【函館記念】ブランクを乗り越え戴冠へ! 混戦を断つのは叩き2戦目の実力馬

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ザ・小回りローカルの一戦
7月19日(日)に函館競馬場で行われる函館記念(GⅢ・芝2000m)。夏の函館開催のラストを締めくくるこの一戦に、今年もフルゲート16頭が顔をそろえた。
重賞馬レイエンダ・ニシノデイジーを中心に実績馬と上がり馬が入り乱れ、例年に増して混戦ムードが漂っているようだ。混戦を断ちサマー2000シリーズ2戦目を制するのは果たしてどの馬か。今週もデータを踏まえて検討していこう。
はじめに、当該レースにおける過去10年の傾向を分析する。

全10場のなかで直線が最も短いことで知られている函館競馬場。4コーナーにかけて緩やかな坂を上ったあとに最後の直線を緩やかに下るというコース形態であり、前有利の傾向が顕著に見られる舞台である。近3年で馬券になった馬がみな4コーナー5番手以内を確保していることからもわかるように、後ろで運ぶ馬にはかなり厳しい条件のようだ。
ローテの点では今年も5頭が出走している前走・巴賞組に注意を払いたい。過去10年の巴賞で馬券になった馬は本レースでは【0-0-1-18】と連対できておらず、対照的に掲示板買いに敗れた馬のほうが【1-3-1-18】と本番で巻き返しを果たしている。巴賞でキッチリ休み明けを叩き、本番でしっかり好走するというパターンには注意が必要だ。
外枠は割引

続いて、過去5年の枠番別成績を見てみよう。成績・回収率ともの4枠が頭一つ抜けており、全体的に真ん中から内目の枠が安定して走っているようだ。対照的に外枠はやや不振のようで、特に16頭立てとなったレースに限れば大外8枠は【0-1-2-31】と1勝も挙げられていない。外枠は少し割引が必要だろう。
一般に開催が進むにつれて芝コースは馬場の内目が傷んで外差しが決まりやすくなる傾向があるが、先週の函館芝コースはおおむね内目の馬場状態は良好であり、内枠の好走がキッチリ馬券に絡んでいた。走る馬にパワーが求められるというのが洋芝コースの一つの特徴だが、芝そのものが傷みに強いため開催が進んでも極端に馬場が悪化しないというのも重要なポイントである。開催最終週の今回も、内目を通る馬に利があると考えたい。
長休明けを叩いて
本命にはベストアプローチを据える。前走の巴賞は緩いペースながら馬群が縦に伸びる展開で前が圧倒的に有利なレース。そのなかで後ろから運び上がり最速で追い込んでの6着という結果は、2年以上のブランクを考えれば及第点以上のパフォーマンスと言えるだろう。一度使ったぶん間違いなく良化が期待できるし、ある程度の位置が確保できれば直線で突き抜けるだけの力はあると見る。前走に引き続き手綱を取る横山武騎手の手腕に期待したい。
対抗にはカウディーリョを推す。前走・メトロポリタンSはスローペースの末脚比べで前を捕まえられずの4着という内容であり、さほど悲観する内容ではない。間隔を開けながら大事に使われている馬だが、そろそろ本格化も近いと見てここで狙ってみたい。2勝クラスを札幌で勝ち上がった経験もあるし、洋芝の舞台も問題にはならないだろう。
3番手にトーラスジェミニ。2走前のエプソムCで3着、前走の巴賞で勝利と自分のペースで逃げられれば確実に能力を発揮しているこの馬。前走は展開利があったため過信はしたくないところだが、傾向的に前が有利であるため今回も上位争いには加わってきそうだ。
前走・エプソムCで10着と大敗したレイエンダは4番手評価とする。不良馬場で後方からの位置取りではさすがに厳しかっただろうが、3歳時にこの舞台で2勝クラスを勝った経験があり軽視しすぎるのは禁物だ。
以下、相手にはマイネルファンロン、レイホーロマンス、プレシャスブルーまで押さえておく。マイネルファンロンは近走こそ精彩を欠いているが昨年の2着馬であり、大外枠とは言え警戒は必要だろう。レイホーロマンスは近走展開に泣くレースが続いているが、比較的に時計がかかる小回りの舞台でハンデの利がある今回の条件なら、十分に期待は持てそうだ。重賞馬ニシノデイジーは鞍上が勝浦騎手に戻ったことで注目が集まるが、変わり身は薄いと見て印は回さないでおく。
▽函館記念予想▽
◎ベストアプローチ
○カウディーリョ
▲トーラスジェミニ
△レイエンダ
×レイホーロマンス
×マイネルファンロン
×プレシャスブルー
《ライタープロフィール》
東大ホースメンクラブ
約30年にわたる伝統をもつ東京大学の競馬サークル。現役東大生が日夜さまざまな角度から競馬を研究している。現在「東大ホースメンクラブの愉快な仲間たちのブログ」で予想を公開中。
