ルメールVS川田のリーディング争いは大逆転!騎手の移動制限が明暗を分ける【2回東京・3回京都開催終了時の騎手リーディング】

三木俊幸

リーディングインフォグラフィックⒸSPAIA

ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)

ルメール騎手の猛攻

ダービーが終わるとともに、12日間に及んだ2回東京、3回京都開催が終了した。今開催はすべての期間で騎手の移動制限が設けられ、土曜日と日曜日に異なる競馬場での騎乗ができなくなった影響が大きく、重賞レースで乗り替わりを余儀なくされるケースも多く見られた。そうした状況の中で、リーディング争いに変化はあったのか、各競馬場別のリーディングとともに振り返っていく。

まずは2020年のリーディングトップ5から見ていこう。皐月賞が行われた4月19日終了時点では川田騎手が66勝でトップだったが、3→0→3→0→1→1→1→1→0→0→0→0とGⅠ開催が続いた東京では2勝に終わるなど、後半に失速。プラス10勝で76勝を挙げたが、ついにリーディングの座を明け渡すこととなってしまった。

変わってリーディングトップに躍進したのはルメール騎手。川田騎手とは12勝差があったものの、驚異の26勝を挙げる大活躍。トータルの勝利数を80勝にまで積み重ねた。その内訳は4→2→0→2→4→2→2→1→3→3→1→2。GⅠ開催に伴いリーディング上位の騎手たちが東京に集結した後半8日間で、他のリーディング上位騎手が勝ち星を伸ばせていない中、18勝を挙げられたことは大きかった。

3位以下は、プラス8勝で52勝を挙げた武豊騎手が3位、プラス6勝で47勝の松山騎手が4位、先日の日本ダービーを制した福永騎手がプラス10勝の43勝で5位となっている。

面白い攻防が見られたのは、3位争い。ヴィクトリアマイルが行われた5月17日を終わった時点で、武豊騎手はわずか3勝しか勝ち星を伸ばすことができず、落馬負傷で2日間の休みもあった松山騎手に1勝差にまで迫られていた。しかし、そこはレジェンド。後半4日間で5勝を積み重ね、再び5勝差とした。

レーン、ルメール両騎手が抜けた成績

ここからは競馬場ごとの好成績騎手に目を向けていこう。2回東京開催は、NHKマイルCから日本ダービーまで4週連続でGⅠレースが行われたこともあり、ハイレベルの争いが繰り広げられた。

ルメール騎手を1勝差で上回り、最多の25勝を挙げたのはレーン騎手。12日間すべて東京競馬場で騎乗し、2→3→3→1→2→2→3→2→3→2→1→1とすべての開催日で勝利を収めた。ただし、重賞レースでは京王杯SCをダノンスマッシュで制した1勝のみ。昨年に比べるとやや物足りない印象を受けた。厩舎別の数字では、身元引受となっている堀厩舎の管理馬で8勝、勝率32.0%と素晴らしい成績。今後もこのコンビから目が離せない。

3位は8勝でデムーロ騎手と並び、三浦騎手がランクイン。関東所属ということで、平場戦を含めて騎乗依頼が集まりやすいということも言えるが、それでもリーディング上位騎手が集結した中で日本人最多勝利を挙げたことは評価できる。

幸騎手が12勝でトップ

3回京都開催は、最初の3週間で川田騎手が8勝を挙げてトップに立っていたが、不在となった後半の3週間で8勝の活躍を見せた幸騎手が12勝でリーディングを獲得。すべて人気馬での勝利という訳ではなく、単勝回収率は195%と好成績。加えて騎乗回数115回は抜けて多く、厩舎関係者からの信頼が厚いということが言えるだろう。

11勝で惜しくも2位に終わったのは藤岡佑騎手。後半の3週間で9勝と幸騎手を上回る成績を残していた。複勝回収率が123%と悪くはなかったが、じつに2着が20回もあり、勝ちきれないレースも多かった。

10勝で3位だったのは松若騎手。こちらは後半の3週間で7勝の活躍。単勝回収率217%、複勝回収率102%と勝ち星が多かった騎手の中では、最も馬券的に美味しい配当をもたらす存在だった。

6月に入り、今週末から騎手の移動制限は解除される。ルメール騎手と川田騎手のリーディング争いの行方はどうなるのか。また京都開催で活躍した藤岡佑騎手、5月24日に終了した1回新潟リーディングの岩田望騎手など6位以下の騎手も勝ち星を積み重ねているので、武豊騎手、松山騎手、福永騎手もうかうかしているわけにはいかない。3〜5位争いにも注目していきたいところだ。

5月31日2020年騎手リーディング

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