【宝塚記念】「上がり35秒以上かかるタフなレース」 道悪適性を味方に1番人気馬を負かすのは今年も牝馬?

三木俊幸

2020年宝塚記念分布図ⒸSPAIA

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先週末の結果からは先行馬が有利

上半期の締めくくりとなるグランプリ、宝塚記念(GⅠ・芝2200m)。近年はやや手薄のメンバー構成となることもあったが、今年は皐月賞以来のGⅠ勝利を狙うサートゥルナーリア、前走の大阪杯を勝利しているラッキーライラックなど、GⅠ馬8頭が出走する。豪華メンバーが集まった2020年の宝塚記念について、馬場適性の観点から分析、予想を行っていく。

まずは過去10年の宝塚記念の結果から、どのような傾向が見られたのか、簡単に振り返っておこう。

過去10年の宝塚記念の結果ⒸSPAIA



馬場状態は良が6回、稍重が4回と内訳となっており、梅雨時期らしく雨の影響を受ける中でのレースとなることも多い。勝ちタイムを見ると、良馬場で2分10秒台の決着が3回、稍重でも2分11秒台が2回と速いタイムでの決着になりやすい傾向にある。

しかし勝ち馬の上がりタイムを見ると、最も速いタイムでもオルフェーヴルがマークした34.7、それ以外は35秒以上掛かっており、33秒台の上がり勝負を得意とする馬よりは、長くいい脚が使えるタイプが好走できる舞台だと言える。勝ち馬の脚質は先行6勝、差し4勝とほぼ互角、展開次第という考え方で良さそう。

次に先週末、6月20日(土)と21日(日)に阪神競馬場の芝コースで行われたレース結果について見ていく。

6/20・21 阪神芝コースの上がりⒸSPAIA



土曜日の前半2レースは稍重でのレースとなったが、それ以降の9レースは良馬場で行われた。宝塚記念と同じ2200mの3歳未勝利戦では2:13.6とまずまずのタイムが出ており、1600mのリステッドレース、米子Sでは1:32.7の決着だったということを見ると、3回阪神開催の最終週となるが、馬場状態は良好な状態をキープしていると言っていいだろう。

上がりタイムは、外回りコースを使用したレースでは33秒台の決着も見られたが、内回りコースのレースで馬券圏内に入った馬の上がりは概ね35秒台となっており、GⅠクラスであっても上がりは掛かりそうだ。

6/20・21 阪神芝コースの通過順位ⒸSPAIA



脚質についても調べた結果、11レース中、逃げ4勝、先行6勝、差し1勝。2着、3着を見ても、展開次第で差し馬の台頭はあるものの、基本的には逃げ・先行馬が有利な馬場状態だと言える。

6/20・21 阪神芝コースの直線で通ったコースⒸSPAIA



それは直線で通ったコースを調べた結果からも明らかで、最内を通った馬が4勝、内から2頭目が2勝、内から3頭目が2勝、内から4頭目が1勝、内から5頭目が1勝と、勝ち馬11頭全てが内から5頭目以内を通っていた。今週からBコースに変わり、引き続き内ラチ沿いが有利な傾向が続くと考える。

今週は金曜日が雨、土曜日が曇り予報となっている。しかし宝塚記念当日の日曜日は午後から本降りの雨となる見込みなので、タフな馬場でのレースとなりそうだ。

道悪は歓迎材料

ここからは馬場適性分布図をもとに、宝塚記念に出走する注目馬の適性について見ていく。分布図の縦軸はスピード型の高速馬場に強いタイプかパワー型の時計のかかる馬場に強いタイプかを示す指標、横軸は上がりの速い瞬発力勝負に強いタイプか上がりのかかる持続力タイプのどちらに適性が高いかを示している。

なお各馬の配置は、現状においてベストパフォーマンスを発揮できる舞台設定を表しているものである。

2020年宝塚記念分布図

【サートゥルナーリア】
左回りの高速馬場では2回馬券圏外となっているが、右回りでは安定した強さを見せている。上がり32秒台でも勝利しているが、馬券に絡んだ7回の平均上がりは34.2と平凡。それだけに右回り、内回りコースという舞台設定はピッタリ。良馬場の経験しかないので、馬場が悪くなった時がどうかだが、こなせる可能性は高いと見た。

【ラッキーライラック】
前走の大阪杯は1:58.4、上がり33.9という内容で勝利。馬場的にもラッキーライラックに向いていた。しかし、今回は雨で時計、上がりともにかかる馬場でのレースとなるので、条件的にはマイナス。昨秋から充実期に入り、強いレースを見せているが、今回は評価を下げたい。

【クロノジェネシス】
大阪杯ではクビ差の2着に敗れたが、ラッキーライラックが最も得意とする条件での結果であるということを考慮すると、高く評価していいレースだ。稍重の秋華賞と重馬場の京都記念で強いレースを見せているように、雨が降るのは歓迎材料なので、今回の条件に最も適している。

【ワグネリアン】
前走は勝負どころで動けず、位置どりが悪くなったが、直線ではジリジリと伸びて5着。瞬発力が必要とされる展開では、厳しいと感じたレースだった。それだけに大阪杯より上がりがかかる条件になるのはプラス材料、重馬場でもジャパンC3着という実績があるので、雨が降っても問題ないだろう。

【ブラストワンピース】
2:00.1で決着した札幌記念、稍重でパワーを要求されるレースとなったAJCCで結果を残しているように、時計、上がりともにかかる馬場を得意としているので、前走の大阪杯よりは間違いなく適した条件でのレースとなるだろう。

【グローリーヴェイズ】
前走の香港ヴァーズは2:24.77という速いタイム決着だった。加えて、好メンバーが揃った一戦で2着ラッキーライラックに3 1/2馬身差をつけており、能力はここでも十分通用するものがある。前走の内容が強すぎただけに、良馬場で時計が速くて上がりがかかるという条件なら上位に推奨したかったが、雨馬場はマイナスと判断して今回は無印とする。

【キセキ】
不良馬場の菊花賞を勝利しているが、高速馬場で上がりがかかるレース展開が最もこの馬に適した条件だと考える。それだけに先週末のように、ある程度速い時計が出る馬場で先行有利という条件であれば、昨年2着という実績もあるので狙ってみたかった。しかし雨の影響である程度時計は掛かりそうなので、こちらも無印とする。

【トーセンカンビーナ】
阪神大賞典2着、天皇賞・春5着と着実に力をつけているが、スタートが遅く、後方からのレースとなってしまうのに加えて勝負所でのエンジンの掛かりも遅い。そうしたことからも2200mは短いが、過去の宝塚記念でも稀に後方からの追い込みが決まることもあるので、展開が嵌った時の穴馬としてピックアップしてみた。3走前は稍重で力のいる馬場で勝利しているので、ある程度の雨はこなせるはずだ。

▽宝塚記念予想▽
◎クロノジェネシス
○サートゥルナーリア
▲ワグネリアン
△ブラストワンピース
×ラッキーライラック
☆トーセンカンビーナ

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