【エプソムC】 乗り替わりでこそ狙う!雪辱を狙う昨年3着馬に要警戒!

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今年こそ差し馬の出番
6月14日(日)に東京競馬場で行われるエプソムC(GⅢ・芝1800m)。重賞戦線を賑わせてきた実績馬、さらに秋への飛躍を誓う上がり馬と個性的なメンバーが顔をそろえた。力が抜けた馬がおらず上位拮抗と見られる一戦を制するのは果たしてどの馬か。また、魅力的な穴馬はいるのか。今週もデータを踏まえて検討していこう。
はじめに、当該レースにおける過去10年の傾向を分析する。

昨年は稍重ながら前半5Fが63.9というおよそ重賞とは思えない超スローペースとなり、前の2頭のワンツーという完全な前残り決着となった。展開的によるバイアスが大きいレースであったと言えるだろう。昨年ワンツーのレイエンダ・サラキアの2頭が今年も参戦しているが、実績を額面通りに受け取るのは避けたいところだ。
一方で5番人気以内×4角5番手以内は【6-5-1-6】と安定しており、やはり人気サイドではある程度の位置を取れる馬を上位に評価したい。また、タイム傾向としてはおおむね平均からスローで流れているが、昨年を例外とすると全体的にペースが緩んだときのほうが後方待機勢の台頭が見られている。直線での瞬発力に懸けるタイプを嫌う必要はないと言えるだろう。
先週は内枠不振

このコース過去3年の枠順別の傾向としては6枠が唯一の連対率20%を記録するなどやや抜けているが、内外で大きな差はない。強いて言えば極端に内あるいは外よりも中枠のほうが全体的に安定しているが、一見して枠の有利不利はないように思われる。
その一方で、直近の傾向としては比較的に外枠有利のようだ。先週の東京芝コースは1-4枠が複勝率15.2%に対して5-8枠が27.1%とやや差が開いている印象。安田記念で外から差してきた牝馬2頭による決着となったように、外差しも十分に利く馬場と考えて差し支えないだろう。
今年の想定逃げ馬はトーラスジェミニ。ここ2戦は中山のマイル戦で立て続けにハイペースで先行しており、今回もスピードを活かす競馬が濃厚だ。他にも前走で逃げて2着のアトミックフォースやマイネル勢の2頭など前目で運びたい馬は複数いるため、少なくとも昨年ほどペースが緩むことはないだろう。馬場傾向的にもイン前有利は薄れているし、差し馬がキッチリ実力を発揮できると見て問題はなさそうだ。
乗り替わりでも
本命にはソーグリッタリングを推す。この馬自身はマイルから1800mが主戦場だが、安定感という点ではやはり1800mのほうが向いていると思われる。前走メイSでは内を突いて抜け出した勝ち馬に足元をすくわれたものの2着に善戦しており、休養明けながらキッチリ結果を出した点は好印象。好位から中団で運べるタイプで大崩れしない点は心強いし、最内枠からの競馬でも問題はないだろう。乗り替わりが過剰に不安視されるようならむしろ狙い目だ。
2番手にシャドウディーヴァ。今年はマイルを中心に使われているが、近2走はともに2桁着順に大敗。東京新聞杯(2着)の競馬から考えるに、ある程度じっくり脚を溜める競馬のほうが向いているように思われる。高速馬場のヴィクトリアマイルはこの馬には忙しい競馬だったし、距離延長のここで見直してみたい。
3番手にアイスストーム。前走はさすがにコース取りがうまくハマりすぎた感も否めないが、直線の長い舞台ではいつも堅実に末脚を使っており、当然ここでも評価できる一頭。ただし、どうしても後ろからになりやすいため差し届かない場面も想定する必要はあると思われる。また馬場が著しく悪化するようなら評価を下げる必要はあるかもしれない。
4番手にサトノアーサー。一昨年のこのレースを制して以来勝ち星に恵まれていないものの、OPクラスで相手なりに走れている印象。近走は渋った馬場で取りこぼすような競馬が続いているが、1800m戦では【2-2-3-1】とほとんど崩れておらずここでも軽視は禁物だ。レーン騎手との初コンビで新味が出るのに期待したい。
昨年は超スローペースの2番手という絶好位から抜け出して快勝したレイエンダだが、やはり展開利が大きかったぶんの割引は必要だろう。戦績的にもムラが大きい印象は否めず、相手評価にとどめたい。上がり馬で評価したいのはピースワンパラディ。デビューしてから左回りに絞って良績を維持しており、相手強化のここでも怖い一頭だろう。
▽エプソムC予想▽
◎ソーグリッタリング
○シャドウディーヴァ
▲アイスストーム
△サトノアーサー
×レイエンダ
×ピースワンパラディ
《ライタープロフィール》
東大ホースメンクラブ
約30年にわたる伝統をもつ東京大学の競馬サークル。現役東大生が日夜さまざまな角度から競馬を研究している。現在「東大ホースメンクラブの愉快な仲間たちのブログ」で予想を公開中。
