝塚記念の週からBコースを使用しており、先週の競馬をみても、まだ内も伸びる馬場状態である。

以上を踏まえると、ある程度タフさがある馬で、内目で先行できそうな馬を本命にしたい。

前走の敗因は明確 原田和真騎手悲願の重賞制覇へ

◎プリンスリターン
前走のNHKマイルC(15着)は、久々の関東輸送ということもあり、道中終始折り合いに苦戦していた。また、3コーナーや、直線で不利があり全く競馬になっていなかった。

それ以外の戦績を振り返ると、稍重のアーリントンCで3着、良馬場表記であるとはいえ、重ための馬場だったシンザン記念で2着と、馬券圏内に好走していることから、連日の雨の影響が残る阪神の馬場は歓迎だろう。

朝日杯FS(5着)は直線不利がありながらの5着なので、前走のNHKマイルCを除けば、重賞で十分戦えていることが分かる。騎手や前走で人気を落とすだろうし、こちらを本命にしたい。

○ラセット
2018年のきさらぎ賞3着馬で元々素質があった馬だ。休み明けで臨んだ、3走前の彦根Sでは20キロ馬体重を増やして勝利。成長力を感じられる1戦だった。

前走の米子Sは、ほぼ最後方からの競馬となったが、最後は鋭い末脚を見せての2着。ラスト200mぐらいまでは馬群の狭いところを突き、まともに追えていなかったにも関わらず伸びてきた。ラスト200mあたりから追い出すと、さらに加速していたことからも、余力が見られる内容だった点を評価したい。

また、ラセットの父のモンテロッソの産駒は、リュヌルージュ、ビリーバー、モンテグロッソが代表的だが、これらの馬は、馬場状態が悪いレースで好走しているので、ラセットも時計のかかる馬場はこなせると見ている。

▲メイケイダイハード
この馬は、スローでは、持ち味が発揮されない馬である。9月のJRAアニバーサリーS(1着)のラップを見ると、12.7-11.2-11.4-11.0-10.8-11.2-12.1。阪神は坂があるとはいえ、ラスト2F目から1F目が11.2-12.1と大きく失速している。他の馬がバテているなかで、この馬は、なかなかしぶとい面を見せていた。

今回は、トロワゼトワルやベステンダンクといったペースメーカがいることからも、適度にペースが流れるだろうし、この馬の持ち味が活きそうだ。

その他には、タフな展開で安定感を誇る△ソーグリッタリングまで押さえておきたい。

1番人気想定のギルデッドミラーの評価は……

冒頭に述べた、49.5~51キロの軽量を背負った馬の成績は勝率、連対率、複勝率が0%というデータからもギルデッドミラーは評価を下げたい。

また、この馬は軽い馬場の方が得意である。強い勝ち方をした、3走前の1勝クラス(1400m)のレースラップを見ると、12.2-10.6-11.7-11.4-11.2-11.6-11.9(34.5-34.7)であった。終始11秒台を刻み、大きく失速していないラップで好走していることからも、時計勝負には強い。

東京の軽い馬場で行われたNHKマイルCで3着に好走していることからも、連日の雨の影響を受けている阪神の馬場で能力を出し切れるかは疑問だ。また、道中折り合いを欠く面が良く見られることからも、本質は1400mの馬であるとみているので、今回は軽視したい。

【中京記念2020予想】
◎10プリンスリターン
○13ラセット
▲14メイケイダイハード
△11ソーグリッタリング

(文 ケータロー)

《ライタープロフィール》
京都大学競馬研究会
今年で25周年を迎える、京都大学の競馬サークル。馬主や競馬評論家など多くの競馬関係者を輩出した実績を持つ。また書籍やGⅠ予想ブログ等も執筆。回収率100%超えを目指す本格派が揃う。

おすすめ記事