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【函館スプリントS】GⅠ3着馬ダイアトニックに黄色信号!京大競馬研が狙うは函館巧者の先行馬

2020/06/20 06:00
京都大学競馬研究会
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ⒸSPAIA

前目で運べる馬が有利

2020年 6月21日(日)に函館競馬場で行われる函館SS(GⅢ.芝1200m)。高松宮記念の上位馬ダイアトニック、シヴァージに加え、京阪杯勝ち馬ライトオンキュー、スプリント戦に矛先を向けてきたフィアーノロマーノなどが集まり混戦模様だ。

まずは、2010年以降の3着以内馬のコーナー通過順を見ていく。

過去10年の3着内馬コーナー通過順



逃げ馬は10年中4回馬券に絡んでおり、2番手の馬も4回馬券に絡んでいる。昨年はスローペースで推移した影響もあるだろうが、一昨年は前半3F33.1で飛ばしたのに前残りになっており、基本的には前が有利と考えてよいだろう。

逆に先行馬が壊滅したのは2017年、2015年、2014年であり、これらの年は総じてハイペースであった(特に2017年と2015年は過去10年でペースが速いトップ2である)。今年のメンバーを見る限り、1200mでの速い逃げ馬は見当たらず、後方からゆっくり運ぶタイプの馬がかなり多いので恐らくペースは上がらない。

これらのことから考えると、先行馬を中心に組み立てたほうがいいだろう。

リピーターは不振

このレースはリピーターが不振だ。過去10年間の3着内馬30頭はすべて異なり、2回以上馬券に絡んだ馬はいない。

函館スプリントSリピーターの成績



これらの馬が翌年以降出走していないというわけではなく、特にここ数年はほとんどが2桁着順に沈んでいる。今年の該当馬はティーハーフだけであるが、来年以降に向けても覚えておいて損はないデータだろう。

斤量が重い人気馬の過信は禁物

過去10年の当レースにおいて、斤量が重い人気馬は勝ち切れず凡走も多い。

函館スプリントS斤量が重い馬の成績



58キロ以上(牝馬は56キロ以上)を背負った馬は10年で9頭いてそのうち2番人気以内に支持されていた馬は6頭いたが、ビービーガルダンの2着が最高である。残りの5頭のうちタワーオブロンドンは3着だがそれ以外は4着以下に敗れている。

今年のダイアトニックにとっては嫌なデータだ。逆に重い斤量を背負った人気薄の馬は3頭中2頭が勝利している。今年は該当馬がいなさそうだが、今後に生かせるデータかもしれない。

本命は函館巧者のジョーマンデリン

以上を踏まえて、本命はジョーマンデリン。先週のUHB杯は、前半3F32.7の激流の中で4番手からあっさり抜け出して快勝という強い内容だった。

近走は追われてからの反応がイマイチであまり伸びていなかったが、函館に変わって別馬のような伸びを見せていた。連闘になるが滞在競馬なのでそれほど心配する必要はなく、函館では3勝2着1回とパーフェクト。

何より安定感のある先行力は非常に魅力的だ。人気もそれほどしないと思われるのでぜひとも買いたいところだ。

対抗以下は

対抗はライトオンキュー。京阪杯では外を回しながらねじ伏せる完勝で能力の高さを示した。本格化した昨年の1月以降一度も掲示板を外しておらず、キーンランドカップでは勝ち馬ダノンスマッシュに0.2秒差であったことからも、能力の高さがうかがえる。ドバイが中止となりとんぼ返りを余儀なくされたが、調教で非常によく動いているので、体調に問題はないだろう。あっさり勝ち切っても不思議ではない。

3番手評価はダイアトニック。高松宮記念は繰り上がりの3着で、直線で大きな不利を受けたことを考えれば、勝ちに等しい内容と言える。このメンバーの中で地力はトップと言っていいだろうが、やはり斤量58キロであるのは懸念材料でありやや評価を落とした。

以下、前走のオーシャンSの内容が良く先行力もあるグランドボヌール、取り消し明けで距離も未知数だが、力は上位であるフィアーノロマーノに印を回す。特に、グランドボヌールは人気がないだろうが、オーシャンSでタワーオブロンドンを追い詰めており、一線級ともいくらかはやれることを示した。1200m戦で逃げた経験もあり先行力があるので、大穴として狙ってみたいところだ。

逆にエイティーンガール、シヴァージ、マリアズハートの3頭は最後方から競馬をするタイプであるので、直線が短く平坦で前が止まりにくい函館では差し届かない懸念がある。特にペースが速くなりそうにない今年はその可能性が高く、人気もしそうであるので思い切って軽視したい。

買い目は、◎の単複と三連複1頭軸◎―〇▲△×で勝負したい。恐らく8番人気から10番人気くらいになると思われるので、単複だけでも十分にリターンを得られるはずだ。(文:川崎)

2020函館SS予想
◎ジョーマンデリン
〇ライトオンキュー
▲ダイアトニック
△グランドボヌール
×フィアーノロマーノ

《ライタープロフィール》
京都大学競馬研究会 今年で25周年を迎える、京都大学の競馬サークル。馬主や競馬評論家など多くの競馬関係者を輩出した実績を持つ。また書籍やGⅠ予想ブログ等も執筆。回収率100%超えを目指す本格派が揃う。