【JDD】1番人気の取捨は年明けのローテに注目 カフェファラオ1強で間違いなし?

東森カツヤ

大井競馬場ⒸSPAIA

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上がりがかかって後方勢にもチャンス

7月8日(水)の夜に大井競馬場で行われるのはジャパンダートダービー(JpnⅠ・ダ2000m)。地方馬と中央馬が一堂に会して3歳ダート路線の頂点を決める一戦だ。

今年の注目はなんといってもカフェファラオ。ここまで無敗の3連勝、いずれもワンサイドの圧勝を演じてきた同馬にとって、ここも単なる通過点に過ぎないのか、それとも他馬が一矢報いるのか。このレースを検討していく。

まずはレース傾向から考えていく。

過去10年の前後半5Fと1~3着馬の脚質ⒸSPAIA


帝王賞の予想時に、大井の馬場が年単位で低速化していることに触れたが、JDDは勝ち時計で見ると2010年頃ともそれほど大きく変わっていない。ただ、直近の4年はいずれも後半1000mが63秒以上かかるレースになっており、それに呼応して差しや追い込みの台頭も見られる。直線も長くタフなコースだけに、先行の利だけで力量の劣る馬が大きく恵まれるということはない。

今年のメンバーではダノンファラオが逃げ候補だが、枠順の並びを考えるとスタート次第ではバーナードループ、もしくは最内のエメリミットがハナを切る可能性も。ペースは平均以上に流れそうだ。このあと触れるカフェファラオは別にして、馬券的な妙味を求めるなら差しに構えてよさを引き出せる馬の方がベターか。

1番人気×年明け5戦以内でパーフェクト

過去10年の1番人気馬成績と年明けのレース数ⒸSPAIA


ここからは断然の1番人気が濃厚のカフェファラオについて。まずデータで言えばJDDはそもそも1番人気が圧倒的に強いレース。過去10年で【5-2-1-2】と極めて強力で、無理に逆らうのは得策ではない。

ちなみに、1番人気を背負いながら着外に敗れた2頭には、ともに「3歳になってからJDDまでに5戦以上消化」という共通点がある。つまり、よほど使い込まれて消耗していない限り、1番人気に推された馬を素直に信頼すればいいということ。

カフェファラオは今回がまだ通算4戦目。昨年のクリソベリルや一昨年のルヴァンスレーヴ同様、年明け3戦目。データの面からはかなり信頼度が高い。

強いて不安要素を挙げるとしたら内枠を引いたことだろうか。逃げた新馬戦は圧勝、前走のユニコーンSは外枠からあっさり3番手に付ける競馬で超抜のパフォーマンスを見せたが、砂を被った時のリアクションは未知の面がある。走法的にも狭い所を割ってくる小脚があるようには見えず、外枠の方が競馬はしやすいか。

もっとも、ヒヤシンスSはその内枠で大出遅れも、外をひとマクりで勝ち切った。あの競馬ができるなら杞憂に終わる可能性は高い。

他馬に強力な逆転材料なく……

本命はカフェファラオ。配当のことを考えて逆転候補を必死に探したものの、筆頭候補のバーナードループにすら新馬戦で10馬身差をつけているのだから、もはや手が付けられない。前走のユニコーンSも前半34.2のハイペースを先行し、直線は追い出しを待つ余裕すら見せて5馬身差&レースレコードの圧勝劇。予想の焦点は相手をいかに絞って的確に当てるかに尽きる。

対抗はバーナードループ。過去10年の兵庫CS勝ち馬でユニコーンSを経由せずにJDDに出走した馬は5頭いて【1-2-1-1】と安定感抜群。バーナードループ自身、前述の新馬でのカフェファラオ以外には未だ先着を許していない。例年なら1倍台に推されていてもおかしくない戦績だ。

3番手は少しひねってブラヴール。今年は南関3歳路線に抜けた存在がおらず、ミューチャリーやヒカリオーソがいた昨年に比べると東京ダービーのレベルも今一つ。そんな南関勢で唯一馬券に絡むチャンスがあるとすればブラヴールか。羽田盃では2番手につけたゴールドホイヤーに押し切られたが、例年の傾向として前残りになるレースなので展開のアヤと割り切っていい。

瞬時に加速できない代わりに、スピードに乗るとしぶとく長い脚を使えるのが強み。こういうタイプは南関どうしのレースで取りこぼす一方、相手強化の中央馬相手で意外な善戦を見せることがある。

本命と対抗が人気2頭だけに点数は広げられない。印は4番手ミヤジコクオウまでとした。

▽ジャパンダートダービー予想▽
◎カフェファラオ
○バーナードループ
▲ブラヴール
△ミヤジコクオウ

<ライタープロフィール>
東森カツヤ
東大ホースメンクラブOB。同団体のブログやSPAIA競馬で予想記事を担当。当日の馬場傾向と、各馬が近走で受けた有利不利を地道に精査する予想スタイル。南関競馬の大ファンでもあり、好きな馬はヒガシウィルウィン。

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