【日本ダービー】波乱が起きる時のキーワードは「4角7番手以内」 京大競馬研究会が推奨する渾身の穴馬とは!?

京都大学競馬研究会

2020年日本ダービーに出走するビターエンダーⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)

ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)

超重要!日本ダービーにおける位置取りの優位性

いよいよ日本ダービーがやってきた。新型コロナウイルスの影響で、前代未聞の無観客で行われる。ややもどかしい思いもあるが、今競馬ができることに感謝にしたい。

今年はコントレイルとサリオスの2強ムード。確かに、上位2頭は強いが、ダービーは「運のある馬が勝つ」と言われるレース。実際波乱となった年も少なくない。今回は、波乱を演出してきた穴馬の特徴を探ってみた。

次のデータを見てほしい。これは過去10年の日本ダービーにおいて単勝10倍以上で馬券に絡んだ馬と、その馬たちの道中の位置取りをまとめたものである。

日本ダービー単勝10倍以上3着以内馬と位置取りの関係ⒸSPAIA

2010年のエイシンフラッシュを除くと、すべて4角7番手以内にいるのだ。記憶に新しいのは2019年のダービー馬、ロジャーバローズだろう。道中2番手で競馬をする先行策が功を奏し、ダービー馬の称号を勝ち取った。

また、2018年はワグネリアンが果敢な先行策で見事にダービーの栄冠を掴み取った。同年、大穴で3着に食い込んだコズミックフォースも4角2番手で競馬をできている。このように、先行馬へのケアを忘れてはいけない。

というのも、日本ダービーは、毎年多頭数で行われるため、馬群の隊列が長くなる傾向にある。そのため、春の東京の高速馬場も相まって、位置取りの優位性が強くなるのだ。穴馬を狙うなら先行できる馬というのが必須条件となる。

今回、出走馬の中で特に先行できそうな馬は、ウインカーネリアン、サリオス、サトノフラッグ、コントレイル、ビターエンダーあたりだろうか。この中から穴馬を取るとすると、ビターエンダーが面白そうだ。

東京巧者が不屈の心で有力馬に挑戦状を叩きつける!

◎8ビターエンダー
この馬は、日本ダービーの行われる東京競馬場での成績が【2.1.1.0】と、馬券を外したことがない。やはり、レース内容を見ても、東京では好内容である。

新馬戦(3着)でのレースラップを見ると、13.3 - 11.8 - 11.6 - 12.1 - 12.6 - 12.8 - 13.0 - 11.8 - 11.4 - 11.4。この日の馬場は、稍重でやや時計がかかりやすいコンディションだった。その中、ラスト2Fを11.4‐11.4でまとめており、減速していないという点と、走破時計2:02.1は評価できる。

ラスト2Fが11.4‐11.4と減速していないので他の馬も伸びている中、出負けして後方から追い込んで最も強い競馬をした。3~6着馬は次走勝ち上がりを果たしており、ハイレベルな新馬戦として話題となった。

ビターエンダーは、次走の未勝利戦を圧勝している。ほぼ持ったままで時計も2:00.3。この時期の2歳ではかなり優秀だった。共同通信杯は先行策で2、3着以下には4馬身差をつけた。皐月賞は凡走したもののプリンシパルSでは見事勝利を収めている。

先行力があり速い上がりのレースで先行して、結果を出せているので、ダービーの穴馬のパターンにぴったりだ。明確に先行する馬が少なそうな今回、人気も加味すると最も買いたい馬である。

○12サリオス
今年の皐月賞1、2着馬は買わない選択肢はないのではないだろうか。皐月賞14着のビターエンダーが次走のプリンシパルSを、10着馬ディープボンドが次走京都新聞杯を勝利した。皐月賞でサリオスやコントレイルに通用しなかった2頭がすぐに勝利したことからも、皐月賞のレベルの高さがうかがえる。

ビターエンダーとディープボンドに共通する点は、皐月賞を1000m59.8秒のハイペースを先行していた点である。本命にしたビターエンダーも先行していたように、サリオスも皐月賞では先行している。勝ちに行く競馬をして、後方で脚を溜めていたコントレイルに差されたが、この着差は悲観するものではないはずだ。

また、サリオスの父ハーツクライにも注目したい。ハーツクライ産駒を総賞金順に並べると、シュヴァルグラン(JC勝利)、ワンアンドオンリー(ダービー勝利)、スワーヴリチャード(JC勝利)、ジャスタウェイ(天皇賞秋1着・JC2着)で、長距離で良績を残している馬が多い。距離が伸びてさらにパフォーマンスを上げてくる可能性を考慮して対抗にした。

▲5コントレイル
説明不要の無敗の皐月賞馬である。やはり東スポ杯2歳Sを強調したい。勝ち時計1:44.5というのは素晴らしい時計で、普通2歳では出せないものである。

過去10年で2歳戦の1800mを1分45秒以下で走破した馬は存在しない。ラスト3Fも11.7 - 10.8 - 11.4と速い上がりを使えていて、別次元のパフォーマンスを見せた。東京でこれだけのパフォーマンスが出せているので、むしろ皐月賞より強い競馬をすることも考えられる。

他の相手としては、コーナーでの加速が不得意なので、外回りや、直線の広い東京が合いそうな△ディープボンド、アイビーSのパフォーマンスが評価できる△ワーケア、ビターエンダーと同様に先行できそうな☆ウインカーネリアンを挙げておきたい。

ダービーは特別なレースだ。馬券の的中に注力するのも良いが、自分の好きな馬に夢を託してみるのも良いかもしれない。

【日本ダービー2020予想】
◎8ビターエンダー
○12サリオス
▲5コントレイル
△13ディープボンド
△3ワーケア
☆18ウインカーネリアン

・買目
ワイド◎-○▲
3連複◎-印
馬連◎‐印

(文:ケータロー)

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