【函館2歳S】狙うは前走ダートの馬!これは偶然か?今年は「真夏のクリスマス」の再現!?

門田光生

2020年函館2歳SデータインフォグラグィックⒸSPAIA

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盛岡競馬場がファンの入場を再開

コロナウイルスの終焉が見えず無観客レースが続いているが、7月12日に盛岡競馬場が観客を入れての開催を再開した。コロナ感染者がゼロの岩手県だからこそできたのかもしれないが、プロ野球をはじめとして観客を入れたイベントが徐々に増えているのは事実。

都市部などではまだ難しいかもしれないが、比較的感染者数が抑えられている地域は、時機を見て岩手に続くと思われる。当然ながら人数やマスク着用など制限付きの開催が続くとはいえ、とりあえず通常開催へ一歩踏み出したのは喜ばしいこと。

さて、今週は函館競馬場で重賞が2つ行われる。2020年7月18日(土)に行われる函館2歳SはJRAでの2歳馬における初重賞戦であり、キャリアの浅い馬ばかりが集まっている。データが少なく予想するのは難しいのではないかと感じるが、逆に絞り込める分、迷いがなくなる。

それにより的中する確率も上がるのではないかと淡い期待を抱いているのだが、さて結果はいかに。なお、今回は函館開催が現行の6週間バージョンとなった2012年から8年間のデータを参考にしている。

函館2歳S出走馬の所属別ⒸSPAIA

このレースは性別に大きな差はないので、まずは所属別から。中立の地・函館で行われるレースでも西高東低のようで、栗東所属馬が8年で7勝とほかを圧倒している。

美浦所属馬も2着が5回あるとはいえ、出走頭数は美浦所属馬の方が多いことを考えると、栗東所属馬優位と考えて間違いないだろう。なお、地方馬は18頭が出走して全て圏外。この時期に勝ち上がっている馬はよりダート適性がある馬。

以前は前哨戦のラベンダー賞を通じて芝適性の見極めが可能だったが、6週間開催になってからは芝を経験せずに挑戦してくるパターンがほとんど。北海道2歳優駿で道営所属馬が中央馬と互角に戦えていることからも、この時期の2歳馬に能力の差はないはず。芝への適性、もしくは慣れの差が出ているだけと思われる。

2020年函館2歳SデータインフォグラグィックⒸSPAIA


函館以外でも新馬戦が行われているわけで、当然ながらほかの地でデビューした馬も挑戦してくる。ただ結果は芳しくなく、前走を函館以外で走って連対したのは昨年のタイセイビジョンだけ。コース経験があるというのはやはり強みになるようだ。

牝馬は未勝利勝ちより新馬勝ち

函館2歳S出走馬の出走間隔ⒸSPAIA
函館2歳S出走馬の前走クラスⒸSPAIA

今年でいえば、新馬戦が始まったのは6月に入ってから。レース勘が鈍るほど間隔が開いている馬はいないのだが、データで見ると間隔が詰まっている馬は苦戦の傾向。具体的に書けば、中1週以内で出走してきた37頭のうち、勝ったのは1頭だけ。

連対率でいると大きな差はないのだが、勝ち馬となると中2週以上開いて出走してきた馬から探したい。ちなみに、中1週以内で2着に来た馬は4頭いるが、その4頭とも牝馬。理由はよく分からないが、この時期は牝馬の方が無理が利くのだろうか。

前走クラスについても牝馬に特徴的なデータが残っている。まず全体から見ていくと、以前は有力なステップレースだったラベンダー賞が6週間開催になって廃止。よって、前走は新馬戦か未勝利戦の二択となる。新馬組12連対に対して未勝利組は4連対。

こう見ると新馬組が有利に思えるが、出走頭数も新馬組の方が圧倒的に多く、勝率、連対率だと大きな差はない。ただ7連対している牝馬に限れば、6頭が新馬勝ちした馬。こちらは勝率、連対率ともに新馬組が上回っている。牝馬に限っては新馬勝ち馬を重視したい。

函館2歳S出走馬の前走距離ⒸSPAIA
函館2歳S出走馬のキャリアⒸSPAIA
函館2歳S出走馬の条件ⒸSPAIA

前走で1000m、もしくは1150mを走った馬は【1-0-0-29】と成績がひと息。同様にキャリア3戦以上の馬は【0-0-0-11】で、前走でダートを使った馬【0-0-0-31】ともども散々。上記に当てはまる馬は割引が必要だ。

レコード勝ちといえば

今回の大きな減点材料は「牡馬で中1週以下」「牝馬で未勝利戦経由」「前走1150m以下」「キャリア3戦以上」「函館以外でデビュー」。この5つの減点がないのはディープエコロジー、フォルセティ、モンファボリ、ラヴケリー、リメスの6頭。このうち、勝率、連対率ともに高い栗東組はフォドラ、モンファボリ、ラヴケリー、リメスの4頭。ここから勝ち馬が出るとみる。

この4頭は全て逃げ切り勝ちで、前走が逃げ、先行の脚質で比べると大きな差はなかった。となると勝ち方に目がいくが、注目はレコード勝ちしたモンファボリ。レコード勝ちといえば2013年のクリスマスもデビュー戦をレコード勝ちし、その勢いで函館2歳Sを連勝。両馬ともデビューが410キロ台の小柄な牝馬という共通点もあり、人気でもこれを中心に推したい。

レコード駆けといえばルーチェドーロも同様。ただ、こちらは前走【0-0-0-31】という前走ダート組。普通なら軽視のパターンだが、この馬の生産牧場は上記のクリスマスと同じアラキファーム。偶然にしては出来すぎているので、一応押さえておいた方がいいだろう。

相手は同様に減点材料がないフォドラ、ラヴケリー、リメスの3頭。あとは所属以外に減点のないディープエコロジー、フォルセティをどうするか。生産牧場の話が出たついでではないが、フォルセティの生産牧場であるノースヒルズは、ここ8年で3頭出走して2頭が優勝というハイアベレージ。こちらをチョイスする。

◎モンファボリ
〇フォドラ
▲ラヴケリー
△リメス
×ルーチェドーロ
×フォルセティ

《ライタープロフィール》
門田 光生(かどた みつお)
競馬専門紙「競馬ニホン」で調教班として20年以上在籍。本社予想などを担当し、編集部チーフも兼任。現在、サンケイスポーツにて地方競馬を中心に予想・記事を執筆中。今年はキングカメハメハ産駒の新種牡馬がたくさんデビューしていますが、種付け頭数が多いラブリーデイやリオンディーズより、クリーンエコロジーの方が先にJRAの勝ち馬を出したのには驚き。競馬は馬券以外の予想も難しいです。

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