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【ユニコーンS】馬場適性の高い馬が集結!キーワードは「1分35秒台への対応力」と「35秒台の上がり」

2020/06/18 17:00
三木俊幸
2020年ユニコーンS分布図ⒸSPAIA

ⒸSPAIA

開催を通じて脚質の有利不利はなし

現在の日程で行われるようになった2013年以降、馬券に絡んだ馬のうち、8頭がのちにGⅠホースとなるなど、確実にレースレベルが高くなっているユニコーンS(GⅢ・ダート1600m)。

前走のヒヤシンスSを力でねじ伏せたカフェファラオ、東京ダート1600mで3戦3勝と好相性のデュードヴァンなど、豪華メンバーが揃った。そんな一戦について、馬場適性の観点から分析、予想していく。

今週は金曜日に雨が降る予報となっているが、競馬開催日は雨の心配がなさそうなので、今年のユニコーンSは稍重または良馬場でのレースになると想定。そこで2013年以降、良または稍重で行われた4回のレース結果を分析していこう。

2013年以降 良または稍重で行われたユニコーンSの結果ⒸSPAIA



勝ちタイムは1:35.8〜1:36.0とほぼ変わらないタイムでの決着となっており、上がりタイムも35.4〜36.4と比較的速い上がりが要求される馬場であるということが見てとれる。また、脚質別では先行2勝、差し1勝、追込1勝とほぼ互角。脚質による有利不利はないと言っていいだろう。

6/6 東京ダートコースのレース結果(曇り)ⒸSPAIA



続いて、先週末は全てのレースが不良馬場で行われたということもあるので、参考データとして2週前の6月6日(土)と7日(日)に行われた1勝クラス以上の1400m〜1600mで行われた計5レースをピックアップ。その結果から、馬場傾向について分析していく。

まず6月6日(土)の天気は曇り、良馬場でレースが行われた。1400m戦の3歳以上1勝クラスは1:24.5、上がり35.4で3歳馬プリマジアが、1600m戦の3歳以上2勝クラスは、同じく3歳馬のブランクチェックが1:36.8、上がり36.3でそれぞれ勝利している。

7日(日)は、前日夜から46.5mmの雨量を計測し、不良でスタート。しかし晴天の下でレースが行われ、重へと変更された。そうした中で行われた1600mの3歳以上1勝クラスはユニコーンSにも出走するラブリーエンジェルが1:36.1、上がり36.0で勝利。続く3勝クラスの麦秋S(1400m)ではハーグリーブスが1:22.5、上がり34.9という速いタイムをマーク。最終レースの2勝クラス、小金井特別(1400m)は1:24.1、上がり35.7でロジヒューズが勝利するという結果となった。

また脚質別成績は、先行3勝、差し2勝でほぼ互角。2、3着の結果を見ても先行5頭、差し5頭と差はなかったので、今開催でも脚質の有利不利はないと言える。

2週前は3頭、先週は対象3レース中2レースで3歳馬が勝利しており、それらの馬を負かしてユニコーンSに出走している馬が複数いることを鑑みると、ユニコーンSは1分35秒半ば〜後半の決着となるだろう。そうしたことからも「高速決着への適性」「35秒台の上がり」が使えるという点に重きを置いて予想していく必要がありそうだ。

スタートが鍵を握る

ここからは馬場適性分布図をもとに、ユニコーンSに出走する注目馬の適性について詳しく見ていこう。分布図の縦軸はスピード型かパワー型かを示す指標、横軸は瞬発力勝負と持続力勝負のどちらに適性が高いかを示している。

今回の注目馬5頭は、いずれも予想馬場傾向と近い分布図の左上(スピード型×瞬発力型)に分類された。上位人気馬に適性の高い馬が多いことからも、レースレベルも必然的に高くなると考える。

2020年ユニコーンS分布図



【カフェファラオ】
新馬戦では逃げて10馬身差の圧勝。前走のヒヤシンスSでは、スタートで出遅れて最後方からのレースとなる。3コーナー過ぎから大外を回って進出を図り、普通なら直線で脚があがってしまうパターンにも思えたが、実際には手応え抜群で全く危なげない完勝だった。

1:37.7という遅いタイムでの決着だったが、強引なレースをしても上がり35.2を使えるということは、間違いなく重賞でも通用する能力があるということ。スタートさえ決めれば、速い時計の決着になっても問題ないと見た。堀厩舎は今回、万全の対策を施してレースに挑んでくるはずだ。

【デュードヴァン】
東京1600mで3戦3勝、馬場状態を問わず強いレースを見せている。加えて脚質に自在性もあり、先行しても差す形になっても問題なし。ただし、これまで東京で使った上がりは36.2(重)、36.6(不良)、36.5(良)と驚くほど切れるというタイプでもないので、良馬場の方がより良さが出るのかもしれない。

【レッチェバロック】
新馬戦は軽く仕掛けられると、2着以下に大差をつけて圧勝。前走の1勝クラスでも、持ったままで8馬身差をつけて勝利したが、驚いたのは良馬場ながら1:23.6というタイム。何とも末恐ろしい能力を兼ね備えた牝馬だ。スピードの違いで逃げる競馬しかしていないこと、前走のラスト2ハロン目が12.1だったのに対し、ラスト1ハロンは13.4と1.3秒も遅くなっていることから距離延長がマイナスと見ることもできる。

しかし前走で1.4秒突き放したアストロブレイクから4着プリマジアまでが次走で勝ち上がっており、レースレベルは間違いなく高かったと言えるので、逆転の可能性まであるという意味での単穴評価とする。

【タガノビューティー】
前走の青竜Sではデュードヴァンの3着、2走前のヒヤシンスSではカフェファラオの2着、着差はいずれも0.2秒差と強敵相手に安定した走りを見せているが、いずれも前に届かなかったのは事実。しかし東京1600mで3回出走し、2回で上がり34秒台をマークしており、今回求められる馬場適性にはピッタリと当てはまるので、3着以内の軸としてなら信用してよさそう。

【サトノラファール】
阪神、京都の1400mで連勝しているが、跳びが大きいタイプなので、広い東京コースと1600mへの距離延長はプラスに働くと考える。近2走は後方からの競馬となっているが、同じような位置からレース進めることになるであろうタガノビューティーと比較すると、切れ味では劣ってしまう。それだけに、中団から流れに乗ってレースを進めたいところだ。

▽ユニコーンS予想▽
◎カフェファラオ
○タガノビューティー
▲レッチェバロック
△デュードヴァン
×サトノラファール