新潟直千で桃帽を買うのが日本の夏　東大HCが「外枠」を徹底分析

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関東所属の二人に注目

今春の古馬GⅠは外枠の大活躍が際立つ結果となった。特に8枠は安田記念以外の全レースで連対を果たし、単複回収率はともに200%超え。荒れた馬場という地理条件が一役買ったと考えると、梅雨真っ只中レースが行われる夏競馬の序盤でも「外枠」という切り口は馬券検討の重要なキーになるのではないか。

今週のコラムのテーマは「外枠」。外枠でこそ買いたい騎手、種牡馬に加え、外枠を狙いたいコースを分析する（「外枠」は7・8枠を指す。データは2015年7月18日〜2020年7月12日）。

まずは騎手別成績を確認する。

全体成績より外枠の成績がいいジョッキーをピックアップした。まずは関東のトップジョッキー・戸崎圭太騎手。特にダートコースでの外枠は勝率が2割を超えており、さらに稍重以下では単勝回収率107%とプラス域に突入する。好走率が高まるにもかかわらず枠が嫌われてオッズが甘くなったところを狙い撃ちたい。

こちらも関東所属の田辺裕信騎手は前走内枠組の外枠替わりが吉。単勝回収率は101%に達しており、出走馬を吟味すればさらなるプラスが期待できる。競馬場別ではコース形態にクセがある福島・中山の2コースで好調。今年の日経賞では、外枠の圧倒的不利で知られる中山芝2500mで7枠12番を引いたスティッフェリオを9番人気ながら3着に導き、そのレース運びが光った。今週末は福島で騎乗を予定。外枠を引いたら買い目に入れておきたい。

イン突きのイメージが強い岩田康誠騎手も意外にも外枠で結果を残しているジョッキー。前走逃げ・先行と前目のポジションを確保した馬に騎乗した際、外枠からでも好位を確保して結果を残している。その他、短期免許で来日する外国人騎手のうちではマーフィー騎手が単勝回収率130%をマーク。前走2・3着と惜敗した馬に騎乗した際の複勝率は7割を軽く超えている。

新潟直千で外枠を買うのが日本の夏

続くコース別成績は夏競馬の舞台から回収率の観点でピックアップした。

新潟芝直線1000mで外枠を買うのが日本の夏である。人気別では4〜8番人気の中穴が熱く、該当馬は単勝回収率163%という素晴らしい数字を残している。多少の能力差は枠順でカバーできると考えていい。騎手別では、こちらもおなじみ千直マイスター西田雄一郎騎手におまかせ。外枠の騎乗成績は【5-4-5-19】複勝率42.4%、単勝回収率172%・複勝回収率213%と光りに光っている。直線コースを知り尽くした騎手の手綱捌きを堪能したい。

同じ1000mのコースでも函館ダ1000mの外枠有利は新潟直線ほど人口に膾炙していない。内枠が激しい先行争いの中、不利を受けることが多く、スムーズに運べる外枠が結果的に有利なのだ。7・8枠の単勝回収率は127%を記録しており、8枠に限定すると191%にまで上昇。函館開催は今週末でフィナーレだが、この土日にも未勝利戦を中心に4レースが組まれている。外枠最後の稼ぎ時を逃さないようにしたい。札幌や福島は長距離コースが買いで、特に福島コースは芝・ダート問わず外枠の回収率が良いので注視しておきたい。

不器用なゴルシは外枠で

最後に外枠で狙いたい種牡馬をチェックする。

先週の内枠でも好調なデータを残していたキズナ産駒の回収率が良い。単勝回収率は189%、芝に限定すると242%という驚異的な数字だ。内枠では器用なレース運びができるタイプが好走する一方、外枠ではごちゃつくことなくスムーズに切れ味を発揮できる末脚自慢が台頭していることが一番の要因と見られる。クラス別では上級条件のオープンクラス〜GⅡで複勝率58.8%と該当馬の半数以上が馬券になっていた。

とても器用なタイプとはいえないゴールドシップも外枠で台頭してくる種牡馬。複勝率はキズナを上回っており、単複回収率もともに100%を上回っている。8枠に限定すると複勝率35.3%、単勝回収率248%・複勝回収率148%と中心視に不足はない数字が並んでおり、外を引けば外を引くほどゴルシは買い、と覚えておきたい。

ダートからはまずヘニーヒューズ。複勝率3割超えは他の有力種牡馬を大きく引き離す好成績だ。下級条件でコンスタントに稼いでおり、1番人気×外枠は【26-11-2-9】連対率77.1%と鉄板級の信頼度だ。中穴が好走して回収率を押し上げているというよりは人気馬が水準以上に馬券になっていることでこの妙味につながっている。穴狙いよりは人気馬を素直に信頼して堅実に儲けたいところ。またシニスターミニスターの回収率も内枠同様高い。