【安田記念】GⅠ馬10頭が参戦!ハイレベルな一戦を制する馬は?

東大ホースメンクラブ

東京芝1600m枠番別成績

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先行押し切りは難しい

6月7日(日)に東京競馬場で行われる安田記念(GⅠ・芝1600m)。春のマイル王決定戦にGⅠ馬10頭を含む14頭が顔をそろえた。前走・ヴィクトリアマイルを圧勝したアーモンドアイがGⅠ・8勝目を達成するのか。また、人気薄で狙える穴馬は果たしているのか。今週もデータを踏まえて検討していこう。

はじめに、当該レースにおける過去10年の傾向を分析する。

安田記念・過去10年の1~3着の4角順位

昨年は人気のアーモンドアイとダノンプレミアムがスタートで不利を受け、ともに連を外す結果となったこのレース。かつては先行馬総崩れという年もあったが、今年のこれまでの府中GⅠと同じように、近年は先行勢の粘りが目立っているようだ。

その一方で、「良馬場かつ前半3Fが34秒以上」という条件を満たしていないレースでは、4角5番手以内でも【1-1-1-31】とほとんど狙える数字ではない。基本的には差し・追込勢が中心で、平均~スローな流れなら前残りに期待が持てる、といった程度に考えたい。

今回のメンバー的に展開の軸になるのは、やはりアーモンドアイだろう。9着に敗れた昨年の有馬記念以外に後ろから差されたことのない同馬と戦う立場からすれば、前目の位置を取るしか抗うすべがない、というのが実際のように思われる。他馬が積極的に位置を取りに行って先行争いが激化するならば、先行勢が総崩れという場面も視野に入れたいところだ。

紛れの少ないコースで

過去3年の東京芝1600m枠番別成績

昨年の本レースは外枠に入ったアーモンドアイ・ダノンプレミアムの2頭がスタートで不利を受け、連を外すという結果になった。しかし、内目が有利な馬場状態のなか、1頭だけ外から差し脚を伸ばして3着に入ったアーモンドアイの強さは、底知れぬものがあった。

データだけを見れば、東京芝1600mはもともと内と外で有利不利が分かれるコースではない。だが、昨年は馬場のバイアスの影響が強く出たことで、着順に紛れが生まれた。したがって、今年も直近の馬場傾向が大きな懸念材料であるが、先週の東京芝コースはおおむねフラットな馬場状態で、外差しも十分に利いていた模様。イン前有利の傾向は、そこまで強くないと考えて良いだろう。

馬場のバイアスによる紛れは起こりにくいという点や、フルゲートを大きく下回る14頭という頭数を踏まえると、今回は各馬がキッチリ実力を発揮できるコンディションが整っていると言わざるを得ない。先週のダービーと同様に実力馬による堅い決着と見て、馬券を組み立てたい。

GⅠ・8勝目は目前

2週連続で断然の一番人気を本命に据える形にはなるが、ここでもアーモンドアイが圧倒的に抜けていると言わざるを得ない。先述のとおり、昨年は不運に次ぐ不運のなかで馬券圏内をしっかり確保しており、何事もなければまず圏内は堅いだろう。これまで大事に使われてきただけあって、中2週という詰まったローテは不安材料かもしれない。だが、走りやすい馬場で楽勝という前走の結果を見るかぎり、ダメージはないと考えてよいだろう。

2番手にはグランアレグリア。前走の高松宮記念は、直線だけ見れば他馬と全く違うレベルの末脚を使っており、直線の長い府中の舞台は間違いなく好材料。スタート次第ではアーモンドアイを脅かす存在になりうるだろう。少し揉まれ弱いところがあるのは懸念材料だが、比較的に外目の枠に入ったことでスムーズに運べると見込んで高く評価したい。

3番手はノームコア。アーモンドアイが前走ノーステッキで1.30.6のタイムを出したため、霞んでしまった感はあるが、1.30.5のコースレコードはこの馬によるもの。ヴィクトリアマイルは位置取りの差が出たが、それでも最後には3着に追い込んでおり、そこまで悲観すべき内容ではない。昨年の富士Sでもアドマイヤマーズを含む強豪を蹴散らしており、牡馬を交えた一戦でも期待は十分に持てそうだ。

4番手にダノンプレミアム。昨年はスタートで大きな不利を受けて思わぬ惨敗を喫したが、秋はGⅠで2戦連続2着と実力を見せた。今年の豪QE2世Sでは3着という不本意な結果に終わったが、カーブの占める部分が多い豪ランドウィック競馬場で外々を回っての競馬で酌量の余地は十分にある。雪辱に期待したい。

インディチャンプの前走マイラーズCはかなり楽な展開での圧勝であり、評価を上げる材料には乏しいというのが正直な印象。去年の春秋マイル王という立場ではあるが、昨年の本レースは内枠を最大限に利しての戴冠であったし、今回は相手評価が妥当と考えたい。

堅い決着と見越しているためあまり手は広げられないが、久々に得意な府中に戻ってきたダノンキングリーは押さえておきたい。

▽安田記念予想▽
◎アーモンドアイ
○グランアレグリア
▲ノームコア
△ダノンプレミアム
×インディチャンプ
×ダノンキングリー

《ライタープロフィール》
東大ホースメンクラブ
約30年にわたる伝統をもつ東京大学の競馬サークル。現役東大生が日夜さまざまな角度から競馬を研究している。現在「東大ホースメンクラブの愉快な仲間たちのブログ」で予想を公開中。

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